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著者のミステリーゾーン特報班は、正体不明のグループですが、1991年~1992年に青春BEST文庫から4作品、1993~2012年にKAWADE夢文庫から12作品の著作があります。
これは、1992年に青春BEST文庫から刊行された1冊。前年に刊行された書籍の第二弾となっています。
各種書籍・雑誌から抜粋した怪談を82編収録。
前作のような、芸能人、著名人の体験談は、ぐっと少なめになり、一般的な幽霊話だけではなく、動物霊、曰く付き物件、人間消失というテーマは別に章立てて構成されています。
自分の興味の方向性で、動物霊の章には少し退屈しましたが、そのあとの曰く付き物件の章は、とても興味深く読みました。
この作品の出版当時は、まだ記憶に新しかったであろう、新宿戸山公園での発掘調査で、大量の人骨が発見されたという事柄に関連して、その近くのアパートで幽霊目撃情報が多発していた、という話が実に面白いです。発掘現場ではなく、その近所、というのが非常に興味深いですね。
他にも、漫画家つのだじろう先生は、お祖父さんが角田家に養子に入る前は代々、秦という姓だった。
アンブローズ・ビアスは、パンチョ・ビラのゲリラ部隊に身を寄せていた。
といったような情報も、Wikipediaもないあの時代では、貴重だったんじゃないですかね。