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忠敬は下総佐原村の婿養子先、伊能家の財をふやし50歳で隠居。念願の天文学を学び、1800年56歳から16年、糞もよけない"二歩で一間"の歩みで日本を歩き尽し、実測の日本地図を完成させた。この間の歩数、4千万歩…。定年後なお充実した人生を生きた忠敬の愚直な一歩一歩を描く歴史大作。全五巻。
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日本地図を完成させる、二歩で一間の歩みのお話し。見慣れた日本地図が実はこんなにも複雑に作られていたとは!
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忠敬の愚直さは暦学に限ったことではない。見るもの、聞くもの、一つひとつに対して曇りなき眼でこれを受け止め、己の信にしたがって身を処する。その愚直さに心を打たれる。
このあとアイヌに入った忠敬らの行く末は。。。
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面白い。
江戸ものはもともと好きだけれど、
伊能忠敬ときちゃぁ、もう読むしかない。
それを井上ひさしが書いているという面白さ。
土地柄や歴史や、小話や、
とにかく面白い要素が盛りだくさん。
井上ひさしの伊能忠敬像も期待を裏切ることなく
愛すべきもの。
旅の続きが楽しみ。
次号で蝦夷入り。
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~<5> すごい業績だち思う。しかも50歳を過ぎてから始めた仕事。こつこつ積み上げることが大切だし、いくつからでも始めることが大切なんだと痛感。まだまだ、これからだ!!
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江戸から三厩まで.
山東京伝,松平定信,山片蟠桃などの実在の人物が登場し(たぶん)虚実の入り交じった話が詳細に語られる.エピソードの密度が濃い.
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冲方丁『天地明察』を読み始める前に、と思って、江戸暦学や、江戸天文学関係の本を読んでいる。
本書については、そういったことに興味を持つずっと前から知っていたが、あまりのボリュームに手を出さずにいた。
文庫の第一巻でも、650余ページもある。
それが、四巻まであるのだから。
それにしても、大変な本だった。
忠敬が幕府の測量方として、蝦夷地の実測に出かける話。
この巻では津軽の三厩から、いよいよ蝦夷へ渡るところで終わっている。
史実に忠実に基づいた小説なら、どうしてこんなに大部なものになるのか、最初はいぶかしく思ったが・・・。
景気高揚策として吉原大火を起こした松平定信のはかりごとを知って、命を狙われる(もちろん史実ではないだろうけど)。
升屋小右衛門(山片蟠桃)、三河低馬(菅江真澄)、木食上人など、大変な文化人たちに次々に出会っていく(これも、どこまで史実かはわからない)。
測量方であるに過ぎない忠敬が、本当は幕府巡察人であると地元の人々に勘違いされ、次々と人々の困りごとに協力させられていく。
なんだか、ほとんど水戸黄門(もちろんドラマの)状態なのだ。
これは、つまり、エンターテインメント小説?
もちろん、随所に忠敬の研究の様子が描かれ、東北のさまざまな土地柄も描かれ、井上ひさしの小説の醍醐味が味わえた。
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本当はこんなに事件とかなかったのだろうけど、こんな感じで測量をしていたのだなぁとわかってよかったです。
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全5巻、ページ総数3294に及ぶ、井上ひさし畢生の大作。この作品を書くにあたっては、実に膨大といっていいほどの史料や文献が集められたのだろうと思う。作家の思いや意気込みも相当なものだったに違いないという感じが如実に伝わってくる。第1巻は、伊能忠敬の江戸出立から蝦夷地に船出するまでを描く。当時の暦・天文学者は言うに及ばず、山東京伝や松平定信、山片蟠桃から菅江真澄、果ては木食上人にいたるまで、続々とこの時期を彩った人物たちが登場する。それにしても、あんな時代にありながら、それぞれの人物たちのスケール感は凄い。
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(*01)
テクストが重層する。
原基のテクストに忠敬の日記がある。第二に忠敬の時代のテクストがある。第三にこれら二つに解釈を施した井上のものと他の史学者らが記したテクストがある。第四にこれら三つを踏まえた上でこれら三つに記されなかった部分を井上が創作したテクストがある。第五にまえがきやあとがきとなる第四までの創作を記しての自己批評的であり私事的なテクストがある。
第一と第二の関係は、正統的な歴史理解と照らし穏当に読むことができる関係にある。歴史物として、忠敬周辺と近世後期に現われた新たな経済関係や文化諸相に対する知識を深めてくれるもので、コンテクスト-背景として読めるものでもある。
厄介が生じるのは、第三と第四のあたりで、井上の主観やそれに基づく創作が混じり、第一第二が正典ないし聖典となり遊びの余地を孕まずにカテキズムとして作用した反動として、物語と堕する。戯曲をよくする井上としての真骨頂はこの物語パートであり、固定化された正典を脇に置きつつ遊んだ結果のテクストともいえる。
ただし、現代感覚からすると、この物語は黄門的であり、やや近代的な苦悩が絡んだ漫遊記の様にも読める。つまりは、この物語部分は普通に読むと、安定的につまらないものである。事件がある、陰謀がある、色や女がある、孝行がある、忠義がある、貧富がある、しかし、それらの物語は、定めし平板である。
中盤の蝦夷の道のりは長く、アイヌと和人との交易やいざこざ、ひっくるめて未開と文明のコミュニケーションの問題に、創造の翼を広げて筆を大いに振っている。これは当時のアイヌに関する記録、北辺北方に関する資料が、化政文化や地方資料などに比して少ないため、創作の余地が生まれたと解することができよう。
それにしても、当時の文化の交差点として歩き続ける男忠敬を配したのは面白い。山東京伝、松平定信、山片蟠桃、菅江真澄、木食上人、間宮林蔵、平山行蔵、十返舎一九、葛飾北斎、二宮尊徳、鶴屋南北といった多士済々が、虚実はともかく、忠敬の旅程で交錯する。また、街道の宿場、後背地/搾取地としての農地、漁船や通商船が行き交う沿岸、こうしたそれぞれの場を舞台として、経済を営む民、そして徳川政権を筆頭とする権力としての武家などがしっかり描かれており、やがて近代を迎える、あるいは近代化を遂げつつある総体としての社会を読み物として学びとるテクストとしても有用である。
もちろん、忠敬の晩年に専門とした星学とその応用である測量と地図のあれこれについても教えられる。忠敬の一歩一歩と四千万歩は、地球における国土の相対的な位置を読み取り、歩測により正確に国土の姿をとらえる行為であった。地をテクストとして、忠敬は歩により読んでいたことになる。伊能地図とは表現である前に、読みであった。
私たちは地図を読むことはできるが、地を読むことのできるほどの学を修めていないし、一字一字一歩一歩読んでいる暇もない。伊能忠敬の偉業は、地図を表したことの前に、地を読んだことにあった。
本書を読むことの意味はそこにある。井上は伊能に習い、忠敬の一歩一歩を読みつつ、読み物としてのテクストに表したかったのだ��うと思う。果たしてその試みは、自称するところ、1/7で頓挫してしまった。
井上に継いで、この先の伊能忠敬の足跡を読み著す者がいつかは現われることと思う。伊能忠敬の一歩一歩は詰まらないが、一歩一歩が紡いだ全体の図像と物語には読み解くほどの価値がある。
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2014/10/14
読み終わった
昔々、父に勧められた本。読み終わるのに8ヶ月かかったよ。井上ひさしらしく、舞台にしたら面白そうな台詞回しや話の起伏が多い。旅のひと宿ひと宿が、舞台の一幕のような完結ものに思える。きっと途中から途中まで読んでも面白いよ。
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3か月かけて読了。久しぶりの長編かつ重厚な読み物だった。日本地図を作った人物としてしか知らなかった伊能忠敬。またこの時期の歴史は学校で学ぶと面白みが今一つ感じられなかったのを思い出す。これほど魅力的な物語になろうとは。同時代の人物たちと歩いていく先々で出会っていくのはワクワクする。一方で膨大な資料テキストが土台が物語の世界をしっかり支えている。これほどの資料の読み込みと物語の中での振り掛け具合に感心した。
歩くことは人、土地、文化と出会うこと。出会いを通して自身の立ち方、見方、あとこの小説では歩き方と向き合っていく。今の時代に読んでも全く色褪せずに読むことができる素晴らしい小説だ。この物語の続きは自分たちが歩くことで描けるといい。
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4/19は地図の日(最初の一歩の日)
1800年のこの日、伊能忠敬が蝦夷地の測量に出発、
そして実測日本地図が完成します。
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日本中をみずからの脚で歩き地図を作製した伊能忠敬を主人公にした長編小説です。
忠敬は、天文学の師である高橋至時の提案により、蝦夷地図を作成するという使命を果たしつつ、緯度のちがいによる北極星の高度を測定して正確な子午線の長さを得ようとします。当初は陸路ではなく海路をとるように指示され、さらに出発も延期されてしまいますが、隠居後の跡添えになったお栄から山東京伝へ、さらに松平定信と人脈がつながり、忠敬の旅路がはじまります。
白河では忠敬の行動に疑問をいだく者たちに命をねらわれ、仙台では山片蟠桃と語りあうなど、フィクションならではの劇的な要素を盛り込みながら、エンターテインメント性の高い内容にまとめあげているのは、著者ならではといったところでしょうか。伊能忠敬についての小説というよりも、井上ひさしの小説としての印象が強いので、史実にもとづいた歴史小説を期待していた読者は不満を感じるかもしれません。
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(再読)56歳から天文学をおさめ歩測で日本地図を作製した伊能忠敬の愚直な記録をもとにした小説。
忠敬の右肩に乗った感覚での筆致に納得した記憶がよみがえる。
第1巻は子午線1度の距離を測って蝦夷へ渡るまで。