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紙の本
今朝、港で猫の死体を見た。
2001/03/31 04:29
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投稿者:スギモト - この投稿者のレビュー一覧を見る
今朝、港で猫の死体を見た。
という一文ではじまるこの作品、 ぼくが最も好きな小説を挙げろ、と問われたときに真っ先に思いつく作品の一つで、滅多に再読なんぞしないぼくにとって、数少ない愛読書ともいえる存在だったりします。まあ、凹んだときに手に取りがち…というのもあるのですが(笑)
トゥーサンと言えば、なんとなく浴槽にもぐりこんでしまった“ぼく”、を描いたデビュー作『浴室』(集英社)が有名ですが、ぼくが初めてトゥーサンを読んだのはこの『ためらい』で、その後、他の作品も繙いたものの、やっぱり一番のお気に入りはこの『ためらい』“ハナシのない話”が好きなのですが、これはその典型です。
冒頭に引用した一文に続いて、ベビーカーに乗せた息子を連れた“ぼく”の日記のような独白のような文章が続いていくのですが、スジもなければ、これといったヤマ場もなく、ちょっぴりミステリっぽい雰囲気が出てきたかと思えば、そこはそれ、物語はこちらの予想通りには進みません。なにせ、“ハナシのない話”なので。
それとなくミステリっぽい匂い、サスペンス風な雰囲気を漂わせたりもするのですが、“ぼく”の思いこみだったり、妄想だったりしそうな文章が行き着く先は…。
なんとも形容しがたい小説で、人に勧めるときはホントに困るんですが、読み終えると、『ためらい』というタイトルそのものな感じがします。
本国での評価も真っ二つだったそうですが、これ、ダメな人は全然ダメだと思います。でも、好き♪
杉田比呂美さんのイラストがぴったりくる感じのハードカバー(男の子が可愛い♪)がオススメなのですが、文庫(集英社文庫¥362)も出てます。
Loud Minority
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