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1 浅草花屋敷 2 浅草蚤の市 3 浅草観音温泉 4 青山 5 代々木公園 6 隅田川 7 上野東照宮 8 薮塚ヘビセンター 9 上野不忍池etc...
ただふらっと足を向けた場所についての観察日記。
わたしは行ったことないけど、本を読む限り、こんなところはわざわざ行くようなところではないようですね。
それなのに読んでて楽しい。 最後まで行ってみたくはならないのに楽しい。不思議だなー。
わたしはおばあちゃんちに上がり込む話と、サーカスと、女学校の先生の話がとてもおもしろかったです。
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武田百合子さんというのは、知る人ぞ知る風景描写の名手。
小難しい語彙や技巧を凝らした表現はほとんど使わず、簡潔な言葉で、目に入ったものをありのままに描写する表現力は本当にすばらしい。
最近の小説よりも時間の流れ方が遅いようで、この本のペースに慣れるのにちょっと時間がかかってしまった。読んでいるうちに、のんびりとした昭和の町並みと人々が、映像のように見えるようになったのが印象的。ときどきひょっこりと顔をのぞかせる武田さんのユーモアにも親しみがわく。
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「夫が他界し、娘は成人し、独りものになった私は、会社づとめをしないつれづれに、ゴム底の靴を履き、行きたい場所で出かけていく。」
武田百合子が一人であるいは娘とでかけたところについてつづって行く。
淡々とした文章。
さらっとしていて、「うんこ」とか突然普通に出できて、びっくりする。
でも、彼女が、見つめ、切り取っていくものはとても印象にのこる。
人々へのまなざし、風景へのまなざし。
すごいなぁ。センスがいいのだろうなぁ。
彼女が描くわらび餅!かわいい!ぷるぷる。
そして、どの章も、終わり方がすごい!
「え!これで終わるのか」って感じの時もあるけど、そのとき残される余韻が心地よい。
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武田百合子さんが、東京を中心に「行きたい場所へ出かけて行く」さまを綴ったエッセイ。訪れるのは、浅草花屋敷や蚤の市、代々木公園やヘビセンター、隅田川でお花見をしたり、不忍池で水前寺清子のステージを観たり、あの富士山麓の家へ行ったり。百合子さんの視線が堪能できます。
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昭和の終わりに書かれた、昭和の匂いが強く染み付いたエッセイ。浅草、上野などなどにふらりと出掛け、そこで見たもの感じたものをあるがままに綴っていく。その言葉は飾り気がなく生々しく響く。
武田百合子の文章からは生の匂いがムンムンとします。そして生の匂いがすればするほど死を垣間見る。その感覚がなんとも面白いです。
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読みたい。どこかに売ってないかな、ネットではなく。
4/27 普通に買えた。
黄ばんだ写真のような、昭和のにおいがする。
普通の人がどうとも思わないことが事細かに書きとめられていて、しかもそれが興味深い。
恐るべき観察力。
観察され、冷静に記述されたらちょっとへこむだろう。
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文章のお手本を挙げるならば間違いなくこの本だ。百合子さんのように日記が書けたならどんなに素晴らしいだろう、と何度も読み返した。どんな出来事も、風景も等質に投げかけてきます。読むほどに味わいが増していきます。
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写真家である娘との共著。
ぶらぶらと、行きたいと時に行きたい場所へ物見遊山。
いろいろな場所へ行って、いろいろなものを見る。
日常の延長、特別なことではないかのように。
(じっさい、あまり特別なところへは行っていない)
花屋敷に行ってみたくなった。
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愛惜してやまない小著。いくら眺めていても、掌に載せていても飽きない、そういう小物をたくさん手にいれてしまった、そういう喜びのある本である。
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自分がおもしろいと思う、好きな場所へ出かけたくなる。
吹っ飛ばされそうな、おもちゃの人形になったような気分になる、あの花屋敷のジェットコースターに乗りたい。
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「夫が他界し、娘は成人し、独りものに戻った」武田百合子のお出かけ日記。
自由気ままな猫のようだけど、ほんのり寂しげな雰囲気が漂う。
花を「性器丸出し」、痴ほう症の老人を「四六時中、夢の中の人」と表現するセンス!
最高です。
するすると見知らぬおばあさんの家に上がってしまう話と
京都の話が特に好きだが、一番印象的なのは
冒頭の女中のヤエちゃんのエピソードだったりする。
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眼に見えて対岸から風が吹きわたってくる。土手の桜の花びらが先ず震え、枝の先が左右に揺れ上下に揺れ、一泊遅れてわっと花吹雪が起る。そのあとは風がなくても滑るように花が散って止まない。この花は、そういう具合になるように花びらがくっついているのだ。
『隅田川』
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2017.9月。
遊覧。いい言葉だ。ぶらっと気ままに訪れた先でのことを、近過ぎず遠過ぎず愛情を持って淡々と鋭く綴る。粋。娘さんを相方にってのがまたいい。
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木村伊兵衛さんが
撮られた写真の中の
人物やモノが
しゃべり出したら
きっと
こんなふうになるのだろなぁ
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お気に入りのお菓子を見つけて、2つ目を食べたら1つ目よりも美味しくなかった。という気分。
東京、上野と京都の散策の日記。牡丹園、代々木公園の14烈士の碑、蛇センター。マニアックながらユーモラス。