狂気の世界を描いた独特の世界観を持つ小説
2002/07/30 07:02
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:影山 師史 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は得体の知れない焦燥による狂気と現実の狭間を漂っていた危うい高校時代というものを思い出させてくれた。思うに、それは本書にも登場する、血や死といったものが象徴として現れる様な新生を期待したようなものであったのではないだろうか。しかし、私はその時代を過ぎ去ることによって、明確な形で新生するようなことはなかった。だからであろうか、その様な危うさが完全に乗り越えられることがなく私の精神の奥底のどこかで燻っているのではないかと感じるのは。本書はそんな燻りをふと感じさせてくれるような独特な世界観を見事に描き出しているように思う。
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投稿者:gonta - この投稿者のレビュー一覧を見る
好きな女の子がいきなり新興宗教オモイデ教に入信、僕は彼女を追いかけてメグマの戦いに巻き込まれていく。
繰り返される暴力と空虚さ、筋少の音楽にも通じたアイテムが登場するのが面白い。
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この人の小説はどうも駄目だな〜すいません。
最後の内田春菊の解説で、オーケンに「これから指加えたり、股間触ったりセクシーなところをアピールしてくれ」(←今で言うガクトみたいなもんか?)みたいなことを書いていて笑いました。それ、本当に実現してほしいな〜真面目にやればやるほど滑稽で笑えると思う。
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物語の内容もさることながらオーケンの表現は巧み過ぎてすっかりとオモイデ教の世界にはまりこんでしまう。
結局トー様もゾンも主人公も皆憎めない人たちばかりです。
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なぜかこれは、ビートたけしの教祖誕生と前後して読んでるんだけど。
多分これが初オーケンだった気がする。
大好きなあの子が新興宗教に!みたいなお話。おもしろい。
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初読は高校の頃買ったハードカバー版。刊行を報せる新聞の広告欄にあった〈オドロオドロしくも、青春〉の文字は未だ鮮明に憶えている。読後感が強烈すぎて以後なかなか再読できずにいたが、このたび文庫版を古本で購入し20年ぶりの再読。当時は存在すら知らなかったカンについても触れていて、その後我が音楽観を一変させることになる最重要バンドをどうして忘れていたのかと後悔すること頻り。京極の『姑獲鳥の夏』を初めて読み終えたときにも似たような読後感を味わったけれど、改めて読むとその感覚は薄れてしまう。思春期故の特権なのだな。
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オーケンの小説で始めて読んだのがこれでした。ぐいぐい引き込まれ一気に読んでしまいました。好き嫌いはわかれそうな作風です。
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ギリギリギリギリ刻みなさいよ。
嘘でも本当でもなんでもいいから、信じてついていけるものがあるってことは幸せだと、思います。
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パッとしない学校生活から不思議な世界に巻き込まれていくオーケン得意のタイプの小説だと思う。面白いのでどんどん読み進むのだ。
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グイグイと惹き込まれていくストーリー。面白いです!!
宗教って案外、こんなものなのかもしれないな。
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文章的に今ひとつ感が否めないものの、オーケンワールドはしっかり伝わります。細かい文章や脈絡は無視して言いたい事だけ掴み取るのが正解。
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おもしろい!続きが気になってしょうがなくなった。
大槻ケンヂは人の奥底にあるものを見逃さない。太宰治みたいだよ。これ読んでて、今まで理解不能だった、人殺しちゃう人とか自殺する人の気持ちがなんとなく、こうゆう心理なのかもってわかったような気がした。そうゆうひとのほうがのんきに生きてるわたしよりも、すごく「生きてる」のかもしれない!!
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あー面白い。さすがオーケン!これが長編処女作だ何て思えない。文章でちょっと「ん?」と思いましたがそれを吹き飛ばす内容のつまりっぷり。混沌をよく見て表せる表現力に感動です。ゾンと中間、というか自分BOXはグミチョコにも登場してましたよね!ラストも切なくて、きゅんとした。オーケンの小説はほんと面白いな。
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読みやすい、そして先が気になるのですぐに読み終えてしまいました。グミチョコとかロッキンみたいなのも好きなんですが、こういう系統の小説の見せ方も上手いんだなあ…と改めて感動してしまった一冊でした。
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物語の最後はこう終わる
教室では時が止まったように静かに過ぎてゆく。
放課後、僕は美術室へ入りびたり、原色の絵の具をキャンパスに塗りたくった。
その絵を見た、校内で一番年老いた美術教師は、
「爆弾みたいな絵だな」
と言った。
絵の具で汚れた手を、また水道で洗う。いくつもの色が混ざりながら流れ落ち、渦を巻いて吸い込まれてゆくのを見つめ、見つめながら、声を出さずに、僕は少しだけ泣いた。
あたしも少しだけ泣いた。
せつない。