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高原書店で田部重治の『山と渓谷』購入。「山岳全集」はもうなくなっていたので,岩波文庫のものを購入した。表紙に例のイラスト(凸凹コンビ)が載っていてうれしい。このイラストみてるだけでいろいろ想像が広がって愉しいんだよな #hongokoro
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やや牧歌的。やはり、ヨーロッパなどのスポーツとしての登山が日本のアルピニズムとして定着する前の山紀行としての読み物。
ただ、明治・大正時代の登山は、装備の点でもワラジや生米を持参し、テントなども相当重たいものだったことが伺える。おまけに山に入る際のアプローチの距離も交通の便を考えると今の登攀者にとっても相当長かったろうと予想される。現に本書では、その記録も書いてあるので、現在と比較しながら読むとなおよろしいようだ。
因みに『サバイバル登山』でおなじみの服部文祥さんが、当時の登山スタイルを再現して山登りを行った著書に田部重治と同様のスタイルで入った記録も一緒に読むと面白いかもしれない。
地図を片手に、そのようなハンディキャップをモノともせずに田部流山行きを堪能するのもわるくないだろう。なお、紀行文の他にも随筆も大変面白い。特に、巻末の山岳文学の変遷史などは、次に読む山岳紀行文の参考になるかもしれない。
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文学者であり、大正から昭和初期に日本アルプス、秩父の山々を歩いた田部氏の紀行文。
山行内容は濃密で、表現も豊かなため、読んでいると自分が実際に行ったことのある場所は再びそこを訪れたような気持ちにさせられ、行ったことのない山は早くそこに行って見なければ、という気持ちにさせられる。
圧巻は、烏帽子〜水晶〜赤牛〜立山の縦走でした。単純に、行程がすごい。
今は沈んでしまった有峰村についても、大変興味深い。
あるいは、嘉門次、長次郎などさらっと出てくる案内人も、山を歩く人には馴染み深い響きばかりで、月並みな言葉ですが、古き良き、という気分にさせられます。本当に自然の中に突入していっている感じに、心が動かされます。
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「山に入る心」「山は如何に私に影響しつつあるか」
山に行きたいから、いけばいい。どうも眼前の手続きに気を取られ過ぎているようだ。
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沢野ひとし氏推奨。山エッセイとしては古典に属する名著。
明治、大正期の紀行とは思えない、奥秩父と立山連峰を中心とした山岳紀行エッセイ。多くの地名が出てくるので実際に行ったことのある人には何より楽しめるだろう。
本書はあの名雑誌の名の由来でもある。それだけでも著名な古典であることが良く分かる。
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山エッセイ。立山の描写が大好き。槍ヶ岳から日本海への旅にはワクワクした。
北アルプスは山の名前や地名が分かるけど、関東の山は全然分からないからそこは退屈しちゃった。
日本山岳会ができた頃の登山家が知れてよかった。
「もし日本においてまだ人間の足を踏み入れない場所があるとすれば、渓谷においてこそその可能性が最も多い。」っていうのは、なるほどな。
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田部重治による登山の記録。黒部や早月川、剱、奥多摩や甲斐秩父を友と連れ立って縦走し、低体温症で遭難したことも。笛吹川を遡り、秩父の渓谷美を讃える。