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この本は、実に示唆に富んでいる。
(1)「ダウンサイジング」に対する
理解を深めることが大切である。
セーの法則;供給をおこなえば需要がおこる。
しかし、ニーズがなければ仕事とならない。
松尾芭蕉;
不易「変わらないもの」と流行「変わるもの」を見すえる。
吉田松陰;
「百術一誠」100のテクニックより、一誠が勝る。
(2)これまでの仕事は、書類を作成する作業自体は、
一人でおこなう仕事で、複数でおこなうことがなかった。
しかし、共同作業によって、
質的な転換を図ることが可能となっている。
この作業をいかに進めるかである。
(3)ダウンサイジング
①「ダウンサイジング」をきっかけにして、
次の時代の「イノベーション」の発見、
ニーズの発見、市場の発見をおこなう。
そして、その中から「トータルシステムの提案」をする。
環境の変化が、問題を噴出、表面化させた。
②不況・円高ということで、
農業の質的転換が求められている。
農業におけるシステムの構築によって、
「イノベーションの発見、ニーズの発見、市場の発見」
を行えるようにすることが求められている。
③ダウンサイジングは、「仕事の改善」の
レベルの苦労ではなく、「仕事の改革」の
レベルの苦労ですから、
なおさら継続させる根性を必要とする。
(4)机の上に座っている。
パソコンの前に座っていることが、
仕事をしている評価につながらない。
(5)データベース;
「フィールド」「レコード」「リレーション」をつくる。
①システムとは、「使うために作る。」
②デ-タの一元化を図る。
一元化によって、複数の人が、使用できるようにする。
ファミリーレストランは、
料理の「煮る」「焼く」「蒸す」「炒める」「生」「発酵する」
といった調理法をシステム化に挑戦して規模を拡大してきた。
味の追求、効率の追求、大量消費による低コスト。
商品によるデータベース(在庫管理をおこなっている。)
これを人によるデータベースに転換する。
しかし、個人の情報までデータベースと
することによって、営業分析ができる。
「1レコード=1人」
③セクション別のデータベースについて
「企画-生産-営業」というセクションごとの
データベースは、分離してもっている。
それをユーザーという視点から統一してもつことによって、
「要望」「不満」「改善要求」が、理解できるようになる。
「商品」に対する顧客満足度、
「サービス・アフタ-ケア-」に対する
顧客満足度から、ニーズ型の仕事をすることとなる。
④販売管理システム
「販売管理」「生産管理」「財務管理」
「データベースを人中心に構築し直せば、
ある確率で、不況(非連続)を克服する手段が
発見できるかもしれない。
情報とは、人にくっついているものですから、
流動的で、変化が多く、直接的な変化がえにくく、
管理運用が一番難しい。」
データベースの機能アップで、「営業支援」を進める。
⑤「何を誰から買う。」
「何を誰に売る。」・・やはり誰がキイワード
「どこの誰に何を提案するのか?」
;提案型を有効にするために
⑥データベースを構築することによって、
「不況に役たつ」「競争に乗り遅れる。」
「組織を強化する。」「未来の商品のニーズを見つける。」
⑦会社の一番の資産は、「ユーザー」である。
⑧データベースを作るためには、
小さな失敗をつみかさねる。
小さな失敗を解決していけば、大きな成功につながる。
⑨新鮮なデータベースを作るために
社外報を出すこと;それを届ける
セミナーをおこなう。
(6)イマジネーションは、
隠れたニーズ(マスクドニーズ)が把握できる。
(7)「価値分析は、性能・納期・原価の適切な
バランスをとるためにおこなう。」
価値分析とは、最低のライフサイクルコストで、
必要な機能を確実に達成するために、
製品またはサービスの機能分析に注ぐ組織的努力である。」
価値分析の根本思想に
「Blast→Create→Refine」がある。
①Blast;砕く。その上で、果たすべき機能を考える。
現状に変わる機能の達成方法がアイデア
として浮かんでくる。→ダウンサイジング
②Create;果たすべき機能の上に、
その達成方法を考える。→データベース化
③Refine;洗練する。発想されたアイデアは、
ある意味では、思いつきにすぎない。
だからこれを経済的にも技術的にも十分かつ
現実的な案に育てる。
アイデアを技術的な面から検討するとともに、
コストの内容を確認し、アイデアを洗練化する。
→ノウハウのミックス
(8)未来の環境を予測するもう一つの方法として、
デルファイ・メソッドがある。
「大勢の意見を集める。」「他人の意見を知らせる。」
「他人の意見を参考に自発的に修正を加える。」
(9)いらないものを処分することが「整理」であり、
欲しいものがいつでも取り出せる状態にしておくことを
「整頓」という。ただきちんと並べるだけなのは、
「整列」であって、現場の管理は、
「整理整頓」でなければならない。
トヨタ 大野耐一;カンバン方式の開発者
ものの情報を構築することは、「整理整頓」が基本である。
(10)ロジスティックス
「早く、安く、必要なものを必要な量だけ
必要なものに供給する。」という、
哲学のシステム。ロジティックスは、
インフォーメーション・テクノロジー(情報技術)という名称で、
マーケットインの発想をベースにしている。
「ロジティックスマネジメントとは、
顧客のニーズを満たすために、
原材料、半製品、完成品およびそれらに
関連する情報の原産地から消費地までの能率的で、
効率的な移動および保管を計画し、
実施し、統制する過程をいう。」
基本的には、ニーズがどのように変化し��、
どこにニーズがあるかを把握できなと
その後の過程はない。
的確にニーズを把握して、
販売、教育、生産と手の打てるのは、
データベースの大いなるメリットである。
(11)会社発想から組織発想
会社に対するエネルギーを費やすこととなる。
何か必要で新しいことをおこなおうとしても、
従来の常識がじゃまをして、
社内の抵抗にあって、うまくいかない。
これをどう一元的にニーズに対応して取り組むかが課題。
(12)仕事の方法論;タイムリミットの発想
「できるだけ主義」;できるだけ間に合うように
「これだけ主義」;
「これだけ」を「いつまでに」完成させる。
(13)「必要な情報を必要とする人にだけ
発信するところに必要な情報が集まる。」
われわれの時代の「努力すれば」ということが、
「結果がよければ」ということに変化している。
今の若者のヒーローたちをどうみるのか。
藤本義一は、イチローのことを、サラリーマンといっている。
Windowsが、世界の共通のノートになった。
あとは書き込むだけで、コミュニケーションができる。
効率の良い仕事をするためにどうすればよいのか
その基礎をどこにおくのか?