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紙の本

タイトルはどうもいただけないが

2001/07/12 22:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:tanzanight - この投稿者のレビュー一覧を見る

 そして副題が原書のタイトルである、'Des racines pour vivre' を意訳しようとしたものであろうけど、どうも垢抜けていないように思える。

 とまあタイトルには文句を付けるが、本書の内容自体は開発と文化という所を正面から捉えていて面白い。西洋人の開発関係者による反省の書ではあるが、元がフランス語であるせいもあろうか、どこか文学的であり、安っぽい言葉を使えばそれこそ文化的である。その分逆に読んでいてまどろっこしい部分もあるが、アフリカ人にとっての政府という存在の分析など、非常に共感できる。

 フランス語圏でのNGOの活動というのは、あまり知る機会も無いが、本書ではその片鱗に触れることができるし、また宗教と開発、というものにも筆者は深い理解を示している。宗教からの開発アプローチというと、どこかうさん臭さをつい感じてしまいがちであるが、本書はそれを文化に根差したものとして肯定的に捉えている。宗教に関心の無い者には抵抗があるかもしれないが、宗教からのアプローチが切っても切れない、というのは途上国の多くの人にとっての reality かもしれない。

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