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気性が激すぎて、せりでもまるで値段がつかなかった暴れ馬、ダークリング。祖父:マーフィが競馬で勝ったあぶく銭で買ってくれたその馬は、ジェニーにだけはなついていた。そしてダークリングが、むちゃくちゃな環境の家族から彼女が逃げ出すきっかけを与えてくれた。この馬で、いつかレースに出て……
読み終わって「赤毛のアン」を思い出した。
でも、もっと現代的。
アンの人生は、素直な好奇心と学問がすべての端緒だった。
ジェニーの人生は、馬が、ダークリングがすべての始まり。
それから、横軸として彼女の親たちの激しい愛。
思春期以上の女子が読むにはもってこい。
(男子も…女の子の心の葛藤を読め)
もっとつまんないかと思ってたら掘り出し物だったよ~。
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気性が激しすぎて、驚くほどの安値で競売にかけられていた仔馬ダークリング。
主人公・ジェニーの祖父・マーフィは、放牧場どころか馬小屋の当てすらないままにダークリングを買って、ジェニーにプレゼントする。ジェニーは動物が大好きな少女なので喜びはするが、現実的な不安で心はいっぱい。
ジェニーの心配をよそにダークリングは魅力的な若駒へ成長していく。ジェニー自身も、学校を出て人生を切り拓いていく。
ダークリングがいなければ、ジェニーの人生はもっと暗いものになっていたのではないだろうか?
ただ、人間関係が複雑すぎて…
どうにも、こちらが望むようなハッピーエンドとはいかなかったのが残念。
心温まるような動物物語だと思ったら軽目に性描写も入っていてびっくりした。
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ペイトンの作品に初めて出会ったのは、中学の図書室、「卒業の夏」だった。
主人公のペンは、自分の性格、境遇、才能に悩み、自分の将来に悩んでいた。それが、ちょうど自分の思春期にも重なり、苦しかった。
そして、ようやく念願のこの本を読むことができた。
ペイトンの作品は、いつも最後が “決まらない”。
まとまっていないとか、落ちがないとか、締まらないというような意味ではなく、「大団円」や「Happy End」、「めでたしめでたし」で終わらないということ。
この作品でも、ダークリングが優勝し、母親も幸せを掴み、ゴダードに愛され、求められ、アメリカに行けることになったというのに、ジェニーは祖父マーフィの最期を看取るために、イギリスに残ることを選択する。
ジェニーは泣いて、自分の選択を後悔して、泣き伏す。
その後、どんな運命になるのかは、誰にもわからない。ゴダードは戻ってくるのか、ダークリングは勝てるのか、マーフィはどうなるのか、そして、ジェニーはどう生きていくことになるのか。幸せは掴めるのか。何一つ、わからない。
でも、泣くだけ泣いて、ジェニーは立ち上がるのだ。
人生は一つの「めでたし」では終わらないし、その先に、まだまだ続きがある。運だけでは何も始まらない。人生は、自分の力で切り開いていくしかないのだ。
それは絶望でも、諦めでもなく、力強い希望なのだと、ペイトンは語っているように思う。