紙の本
これぞ、オペラ座の怪人の原点?
2001/11/10 19:06
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:zuma - この投稿者のレビュー一覧を見る
これを読んだとき、あたしは「これが、あのミュージカル『オペラ座の怪人』の原作ではないか」と思いました。
スーザン・ケイ氏の描写は美しく、また、訳されている北条氏も、訳本にありがちな硬い表現ではなく、柔らかく、読みやすく訳しており、それがよりよい相乗効果をかもしているのではないでしょうか。
上巻は、タイトルにもなっているファントム(本中では「エリック」という名前)が、パリのオペラ座に住み着いて「オペラ座の怪人」と呼ばれる前の、生い立ちをつづったものです。奇形で生まれた我が子を愛したいのに愛せず、奇形を隠すため仮面を作り、エリックにかぶせる母。母に冷たくされながらも、創作に対して恐ろしいほどの才能を見せるエリック。そして、やっと息子を愛そうと決意したそのとき、エリックは家を出て行ってしまう…。
我々が「普通」でないことにどれだけ畏怖を感じているか、それがどれだけ醜いものか、このファントムを通して分かる気がします。
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最近何かの車のCMで「オペラ座の怪人」のテーマ曲が使われていて、それを聞く度反応してはがっくりして疲れるのですが。
といっても、一度だけ見た四季の「オペラ座〜」はあまり好きではない。だって怪人が余りにも報われない。(まあ、それがもともとなのかもしれないが)
この「ファントム」は怪人の一代記とも言うべきもので、奇形を持って産まれた怪人が、恋い慕う母に愛されず、数々の天賦の才を持ちながらその風貌のために悲劇の運命を重ねていく姿が描かれている。
特に強調されているのは、数学・建築・彫刻、そして音楽に秀でた怪人の天才ぶり。怪人というより超人なんだけれども、その才能は怪人の風貌のためにことごとく活躍の場を奪われてゆく。
そしてクリスティーヌとの恋。クリスティーヌも激しく怪人を恋しているのですよ!この本では!ラウルは殆ど只の邪魔者。まあ、最後には怪人に託されてクリスティーヌを守るんだけどね。
とにかく、最初にこれを読んで感動してしまった私は、ミュージカルを見ても今イチ納得がいかないのです。うーん。
ガストン・ルルーの原作も読むべきかな……。
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19世紀フランス。異形の子として生まれてきたエリック。幼くして類まれな才能を発揮するが、母親はエリックを愛することができず、仮面をかぶせて屋根裏に閉じ込める。8歳の時家を飛び出てしまうが・・・。その後<オペラ座の怪人>と呼ばれるまでの彼、エリックの波乱の人生を描く。
これまでの人生で最高の一冊。本を読んで泣いたのはおそらく初めて。
まるで“エリック“という実在人物の伝記を読んでいるかのよう。彼の存在が実感をもって感じられるの。数年前、念願のパリオペラ座に行ってきましたが、彼の存在感にぞくぞくしました。ほんとに。
とことん語りたいけど、その前にとにかく読んでもらいたい。静かな感動を得られます。
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オペラ座の怪人。ガストン・ルルーの原作とは違い、怪人エリックの生涯が書かれる。ただのホラーであるオペラ座の怪人を別の視点から書いた小説。
小説で初めて読みながら泣いてしまった作品。行き場のない愛情を相手に暴力的にしかぶつけられない悲しさと愛おしさと、そしてそんな激しさに憧れた作品でした。
こちらも大人になってから見直すと純愛という面よりも幼稚な愛情という見方をしてしまう自分がいました。
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私の中で最高のオペラ座の怪人モノです。
中学の時に初めて読んでかなり泣きました。元々オペラ座の怪人が好きだったのですが、この本を読んで本気で惚れました。
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全ファントマーのバイブルであり、ある意味究極のオペラ座の同人誌。舞台からハマッた方も、映画からハマッた方も、死ぬまでに一度は読んどけ!!
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「オペラ座の怪人」原作に不満を持ったらこちらを見るべし。パロディ版とあなどるなかれ、この設定は素晴らしい。
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オペラ座の怪人の生涯。綺麗な話で泣きたい方に超お勧めです!映画やミュージカルでは怪人の晩年のみですが、これで彼の不幸な生い立ちが周りの方や怪人の視点から読めます。エリックに感情移入すること間違いなし!
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オペラ座の怪人の過去やら生い立ちやらを勝手に捏造して小説にしちゃった、という本。
著者のファントム萌えぶりが伝わる本です。ファントムたんはぁはぁです。
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オペラ座の怪人の出生から死ぬまでの物語。
ガストンルルーのオペラ座の怪人よりこちらの方が読みやすいし好き。
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オペラ座の怪人・エリックの一代記。生まれたときから親に愛されず、愛を知らなかった男の話。ファントムは映画のように美しい容貌じゃないんですよね。骸骨のように顔に穴が空いていて、死臭がするんです。
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久しぶりにはまった本。上、下巻とあるのですが(どちらもケッコーな厚さ)上は夜の10時に読んで、朝の9時に読み終わりました。。寝食共に忘れて読んでたらしい(笑)
内容は「オペラ座の怪人」のエリックを主人公にしたいわば二次創作の本なんだけども、二次創作だと思って侮ってたら
とんでもないしっぺがえしを食らいました。
「オペラ座の怪人」好きな人は、これは絶対はまるかと・・。。
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純粋な子供が歪みに歪んで"オペラ座の怪人"になるまでを綴ったもの。の前編。オペラ座の怪人になるのは下巻です。
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他人の評価はどうあれ、うちにとっての最愛小説です。『オペラ座の怪人』好きな方はぜひとも読むべきかと。物書きとしては大満足の一冊でした!
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「オペラ座の怪人」の怪人・エリックの半生を、彼と関わった色々な人の語りを通して描く意欲作。原典よりも感情移入度は高く、面白く読めた。
ただ、語る人物が皆こぞってエリックを讃美するので、読んでいて食傷した部分はある。そして何よりあのラストがいただけない。どうしてもクリスティーヌを勝ち得たのはラウールではなくエリックにしたかった気持ちはわかるが、あれでは原作のラストの意味がなくなると思う。あと、これは出版社および訳者のせいだが、誤字が多いのが気になった。
全体的にはエリックファンがエリックのために書いたよく出来た二次創作といったところ。前半面白かっただけに残念。全二巻。