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★やや期待が高すぎた★通訳を巡る悪戦苦闘は確かに面白い。とはいえ、いろいろな人が絶賛するので、想像もできないことが書いてあるかとハードルをあげすぎていた。外国語を学んでも言葉を使う能力の上限は母語で決まるというのは、幼児からの英語教育になじめない身としては心強い。
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通訳という仕事についてのエッセイ。
「人が母国語で思うように話すことを可能にする。通訳の存在理由がそこにある」
という言葉が印象的だった。
何よりもコミュニケーションを大切である、という筆者の意見は今の私には少々耳が痛い。
通訳者たちのエピソードにケラケラ笑いながら、深く考えもさせられる。
読んでよかった。図書館貸出
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久しぶりに当たり。面白い。タイトルを見ると勘違いされそうだが、通訳の状況を記した著書。話し手(原語)が必ずしもきちんとした文章を発するわけではない。その際通訳は、文章が変でも話し手が発した通りに訳す(不実な美女)か内容を自身で判断し多少成形して訳す(貞淑な醜女)かを瞬時に判断しなければならない。そのような内容が記されている。印象に残った箇所3つ。?通訳、翻訳という営みは、メッセージの送り手と受け手という二人の旦那にいつもいつも気を遣いながら、その二人の旦那を生かすために決してでしゃばらず、自分というものを押し殺していかねばならない。しかも、その運命は二人の旦那次第という、思えば、なんとも過酷で分の悪い仕事ではないか。通訳者は高いスキルを必要とする職業であると思っていたが、これほどまでに難解な仕事だとは思っていなかった。送り手の背景を踏まえ、かつ受け手の背景を掴んでおかないと話が通じない。それは、仕事のできに直結するわけだから、下手をすると食っていけないということにつながる。?通訳者は、文系出身者が多いが、そんなことはおかまいなしに、軍事とか、宇宙開発とか、原子力とか、医学とか、電子工学とか、新素材とは、科学技術分野の方が多いということを知る。考えたことなかった。でも、ちゃんと考えればそうなるはずだ。分野を問わず、通訳という仕事をさばく人達は天才ではないかと思う。それを考えると理系だの文系だの言ってられないし、それで線引きをするのは言い訳だと思う。?知識は一般にパッシブなレベルで見についたものと、アクチブなレベルで見についたものと、大きくわけて二つに分けることができる。消極的な知識とは、他人が話したり、書いたりしたものを理解できる、受け身の知識や語彙を意味し、消極的知識とは、自ら話したり書いたりする際に能動的に使える語彙や知識を指す。つまりは、アウトプットしないと身につけることはできないということである。自身の本のレビューもそういった意図を含めて記述しているから、著者の主張していることはよくわかる。問題は、母国語以外の語学である。使う機会が限られている場合、必要に迫られている人との差が生じてしまうのは痛い。できるだけ自分を追い込みたい。
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再読。このブクログの本棚に入ってなかったので、もしや読んでないのかも、と思ったけど、そんなわけはなかった。この聡明な米原万里さんが既に亡くなっているなんて信じられない。これはエッセイとなっているけど、通訳論なので、ちょっと難しいところもあるけど、言葉は好きなので面白い。通訳を目指す人には必読書なのではなかろうか。小さい頃から母国語ではなく、いろんな言語を話させるのはよくないというのを、今の小学校から英語というのを決めた奴らはどう思うのか。日本語、日本の歴史や文化を理解していないうちに英語を話せたところでなんだというのだ。そもそも学校教育だけで、どれだけ言語が身に付くというのか。
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まずは母語を磨こう。
図書館の言語学コーナーに紛れていた(と思った)場違いな本のタイトル。気になって手にとると、とても何かを感じた。借りた、読んだ、笑った、為になった。
3ヶ国語しゃべれば神様扱いされる日本で見落とされがちな国語こと、日本語。
米原さんと私の親友、二人の共通点は言葉を転がすように扱うこと。同じことを伝えるのに、どうしてここまで面白いのよ!
親友のブログがいっこうに更新されない隙に、米原本を2日で読破した。思いっきり言葉に笑わせてもらった。
通訳になる、という夢の100分の1つは少し熟考。
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私も通訳・翻訳を仕事でしているので、筆者の言うことに共感しすぎてしまった。これを読んで、なんだかロシアにすごく興味をもちました。ロシア、なんだか面白そう。
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おすすめ資料 第62回日本語と外国語のあいだ(2008.4.4)
「不実な美女」というフランス語は、「美しいが、原文に忠実でない翻訳」のことを指して用いられるそうです。
本書は、ロシア語同時通訳者として活躍した米原万里氏のエッセイです。
同時通訳の修羅場と失敗談、2つの言語の間を行き来することの面白さと苦しさについて軽妙に語っています。
異なる言語間のコミュニケーションを成功させるには、外国語の能力だけでなく、美しい母語を駆使できる能力も欠かせないことが本書から理解できます。
母語が貧弱では、いくら外国語ができたとしても、異なる言語間の橋渡しという通訳の至上課題をこなせないのです。
外国語を学ぶということは母語を豊かにすることであり、母語を学ぶということは外国語を豊かにすることだと、著者は言っています。
新学期、ご自身と母語と外国語との関係を見直してみるのもよいのではないでしょうか。
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自分の仕事についてこんなに語れるようになりたいものだ。
言われてみれば当たり前だが、通訳するジャンルによって都度勉強しなければならない。通訳している時間以外の準備時間の膨大さにクラクラした。
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通訳業の妙味がいっぱい。コンテクストが大事。ただの訳だったら伝わらないし、コンテクストへの埋め込みと発掘、異文化の橋渡しが通訳。外国語だけできてもダメなんですね。外国語を学び、日本語を客観視しすることが大事だと。25年も前の出版だけど、今叫ばれている小学生からの英語教育に一石を投じている点も見逃せません。
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通訳を生業としている著者の体験談・言語論が述べられていて、タイトルから推測される内容とは違う。
通訳と言う仕事に、今まであまり興味がなかったが、その難しさや面白さを感じることができ、少しだけ視野が広がった気がした。
面白かったが、読み進むのには時間がかかってしまった。
同じような内容の繰り返しがあったためかもしれない。
学ぶべき点・初めて気づいたことなどが多かったので、差し引き★3としよう。