紙の本
涙、涙!子どもたちにもおばあちゃんにも読んで欲しい絵本
2001/03/12 12:37
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かれん - この投稿者のレビュー一覧を見る
核家族化が進んで,祖父母と同居している家庭も少なくなってきました。家に帰った時,おばあちゃんがいるだけで,ほっとし,そして,お母さんに怒られた時は,おばあちゃんの傍にいるだけで,涙が乾いてしまう。何も言わなくても,「ぼく」の心を分かってくれる大好きなおばあちゃん。
「あそんでもらえなくっても 薬ばかりのんで ねてばかりでもいいんだ。生きていてよ。おばあちゃん。」…おばあちゃんは,悪い病気にかかり,乳房を一つ取ったのに,それでも,助かりませんでした。ベッドに横たわり,人工呼吸の機械に囲まれて眠っているおばあちゃんをそっと見つめる「ぼく」。ぼくの横顔を見ていると,一緒に涙がこみ上げてきます。
虐待,青少年の犯罪と悲しいニュースが連日のように流れています。でも,世の中には,「ぼく」のような綺麗な心を持った子供たちも沢山います。おばあちゃんの優しさが,ちゃんと孫に伝わり,また,「ぼく」から子に孫に…と伝わっていくのかもしれませんね。子供たちだけではなく,おばあちゃんにも読んで欲しい「ぼく」の心が沢山詰まった絵本です。
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おばあちゃんの存在をひしっと噛み締めたくなる1冊。いつもそばにいると、空気みたいだけど、顔を見るだけでホッとする人。落ち込んでいると励ましてくれる人。不安になると傍に行きたくなる人。そんなおばあちゃん、気づいた頃には―。
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だいすきな絵本です。この本を読むと私がまだ幼稚園生の時に亡くなった大好きだったおばあちゃんを思い出します。
涙なしには読めません。もう叶わないけどおばあちゃんに会いたくなりますね。
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初めて読んだのは確か小学2年生頃だったと思います。(当時の推薦図書?だったんですよね)私も大のおばあちゃんっ子なので,子供ながらに読んで号泣しました。大人になった今でも泣けます。一生大事にしたい一冊です。
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私が幼稚園に通っていた時に出会った絵本。
まだ病弱で通院が当たり前だった頃、その小児クリニックに置いてあった本。
初めて読んだ時、泣きそうになった。
母が隣に居たので頑張ってこらえた、なんていう可愛げのない子でした。
こどもの頃に読んでおきたい一冊。
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おばあちゃんの存在の大切さがとても伝わってきます。ただいるだけで子どもに安らぎを与える存在であることを痛感しました。
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小学1年生の時、学校の廊下の本棚に置いてあるこの本を読んで、毎日泣いた。子供ながらに、悲しくて切なくて、美しい話であることが痛いほどわかった。
私がおばあちゃんっ子だったから、いつかこんな悲しい別れがくることを予想しながら今まで生きていたような気がする。まだ出会ったことのない死について想像することは容易ではなかったけれど、おばあちゃんのそばにいるうちに、常に意識していた現象だったと思う。実際におばあちゃんが亡くなったのはこの本に出会ってから20年も後で、だけど今でもおばあちゃんの死について考える時、この本が頭にいつでも思い浮かぶ。
この広い広い屋根の下、おばあちゃんがいるといいのになって。
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いえにはおばあちゃんんがでーんといるといい
びょうきでしんじゃったおばあちゃん
さみしい男の子
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知り合いの子どもに読み聞かせしながら自分が泣いてしまい、その子にキョトンとされた。
だって初読みだったんだもん。知らなかったんだもん。こんなおはなし泣いてしまうよ。
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「ぼくは、おばあちゃん
が大好き。いつも優しい笑
顔でぼくをつつんでくれる。
おばあちゃんが、家にいて
くれるだけで、家族の皆が
落ち着くんだ。なのに、あ
る日おばあちゃんは病気に
なった。おばあちゃん、い
かないで。ぼくは心の底か
ら祈ったけれど‥。
今や、核家族世帯が主流
で、ほとんどの家族は祖父
母と触れ合うのは年に数回
です。高齢化により、お年
寄りの数は増えましたが、
お互いに気を遣う煩わしさ
を避けるために、居を別に
構える世帯が目立ちます。
そんな中で本書は、おば
あちゃんと暮らせる「ぼく」
の幸せな気持ちを軽妙な文
体で語っていますが、その
根底には年長者を敬い慈し
む家族愛が感じられて、読
者を暖かな気持ちにさせて
くれます。元気なおばあち
ゃんと孫の「ぼく」の何気
ない日常の会話を読んでい
くうちに、永遠に続くよう
に思われた祖母との関わり
が、おばあちゃんの乳がん
発症によって病と闘う姿や、
それを心配する孫の優しさ
に感動を覚えるさまに変化
してゆきます。おばあちゃ
んが、力尽きてさよならも
言わずに天国へ旅立ってい
く様子を孫の「ぼく」が冷
静に見つめる姿が余計に悲
しみを誘います。思わず、
「大丈夫だよ、遠くからお
ばあちゃんは見守っている
よ」と、声をかけてあげた
くなるでしょう。
子どもの目線を通して、
「死」や「老い」という永
遠のテーマに向き合ったま
さしく珠玉の一冊です。
1995年第一回日本絵本大賞
受賞作品。
2019年4月掲載予定
更別村農村環境改善センター
図書室
臨時司書職員 斎藤優子