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短編集。
幻想的な作品が多い。特に別次元、別世界が日常のすぐ隣に潜んでいる、そこにいつでも迷い込みかねない、そんなちょっとした恐怖が背後を流れる作品が多かった。
以下、感想
「魔法の書」
この作品が非常に気に入ったのでアンデルソン=インベルの本を買ったわけだが、二度読んでみるとこの作品の恐ろしさがもっとよく見えた気がする。呪いがかかっってしまったのか。★★★★★
「将軍、見事な死体となる」
奇妙なミステリー。ラテンアメリカ諸国ではよくある政治的混乱を揶揄したいのか、それとも安っぽい推理小説へのあてこすりなのか。★★★★
「ツァンツァ」
干し首って本当にあるんだな。思わぬことで暴露される日常の秘密。★★★★
「亡霊」
うっかり幽霊になってしまった主人公。そして霊の世界の意外な孤独。★★★★
「船旅」
大いなる自然に溶け込む。話としては普通?★★★
「タブー」
ショート・ショート集。とりあえず「タブー」には笑った。無邪気な、自覚のない罪。★★★★
「身軽なペドロ」
これは怖いなw★★★★
「空気と人間」
これも怖いなw★★★
「手」
偏屈者の執念というやつか★★★
「屋根裏の犯罪」
やっぱり推理小説を馬鹿にしているんだろうな、著者は。★★★
「道」
天使がそれくらい大忙しで働かねばならないこと自体に絶望した。★★★
「水の死」
自然、というか日常のなんでもないことをよく観察していること。もろい美しさをもった詩情感じる一編。★★★★
「決定論者の妖精」
つまりグズなやつのわがままだったわけだ。★★★
「ファントマ、人間を救う」
これはもしかしてキリスト教をあてこすっているのかな?死は救済という教えを片耳で聞きながら、生に固執する人間。★★★★
「解放者パトリス・オハラ」
白人の手によって目覚めさせられた。そして土着の神々は死んだ。★★★★★
「アレーホ・サロ、時のなかに消える」
いま現実だと思っている世界が幻だと分かった時、あるいは自分がはじめから存在しなかったのだと分かった時、どんな絶望が降りかかるのか。★★★★
「森の女王」
未知との遭遇?★★★
「ニューヨークの黄昏」
どこで現実からひきはがされしまったのか、そして何故現実の世界へ戻れないのか、興味はつきないがやっぱり怖い話。★★★★