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紙の本
南部一揆の旗
2009/12/19 22:47
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:inarix - この投稿者のレビュー一覧を見る
「どこの国でも、領主が悪ければ替えればええのだ。――さらに大本にさかのぼって、幕府のやり方がよろしくなければ、日本中の百姓や町人が心を合わせて、それをなおせばええつうことだ」
大名も乞食も、同じ人間なのだ。そう、『百姓は天下の民なり』。
相次ぐ大飢饉。他国では藩政府が備蓄した五穀を放出し、あまり死者を出さなかった中、南部藩では役人が例年と変わらず税金を徴収し、取るものがないとわかると大根の葉まで奪い取って行き、結果、何万人もの餓死者を出していた。
食べるものもなく、鍬を持つ体力もなく、牡蠣の貝殻で地面を這い蹲るようにして畑の土を耕す日々。栄養不良のために若くして体を損なうものも多い。
朝の暗いうちから夕方、手元が見えなくなるまで働きづめ、夜は鼠のように藁にもぐって眠り、美味いものの味も知らずに一生を終える。
領主とは雲の上の存在で、逆らうことなど夢にも思わず、つらく苦しい日を送りながら、自分の一生が終わるのをただ待っている農民たちを説き、切牛に住む百姓・ 弥五兵衛が“騒ぎ立て”を起こす。
領主の交代を幕府に求めるため、仙台藩を頼る弥五兵衛たち一行は、村々を過ぎ、村人を吸収し、二万に届く一揆勢力に成長しながら、山越えの道を行く――。
嘉永六年、南部藩の圧政に抗し立ち上がった農民たちの戦い。後世に『南部三閉伊一揆 遠野強訴』と伝えられる大規模一揆のあらましを描く歴史小説。
一揆とはつまり農民たちの生きる権利を得るための戦だと思います。
憲法も国会もなく、言論出版の自由もなく、人権なんて言葉もない。そんな当時政府に対して行動を起こすということは、命や財産を捨てるに等しいことでした。
首謀者は碌な裁判もなく極刑に処される。加担した人々にも重い刑が科され、多くの農民は生活のために立ち上がりながら何一つ変えられないまま終わりました。
現在の日本は憲法を持ち平和と人権、民主主義にかかわる規範を持っています。
昔の人々が欲して適わなかった権利を獲得した今の国民と政府が、どのような道を歩もうとしているのかを問いかけているように思えます。
今は生まれたときから当たり前のように保障されている生きる権利。自分たちが持っている権利の重みを忘れているから、今の日本の内政の混迷があるのではないでしょうか?
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