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馬が昔労働の担い手だった頃の悲しい話。こんな衝撃的な本は読んだことがありません。大人のための絵本。版画も素晴らしい。
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…正直、どうレビューを書いたらいいのか、悩みます。できるだけ先入観なしで読んでいただきたいので。馬が好きな私は、ただタイトルの『馬』に惹かれて書店で立ち読みし、そのまましばらく放心状態で立ちつくしていました。
戦争にまつわる物語のうち、いちばんにお薦めしたい一冊。馬の版画がたいへん美しい絵本です。
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わたくし、お仕事柄児童文学にかかわる本を扱うことが多いのですが、この作品は『中学生はこれを読め!』という推薦図書冊子から知った一冊です。ほんとうにすぐ読むことができますが、ラストの三行の意味をじっくり考えてみたり、全体にわたってこげ茶色のトーンに自分の気分を重ね合わせながら読んでみたり、、、短いながら考えさせてくれる本です。イメージが表示されないのがもったいない。。。
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とある縁があって偶然知りました。
重い、重い、そして悲しいお話。
「馬と、体格の悪いひとりの青年とを殺したのは、いったいだれなのだろう。」(本文より)
最後のページを捲ると、祈りのようなものを感じる。
語りたいことは沢山あるのだけれども、私が言葉を重ねるだけなんだか遠く離れていきそうな感じです。
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烏兎の庭 第三部 雑評 5.10.08
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto03/bunsho/sapporo.html
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兄と三本白の馬ソンキの姿がずっと心に残る,美しく悲しい思い出.父親の不器用で身勝手な愛も哀しい.版画と物語が響き合ってしみじみといい絵本だ.
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美しい版画が印象的な絵本
お兄さんが馬を洗う、その1シーンは、すでに充分に物語を内包していて、
わたしはずっとその光景を見ていたい。
こういう光景を現実にしたい。
物語って本来この部分のことをさすのだとおもいたい。
この本は、この美しい光景に介入して壊すことを志向する力について、
その輪郭を静かに描いていました。
父親ひとりぶんのささやかな暴力性は、
国家や軍隊という組織の、孫請け会社のようなかたちをしていた(している)。
これってどこから始まっているんだろう
今私の立つ場所にも、地下水脈のように、しずかに当たり前に張り巡らされている、暴力性の水源はどこなんだろう
私は、後半で手紙を書いている母親の立ち位置について、
自分の身にひきつけて考えざるをえない。
彼女は、自分の息子を殺した力の末席にきちんと加わり、役割を果たした、まじめで善良な母だ。
わたしは、わたし個人は、そうなりたくない。
こども殺したくて心の底からわくわくする母なんていない。この本の母親だって殺すつもりなどあったはずがない。置かれた役割を無自覚に忠実に果たしただけ。
そんな状況に置かれたくなーい。
でもどうやって?
しくみの外部に出るしかないんだろうか
図書館の児童書コーナーで手に取りました
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北海道の人と馬を巡る絵本。
池田良二の木版画から、北の大地の広大さと静寂を感じる。
暴力は迷信や戦争の形で現れる。暴力を前に言葉を持たない馬や心優しき人は何ができるというのでしょう。
川で馬を洗っている人と馬の静かな幸せに満ちた情景に、日常の暮らしの愛しさが伝わってくる。それは、多くの言葉を重ねるのと同じくらい、それ以上に雄弁に暴力の悪を訴えているように思える。