紙の本
江戸時代の政治の多面的考察
2001/09/30 00:04
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投稿者:LR45 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は、この本の中で、江戸時代の悪役の代名詞という風に受け取られている、側用人の政治にスポットをあて、如何に、側用人の政治が有用なものであったか、また、如何に側用人の政治が不当な悪評価を受けてきたかを理論立てて述べる。また、江戸時代きっての悪将軍綱吉、日本史上稀にみる悪人、田沼意次にもメスを光らせ、この二人にも再評価を下している。大石慎三郎の与えた評価を、頭から丸飲みにすることはできないが、悪人といわれてる人々再評価を与えようとした点、また、その過程の理論の展開にも一読の価値はあると思う。
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柳沢吉保と荻原重秀に興味が湧いたので読んでみた。
有能なのに時代につぶされたり後世で謝った評価をされるような人物に非常に萌えます。
思えばこの本で「文学界の帝王」とか呼ばれてたので南畝に興味持ったんだよなあ。
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これは何故購入したか、記憶が定かではないのですが、長い間積読だったものを、今回初めて読みました。
アソシエが好む本に、「剣客商売」という池波正太郎の本がありますが、この作品には老中・田沼意次が登場します。
彼は、側用人出身なんですよね。
側用人って何?という疑問を、この本が解決してくれました。
長い江戸時代の中で、側用人が活躍する期間は非常に短いものですが、身分制や家柄、江戸幕府の職制とはまったく異なるところから、突然変異的に登場するものでした。
とはいっても、彼らが活躍していなければ、江戸幕府はもっと早くに破綻していたかもしれません。
江戸幕府の執政の問題点や、側用人たちが行なった経済政策など、読んでいくと、ある意味現代社会にも通じるものがあり、非常に勉強になりました。
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松平定信がいかにおろかに見えることか、もちろんこれもひとつの見方なのだろうが、かなりイメージが変わってしまった。田沼意次についても同様。意味は正反対だが。
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1995年刊行。著者は学習院大学名誉教授。
刊行が、割に新しいんだというのが正直な感想である。
教科書的江戸時代史観(なかんずく、古典的な江戸時代三大改革重要視史観)に対して、悉く再考を迫ろうと試みている著者が、田沼意次政権等といった非門閥譜代の政権運営の意義を強調し、再評価を図ろうと試みる書である。
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新田開発が終わって年貢率が下がったとか社会構造も取り入れつつ、権力闘争や政策の話がバランスよく進められている