紙の本
長崎オランダ村
2001/10/04 19:49
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投稿者:あんぱん - この投稿者のレビュー一覧を見る
これといって特徴のない小説。村上龍氏と知人の男性との長崎オランダ村に関わる物語だが、とくに何事もおきずに二人の昔話だけが語られる。
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この作品は基本的に主人公たちがものを食べながら仕事の愚痴を言ったり聞いたりするというだけの話なんだが、これがなかなか面白い。話しの主軸となる各国の大道芸人達のキャラも立っているし、村上龍の描写の巧みさが浮き彫りになっている。続編モノということで前作のノリを持ち込んでいる部分もあり。まぁ、主人公は中年にさしかかっているし、小説家になっているということでいやがおうにも村上龍を連想させるので少し萎えてしまうんだが
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文化や習慣や、自分と向き合う事について深く考えさせられました。あと文中に出て来る沢山の長崎ならではの料理の描写がとても美味しそうでお腹が空きました。本場のちゃんぽんや皿うどんが食べたい・・・
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『69』の続編。続編といっても 当時の主人公達は中年になっている。
薄いしすぐ読めます。
主人公二人がひたすら食べながら、長崎オランダ村(ハウステンボス)の企画やらを話す。
長崎オランダ村で行われたフェスに参加するためにつれてこられた様々な国の人々を通して、世界とは何か、文明とは何かを語り合う。
村上龍自身の考えが非常に色濃く「小説家ケン」に投影されている。
新しい形の小説だった。
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古本屋で買いだめしてた時にふと目にとまった一冊。正直僕は龍よりも春樹の方が好きなんですけど、なんとなく気になって買ってみた一冊です。
これは龍の回想録みたいな本なんかな?淡々と昔の知り合いのナカムラと龍との対話で話が進んでいく。
普段は講演会の類は断ってる龍が珍しく受けた講演会はナカムラの頼みで受けたものやった。そこで講演会を終えた後にナカムラと酒を飲みながらナカムラの回想から、この話は進んでいく。それは長崎オランダ村という無茶なコンセプトのイベントをナカムラの会社が請け負ったことから始まるのである。そこでナカムラが感動したコトなどを話していく。
ってか外国人好きの僕としてはこんなイベントに携われるんやったらめっちゃ幸せなんやろうなって思いました。世界中のさまざまな国の人達が日本の長崎に集合して40日間のお祭り騒ぎ。めっちゃいいやん!!いつかこんなイベントに携わりたいなって思います♪
ただ話としてはあまりおもしろく無いかもしれないですね。短いしあんまり山も谷もないですから。
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村上龍の中では1,2番目に面白い。昔話と食事シーンが延々続く。69読んでないとわかりにくい箇所があるので、69→長崎オランダ村→ハウステンボスの順に読むといい。
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タイトルそのものずばりで、舞台は「長崎オランダ村」。この作品の語り手は【69sixty nine】
で大いに僕を楽しませてくれた「ケンさん」であり、つまり村上龍である。有名な作家になった
ケンに、高校時代の後輩ナカムラが長崎での講演会の依頼をした。それで長崎を訪れることになった
ケンだが、この小説はそんな講演会の様子や長崎に来た事で騒動が起こるなんていうものではない。
すべてが講演会終了後のケンとナカムラの打ち上げで交わされた、ケンとナカムラの会話である。
会話の内容は、ナカムラが経営するイベント会社がまかされた長崎オランダ村ワールド・ミュージック・
フェスティバルの騒動顛末について。
世界中からミュージシャンやダンサー、大道芸人などが集まるこのフェスティバルで次々に起こる
珍騒動。言葉も文化も違う民族たちが日本という国のオランダ村という場所に数ヶ月間缶詰にされた
挙句の果てには一体なにがあったのか?
【69sixty nine】も笑った小説だったが、この【長崎オランダ村】も負けず劣らず面白かった。
会話をおもしろおかしく読ませるには、文章のセンスがすごく問われるのだが、村上龍のセンス
には脱帽。他の作品がクールなだけに、この2作品が際立って見えるのかもしれないが、それでも
村上龍という人間の中に、この面白さの要素がなければ絶対に書けないので、その点から見ても、
村上龍という作家の奥深さを感じ取れる作品だった。ただバカ話をしているだけじゃなくて、その中
に、世界とは何か、文明とは何かなんていう教養話もたくさん含まれているので、読み応えも抜群。
そしてなにより九州方言が良い。好きだ。あのなんとも柔和な感じの方言が面白い話を倍面白く
する薬味なんだと思う。この作品の会話がすべて標準語だったら、ここまで「面白い!」っていう
感じはなかったような気もする。
大学4年の時に、野球の全国大会で長崎に行ったことをすごく思いだした。その当時はオランダ村
よりハウステンボスのほうの印象がすごく強かったけど。オランダ村が破綻して無くなったニュース
を聞いたときはショックだったな〜。すんごい素敵なところだったから。
でも、僕はこの【長崎オランダ村】が手元にある限り、パラパラとめくるページと共にいつまでも
オランダ村のことを忘れないし、思い出すんだろうな。
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「69」の続編。小説と思いきやエッセー。
ナカムラとケンの対話から話が発展していく。
文化論や文明論(?)をナカムラが企画した長崎ハウステンボスの中で起こったことに乗っけてのべている。
パラパラと見るだけでも理解できる。村上龍らしくない村上龍の作品。
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オランダ村、69(高校生)、はじめての夜 二度目の夜 最後の夜(中学生)、の三冊は、村上龍の長崎青春三部作(?)という具合に読めますが、いかがでしょうか。
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2012年8月10日読了。著者の分身「ヤザキ・ケン」が九州での学生時代の後輩ナカムラが長崎オランダ村に世界各国のパフォーマーを呼んで開催した「ワールドフェスティバル」のイベントの思い出を聴きつつ、文化とは・交流とは何か、孤独とは・表現するとはどういうことかについて持論をかます。薄い文庫本なのですぐ読める、以前に一度読んだときは著者の主張がうっとうしく感じられたが、それぞれの流儀で一流を目指すフラメンコダンサー、ジャグラー、火吹き芸人のエピソードなどから「生きること」の困難さ、圧倒的な孤独とそれを乗り越えたもののもつ輝かしさ、感動、といったものが伝わってくる。日本人の常識なんて世界の中・時代の中ではちっぽけなものなんだよなあ、と思わされる。終盤のサンバ→大合唱のシークエンスも心の琴線に触れる。
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フォルクスワーゲンビートル センチメンタリズム 自閉的な息子 コートジボワールはフランス語 シャコはムカデに近い ファミコン 羽田 くす玉 知事 ポマード 風船 鳩 丸み 鮑 海綿体 金属探知機 体臭 スペイン フラメンコ ジプシー インド発祥 コートジボワール 蝉 アフリカのNY アブソリュート スミノフ カポエラ 大山倍達の自伝 自分と向き合うのは辛いこと 大道芸人 ボーリング場 箱根 ピンクフロイド ウォール 胃縫合 ホッチキス ヘロインとジョギングは続けている 横田基地 鉄板餃子 カラスミ 辛子蓮根 デカルト モーツァルトは殆ど完璧なのでそれを聞く人も、演奏する人も自分と向き合わなくていい 自分の状態が自分のイメージと違う時に、自分と向き合う 本当に自分と向き合ったことがないから、自分と向き合うのを美化するし、自分と向き合わなくてすむような力のある表現もできない 我を忘れて、自分が消えてしまうほど楽しい時間 MCユウコ 長崎皿うどん 内蔵を甘やかしてはならない 老人になって自分を許さないのは辛い、老人になる前に許しちゃうのもバカ ジャグラー8 ヤクザ慰安旅行 チューリップ娘 フィジー 椰子の実 サムルノリ 中洲 新陳代謝 私的なプレゼント イザベラとティナ アフリカンドラム レットイットビー 絵葉書 炎 火のような意志
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小説家は、九州の長崎に呼ばれて行った
義理でひきうけた気のすすまない公演旅行だった
それでなんとか予定をこなした後
イベントを主催した学生時代の後輩と、打ち上げに赴いた夜の街で
暴飲暴食にふけってしまうのだった
小説家は、谷崎潤一郎に憧れを持っているらしい
長崎でイベント企画会社を営む後輩は、そんな小説家に向き合って
暴飲暴食につきあいながら
かつて長崎オランダ村の
ワールドフェスティバル運営に携わったときのことを語った
それを素材に書き上げたのが、この小説とされる
ワールドフェスティバルに招かれた海外のダンサー、音楽家、大道芸人
ほか有象無象の人々は
さまざまな問題を起こしつつも、40日間の共同生活を消化していく
やがてその、アフリカ・アジア・ヨーロッパ・南米等から集った人々が
奇妙な連帯感でつながっていく様には
ひょっとすると、文化的差異をうやむやにして
「長崎オランダ村」などという施設を作ってしまう日本人の精神性も
ある程度、影響したのかもしれない
しかしそんなことから例えば
「イン・ザ・ミソスープ」という発想に行き着いたと言うなら
それは明らかに誤認であろう
日本人だってスープの中の異物はつまみ出すし
丹念に丹念にアクをすくい取ろうとする
おおらかさと偏執性の境界線すらうやむやにしたその有り様に
ついていけない者は、もはや自閉するしかあるまい
しかし考え方によっては、永劫回帰への自閉こそ
境界線を再び引き直すためのしるしだ
つまりここにあるのは、40日間という時間の区切りが作り出した
教養小説的空間の見せる幻想で
ワールドフェスティバルの打ち上げパーティーこそ
思い出の大団円にほかならないと言えるわけだ
まあそれはそれとして素材の良さが生きており
面白い小説であります
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私とナカムラの会話がおもしろい。わらける。自分と向き合うこと太宰について、この二つについて語っているところはかっこよかったし響いた。