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みんなのレビュー8件

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紙の本

目の前に新しいワクワクするような地平線がサアーッと開けてくるような、そういう類の本です。

2007/01/20 05:14

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:緑龍館 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 とてもよい本でした。ぼくにとっては、目の前に新しいワクワクするような地平線がサアーッと開けてくるような、そういう類の素晴らしい本です。この本を読んだら、ホントに手話を学びたくなりました。<手話>というものが、ジェスチャーやマイムの類とは根本的に異なり、また健常者が使用している音声言語(通常の日本語や英語)をそのまま手指のジェスチャーに移したものでもなく、独自の文法や統語法を持ち、音声言語と同等の複雑さや表現力を持つ、ひとつの完全な「言語」である、ということは以前読んだ『言語の脳科学』(中公新書)で初めて知り、驚いた覚えがありますが、本書でその世界にもう一歩踏み込んでみたら、本当にびっくり仰天するとともに、思いもかけず大きな感動に出会うことができました。すべての健聴者の人に、読むことをお勧めします。
 本書は3部で構成されています。第一部は、ろう者とろう教育、手話の歴史に関して、第二部は本書の中心部分で、ろう者とはどのような存在であるのか、ろう者にとって<手話>はどのような意味を持ち、またその<手話>の本質と構造はどのようなものであるのか、について語り、第三部はアメリカのギャロデット大学で1988年に起こった反乱のルポタージュとなっています。
 ろう者とろう教育にとって19世紀は解放と希望の時代でしたが(フランスのカソリック教会を中心に、手話を用いたろう者に対する組織的体系的教育が歴史上初めて始まり、ろう者の社会進出も開始された)、20世紀は一転して暗黒の時代となります。ろう者のことばである<手話>が教育の場から取り上げられてしまい、ろう者にしゃべらせることを優先させる「口話主義」の教育が、ろう学校での国際的な潮流となってしまったためです。これがなぜ問題となるのか、特に言語獲得前失聴者(生まれつきのろう者)にとっていかに残虐極まりなく非人間的な仕打ちであるのかを、本書を読んで理解すると、大きなショックを受けると思います。現在ではこの状況は若干緩和されていますが、それでもまだ<手話>は多くの国において公式の教育言語として認められていず、日本もそのような国のひとつです。つまり、21世紀の現代のろう者は、最も根本的・本質的な面において、19世紀よりもっとひどい状況にあるのです。
 <手話>は、独自の完全な言語であり、例えば「日本手話」は、あらゆる意味において日本語とはまったく別の異なる言語となります。別の例を挙げれば、アメリカ手話(ASL)は、イギリス手話とは全然似ておらず、却ってフランス手話と非常に近いとのことですが、このように通常の音声言語とは直接の関連がありません。また、音声言語に比べて<手話>が劣っているということもまったくなく、その表現力や抽象的な概念の構築、韻、などの面においても同等かそれ以上の機能・表現力を持っているそうです。本書を読むと<手話>が持つ力と可能性に非常に驚かされると思います。
 ギャロデット大学とは、アメリカのワシントンにある、世界で唯一の、ろう者のための4年制総合大学・大学院です。この大学で1988年、学生たちによりひとつの大きな反乱が起こりました。第三部ではその感動的な顛末を紹介しています。読んでいてちょっと泣いてしまいました。
 私たちのすぐ隣には、今まで想像もしたことがなかったような不思議と驚異、可能性と希望、そして怖ろしく残酷な落とし穴が待ち受けているものなんですね。でも少し見方を変えれば、世界をもう少しよい方向に変えることが出来る機会を自分の手の中に握っているのかも知れない。

→緑龍館 Book of Days

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2008/04/07 15:34

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2008/05/21 19:30

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2012/09/04 22:10

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