紙の本
訳詩の美しさ
2023/12/18 23:05
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投稿者:kisuke - この投稿者のレビュー一覧を見る
外国語で書かれた詩を日本語で読む意味はあるのか、時折考えましたが、この本を読んで変わりました。
とにかく美しい言葉で訳されていて、素晴らしいです。
堀口氏は最高の翻訳家だと思います。
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この表紙になる前の絶版になっていたのを 偶然図書館の市民サーヴィスの箱の中で見つけたときは感動ものだった、願えば叶と思った一瞬だ。これをきっかけに堀口にはまる
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先にあげたグールモンと出会ったのは、あまりにも有名な堀口大學のアンソロジー、この傑作訳詩集のお陰でした。何度読み返したことでしょうか。堀口大學は自身が詩人でしたから、彼の選び取った言葉が勝手にダンスを踊るのです。不朽の名訳!
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寝るまえ本。気に入った詩はページを折っていますが、後々見直すと「何故ここで?」って思うときもある(笑)。
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《日本語を外国語の文脈のなかに生かし、
日本語の表現に無限の可能性を与えた詩人》
この言葉通りの表現が鏤められていた。
(2009.03.22)
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日本語をここまで美しく表現できる人がいることを、
同じ日本人として光栄に思います。
素晴らしいです。
グールモンさんにであえたことも光栄です。
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描かれし季節の写真。
華麗な人間心理。
天を見上げれば何が降る?
嗚呼、これ以上美しいものはないであろう。
月に反射する太陽の光は、
きらきらとした詩に変わり、
僕たちにふりそそぐ。
清浄に。
正常に。
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フランス文壇の詩人のロマニズムを日本語の美しい訳で綴って行った人。
中学生の時に、レイモン・ラディゲ詩集に感動し、その訳が「堀口大学」だった。
原著は、改訳と再構成によって、大正14年の第一書房初版本より改変されわかりやすくなっている。美味しいとこどり。
大好きな一編。
レイモン・ラディゲ(「肉体の悪魔」で有名)
「頭文字」
砂の上に書いた
僕らのように抱き合う頭文字
僕らの恋は消え去るだろう
このはかない頭文字よりも先に
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言葉の響きや、句読点のリズム、漢字のかたちや、行間のたたずまいが、もう芸術的です。
心血を注いだというのか、魂魄をとどめたというのか、とにかく言葉の持つ力に圧倒されます。心に迫ってきます。読んだときは、ほんとに日本人に生まれて良かったと思いました。
広辞苑を傍らにおいて読まないとわからない言葉もありますが、次々と新しい言葉が目の前に現れて、世界がひらけていく感覚は、新鮮で、驚きの連続です。
いままで曖昧とした感覚でしかなかった世界が、言葉を持つことによって、はっきりとしていくこと。それが詩の持つ力で、与えてくれる感動なんだと思います。
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堀口大學によるフランス詩の訳詞集。本書は1952年(昭和27年)発行の白水社版を底本にした、1996年(平成8年)発行の講談社文芸文庫版。ルビが振られ、一段書きなのでとても読みやすい。
普段は、同作の新潮文庫版(1955年(昭和30年)発行)をよく読むのだけれど、訳が違う部分が多く面白い。
たとえば、ルミ・ド・グウルモン作の「時計」の結びは、この講談社文芸文庫版では
“針と歯車とは、いつまでも、/恋と思ひの時刻を、/示す仕掛になつてゐる。”
だが、
新潮文庫版では
“針と歯車は、いつまでも、/戀と思ひの時刻を、/現はす仕組。”
となっており、講談社文芸文庫版の方がリズムが良い。
また、ギィヨオム・アポリネエル作「ミラボオ橋」のリフレインを見てみると、講談社文芸文庫は
“日が暮れて鐘が鳴る/月日は流れわたしは残る”
であり、
新潮文庫版では
“日も暮れよ 鐘も鳴れ/月日は流れ わたしは殘る”
と、今度は新潮文庫版の方が情感深く思われる。
他にも、アンドレ・スピイルの「鴉」に登場するカラスの一人称が、“私”がいいか、“おれ”がいいかは好みが別れる部分だろう。各版にそれぞれ良さがある。
朗唱したくなるような、洗練されきった美しい訳詞集。