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なんだかな。竹本作品は囲碁シリーズ以外が面白いと思う。
なんというか、これは意図的に手を抜いてるんだろうか。
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「牧場智久・武藤類子」シリーズの第2弾。
智久の対戦相手となった桃井雅美が、試合の直前に突然姿を消します。しかし類子は、試合の前日に桃井の姿を見かけていました。パソコン売り場のモニタに、とつぜん「悪魔の警告」という怪文書が映し出されたとき、彼女の近くに桃井の姿があったのです。しかも、その「悪魔の警告」を目にした菅野公江という12歳の少女が殺害されるという事件が起きていたのです。
不審を覚えた智久、類子は、桃井の行方を追い始めます。やがて類子の従兄の槇村征夫から、桃井が「パズズ」というハンドル・ネームでパソコン通信に参加していたことを突き止めます。
前作『凶区の爪』(光文社文庫)は横溝正史的な舞台設定でしたが、今回は打って変わってサブカルチャーが舞台です。ドタバタ動き回るキャラクターがライトノベル的なので、まったく違和感はありません。本格的な推理小説を読みたいという向きには不満かもしれませんが、個人的にはおもしろく読めました。
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〇 トータル ★★☆☆☆
牧場智久モノ。牧場智久のライバルである桃井雅美が登場した作品。モブキャラ的存在の御堂加奈が犯人という意外性こそあるが,怪文書騒動を利用し,桐の悪魔の仕業に見せかけて自分を嫌った友人を殺害するというサイコパス的動機は,平凡。物語全体の雰囲気もインパクトに欠ける。これといったトリックも見所もなく,当時のパソコン通信だとか,当時の時事的なネタ的なモノが多く,時代錯誤で物語に没入しにくい。竹本健二ファンならなんとか楽しめるという程度のデキだろう。
〇 事件の概要
菅野公江の殺害
→御堂加奈が怪文書騒動を利用して殺害
古谷早苗の殺害
→御堂加奈が,菅野公江の殺害を「霧の悪魔」に見せかけるために殺害
桃井雅美の失踪
→犯人が武藤類子と誤解し,姿を隠していた。
〇 サプライズ ★★★☆☆
怪文書をばら撒いていたのは菱池小巻という牧場智久ファンの女性。怪文書騒動を利用し,自分を嫌った菅野公江を御堂加奈という公江の友達の少女が殺害。犯行を霧の悪魔の仕業に見せかけるために,関係のあい古谷早苗を殺害した。御堂加奈は完全にモブキャラ的存在だったので,意外性はある。もっとも,ミスディレクションとして描かれている桃井雅美や植島があまり怪しくないので驚愕というほどではない。
〇 熱中度 ★★☆☆☆
桃井雅美4段の失踪,霧の悪魔の事件,武藤類子と植島の捜査など,テンポよく物語は進むのだが,あまり入り込めない。時事ネタが多く,やや古臭く感じてしまう点も物語への没入感を削ぐ。
〇 キャラクター ★★☆☆☆
牧場智久,武藤類子,桃井雅美などキャラクターは多数出てくるが,インパクトがあるのは桃井雅美くらい。その桃井雅美ですら,現在においてはオタクのステレオタイプでインパクトに欠けるようになりつつある。犯人の御堂加奈のインパクトもイマイチ。どこにでもいそうなキャラが犯人というのは意外性には繋がるがキャラクターという点ではマイナスか。
〇 読後感 ★★★☆☆
モブキャラ的存在の御堂加奈が真犯人で,読後感は特に悪くない。植島辺りが真犯人だと,読後感は悪かったのだろうが…。
〇 インパクト ★★☆☆☆
意外性はあるが,真犯人のインパクトは薄い。読後感が悪くないのもインパクトを薄める。内容をすぐ忘れてしまいそう。
〇 希少価値 ★★★☆☆
絶版だと思われる。電子書籍化も難しそう。しかし,古本屋では手に入りやすい感じ。プレミアなどは全くない。とはいえ,欲しいと思ったときにほいほい手に入るものではなさそう。