- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
2 件中 1 件~ 2 件を表示 |
紙の本
毎日はこんなにも輝いている!
2000/07/28 19:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:長崎夏海 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は、北海道に住む高校三年の芙雪。人の心の震えを感じ取り、だからこそ黙ってしまう不器用な少女。どこにでもいる目立たない、どちらかというとぼおっとした感じの少女のなんでもない日常が、とてもきらきらと輝いていて、ああ毎日ってすてきだなあと感じさせてくれる。
好きな人への思い。進路についての悩み。家族との葛藤。夢。友情。きっとだれもが体験し、またはだれもが体験するだろう出来事。芙雪の感情、感覚のひとつひとつに、「わかる、わかる」「そう、そう」と、うなずきたくなる。日常の中で漠然と感じてていて、言葉にはできなかった気持ちを、「私の言いたかったのはこれなんだよねー」とピタッと言ってくれてるのだ。
自分がこの世の中で一番むだな存在に思えて、ためいきをついちゃう気持ち。そんな気持ちをそっちのけにして選択をせまってくる現実。気持ちの通じない大人へのいらだち。芙雪は、うずくまりそうな思いをかかえながら、自分が何を大切にしてきたいのかを見つめていく。
恋することでひろがっていく自分。ささいな仕草や言葉でドキドキする心。自分以外の人を大切にしたいと思う心。守ってあげたいと思う気持ち。キスをして、人間ってあったかいんだなあと発見したこと。みっともなくても電話せずにいられないせつない気持ち。
どれもが、芙雪の大切な想いだ。自分の中に生まれてくる感情をありのまま受けいれて、新しい自分を発見していく。そのおおらかさ! 物語を読みすすめるうち、「どこにでもいる」少女は、芙雪でしかない個性だと気づかされる。
友だちの胸の痛みを自分のうずきと受け止め、なにもできないけどそばにいたいと思う気持ち。好きな言葉。通りすがりの人。雪の匂い・・・。自分をとりまくすべてのものを抱きしめたいと思う芙雪。やっぱ、大切なのは愛、なのだ!
(長崎夏海/児童文学作家)
2 件中 1 件~ 2 件を表示 |