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ある日丘の上に、石でつくった言葉が―――。少年と少女。夏のきつい角度の陽射しと、目に痛い緑を感じる本。いつか傷は癒される。
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児童文学の支柱にある『率直さ』に胸打たれるお話。
ストーリー:母が亡くなってから、どうしても自分の殻に閉じこもってしまう少年ブレイズ。けれど、丘の向こうの家に、同じく孤独を抱えながらも、喜怒哀楽をハッキリと表す風変わりな少女ジョゼルがやってきてから、ブレイズの日常は大きく変わり始める。
夏。丘の上で出会った二人は、徐々に友情を深め、やがてはお互いをかけがえの無い存在と思い始めるのだが、ジョゼルはブレイズに重大な嘘をついていて、ある日それがばれてしまう。
見所:ジョゼルの『率直さ』『正直さ』が見所。彼女は良くも悪くも自分の感情と言うものを相手にためらい無くぶつけて行く。それが周りにとっては辟易とするものだったり、愛おしかったりするわけです。でもその嘘偽りの無い“正面から体当たり”のジョゼルを、本当に嫌える人は中々居ないんじゃないかなぁ、と私は思う。嘘がばれた時のジョゼルの言動が特に見所!“大人”必見の感動もの対応です!
私見:恋でも愛でもない、友情とは何なんだろう?と考えた時に、この本がいつでも答えをくれる。例えば、自分がとても大切にしているものを傷つけられた時、相手を許せるか許せないかと言う問題は、難しいようで実はとても簡単で、結局罪を含めたその人を、損得無しで好きか嫌いかだと思う。これまでのその人と過ごした時間や思い出が、その罪よりも重いか重くないかだと思う。
この本でブレイズが、本当にとても簡単にジョゼルの良い所も悪い所も受け入れて行く過程を読んでいると、人と人との結びつきはなんて『豊か』で素敵なものなんだろう、と普段思わないことを思ったりして。でもそれは喧嘩したりぶつかり合ったり、果ては許しあったりして生まれる豊かさなので、その手前で“大人”は逃げたりしちゃうんですよね(笑)。
子どもの頃に持っていた、ただ単純にその人やそのことに近づきたい。その人やそのことを知りたい。この『率直さ』から逃げない大人で居たいなぁ、と思います。
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主人公の少年はとても魅力的。また冒頭部にある石によるメッセージのモチーフもすごく期待させる部分。
ただ本書の魅力はそれだけで、あとに続くものがなかった感じ。少年たちが経験した悲劇はとても大きいけれど、そこから生まれる苦痛などの書き方があまりに一般的すぎ。
読後にちょっと残念になってしまう本。
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WORDS OF STONE
母はブレイズが幼いころなくなった。父は再婚するかもしれない。
鬱々と過ごす日々。そんな時よく行く丘に 母の名前が石でつくられていた。誰が?なんのために?
そして丘の上でジョゼルと出会う。
少年と少女の心境が交互に語られていく。
二人の過去は辛く苦しい。苦しい気持ちゆえに人を傷つけてしまうジョゼルの行動がわかるだけにが不愉快でたまらない。
人を傷つけても救われないのだ・・・