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みんなのレビュー39件

みんなの評価3.0

評価内訳

37 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

職人技に徹した短編集

2020/01/22 22:31

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投稿者:テトラ - この投稿者のレビュー一覧を見る

政財界のVIPのみを会員とする調査機関「探偵倶楽部」。眉目秀麗な男女のコンビが事件の謎を解く連作短編集。

政財界や富裕な家庭専門の探偵という事で、政略や欲望や愛憎の渦巻く泥沼劇の、ロスマクのような家庭内の悲劇を扱った作品なのかと想像したが、全くそんなものではなく、探偵倶楽部の2人も現実から浮いた戯画的なキャラクターとして創造されている。そして各編に共通してあくまで東野の筆致はライトであり、内容は基本的にオーソドックスで2時間サスペンスドラマ用のストーリーとも云える。私は特に『家政婦は見た!』シリーズのようなテイストを感じた。

通常のシリーズ物と異なる本作独特の特徴はと云えば、シリーズキャラクターである探偵倶楽部の2人は実は物語においてサブキャラクターであり、あくまで主役は依頼人だということだろうか。だから探偵倶楽部の2人はその外的特徴が語られるのみで名前さえも判らない(最後の「薔薇とナイフ」で助手の女性が手掛かりを手に入れるために立倉と名乗るが恐らく偽名だろう)。
つまりシリーズキャラとしては異常に影の薄い存在だ。そして物語は常に依頼人側の視点で語られるため、探偵倶楽部の調査方法は全く謎のままである。

更に「偽装の夜」を除く各編では、事件が起こり、警察が介入して合理的な推理が一旦事件は解決する。そこから探偵倶楽部による新たな真相というのが物語に共通するパターンであり、単純な謎解きに終始していないのがこの作者としてのプライドなのだろう。

各5編に共通するのは動機が全て恋愛沙汰や財産問題というベタな設定であること。
「偽装の夜」では社長の財産が動機であり、更に秘書と内縁の妻江里子が実は愛し合っているという関係。
「罠の中」でも金貸しの叔父に纏わる人間たちの金銭問題、そして物語の終盤では叔母と利彦の秘密の関係が明かされる。
「依頼人の娘」は事件が妻の浮気の末の駆け落ちの阻止。
「探偵の使い方」でも浮気と保険金殺人が主題。
「薔薇とナイフ」はネタバレを参照していただくとして、先にも述べたように2時間サスペンスドラマによく見られるテーマばかりである。

この頃の東野圭吾作品は『鳥人計画』以降、『殺人現場は雲の上』、『ブルータスの心臓』そして本作とノベルスで上梓されたミステリが連続して刊行されており、逆に東野氏はキオスクミステリに徹して軽めの作品を書くことを意識していたようだ。
つまり普段、本を読まない人が旅行や出張といった旅先で軽く読むために駅のキオスクで気軽に買って気軽に読め、車中で読み終えてしまうことのできるミステリである。その事について是非は私個人としてはない。

島田氏がエッセイでも云っていたが新進作家の生活は苦しく、作家活動だけで食べていけるのはほんのわずかの人間である。生活の糧を得るために広く読者を獲得する必要があり、こういうライトミステリに手を出さざるを得ないのが当時の状況であった。
したがってこの手のミステリに読書を趣味とする人間やミステリ愛好者があれこれいちゃもんを付けるというのは全く筋違いという物だろう。

が、あえてその愚を犯すならば、やはりそれでも島田氏の短編にはミステリとしての熱があり、クオリティも高かった。
それに比べると東野氏は各編にツイストを効かせているものの、登場人物の内面描写、風景描写、気の利いたセリフなどを極力排しているがために、小手先のテクニックを弄しているという感が拭えず、職人に徹しているなあと感じてしまう。それも創作作法の1つだが、もう少しミステリとしての熱が欲しかったと思う短編集だ。

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2004/12/05 09:57

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2013/02/09 23:52

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