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早稲田大学の教養のテキスト。
古い本。今では使われていないかもしれない。少なくとも我が母校では教養で土木関係の講座はなかった。
なかなか、いいことというか、先駆的なことを言っている。
(1)半鐘がなって多数集まって何かするのならばいいが、今は堤防を作るにしても防火帯をつくるにしてもすべて費用がかかる。絶対に壊れないビルをつくるように行政指導したら、ビルの建築はできなくなってしまう。防災評論家の中には費用のことを考えないで、やたら強固なものを作れという人がいるが、それはダメである。国民の血税で支払われるものであれば、国力の範囲でしかできない。(p8)
そのとおり。それを土木技術者はちゃんと意識してきたのか。それを東日本大震災は見直しを迫っていると思う。
(2)地震、火山活動となると防ぎようがない。火山活動に対しては逃げの一手である。この場合どこが安全であるか、どこへ逃げるべきかの知識が必要である。すなわち、ソフトな面の対策が必要なのである。(p9)
(3)火山災害はおそろしいものである。しかも、水害、地震に比べその頻度が少ないため、ともすれば忘れがちになる。しかし、一旦大噴火があったとき、とくに火砕流が発生したときの被害は想像に絶するものがある。(p73)
大事な指摘ばかり。心しよう。