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紙の本
解字(漢字の成り立ち)を学べる
2018/02/27 00:26
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投稿者:ミニョンの真珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
原始宗教やその祭祀に触れ、口という字が口耳の口の形状ではなく、盟誓を収める器の形であると言明したことで広く知られる白川静字書三部作の一。
実際に手にとってみると、この漢和辞典の大きな特徴が二点あることに気が付きます。まず音読み五十音順に索引するという引きやすさ。そして用例の豊富さです。
例えば“須”から一部抜粋すると、このような感じです。
「 須 12画 2128
シュ
ひげ もちいる まつ すべからく
会意 頁は儀礼を行うときの人の形。つくりはひげ。ひげは顔に密着しており、全体を象形とみてもよい字である。[説文]九上に「面の毛なり」とし、会意とする。[礼記、喪大記]に「小臣(葬儀役)手を爪きり、須(ひげ)をきる」とあって、面の毛を剃ることをいう。須を他の意に用いるのは、すべて音の仮借による通用である。
1ひげ、かおのひげ、あごのひげ。
2けものや魚のひげ、くじらのひげ。
3まつ、まちうける、ゆるくする、とどまる、やすむ。
4もとめる、ねがう、のぞむ、もちいる。
5須臾(しゅゆ)・斯須(ししゅ)のように用い、しばらく、すぐに、やがて。
6すべからく~すべし。
7株と通じ、かぶ。
古訓[名義抄]須 カナラズ、ツカウマツル、ツカハス、マス、タモツ、ツカフ、ベシ、モチヒル、モト、モテス、モトム、スベカラク~スベシ、オコス
部首[説文]に口上の須などに属する。
声系[説文]に須声として四字を収める。器の名であるが、金文は盤で須髪を洗う形に作る。
【須眉】(しゅび) あごひげと、まゆ。[漢書、張良伝](上(しょう)太子を易(か)へんと欲す)宴するに及んで置酒し、太子侍す。四人の者、太子に從ふ。年皆八十有餘、須眉皓白、衣冠甚だ偉なり。」
尚、付録の同音異字が文字の成り立ちを踏まえていて、使い分けを確りと理解できました。
難をいえば、諸橋大漢和(大部のため部首から引くので面倒)ほど一つひとつの熟語に詳しい説明が記されていない点が挙げられます。
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