紙の本
出会いから別れまで
2023/01/20 23:55
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投稿者:ちぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
あてのないドライブの間に夫婦の歴史を振り返る妻。10年の結婚生活にはいろいろな思い出が詰まっている。彼女のモノローグのような回想シーンが続き、車内の会話はほとんどない。
最初からずっと別れの予感があるのに、最後まで引っ張ってしまう筆力はさすが。
紙の本
読んでいて胸が苦しいほど切ない
2002/02/28 02:03
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投稿者:みのたき - この投稿者のレビュー一覧を見る
一人の人を心から愛し、愛され、かけがえのない時を過ごし、そして…。
この本は、ある二人の出会いから別れまでを描いた、あらすじで書けば、とてもシンプルな話です。でも、それがまた、とても切なく表現されていて、読んでいて胸が苦しいほどです。
心の底から人を好きになったことがある、すべての人にお薦めします。
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とてもすらすらと読めました。微笑み、「頑張れ」と応援し、「良かった」と安心した所へ、最後の結末。
こんな事があって良いのでしょうか。そう思うのは私が私自身が強くない、強(コワ)いだけの人間だからでしょうか。いつか冷静に読み返せる強い人間になりたいです。でも、心にはとても残ったいい話です。映画にもなっているらしいので、機会があれば見てみたいです。
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最近はどちらかと言えばリアルな感じの小説ばかり読んでいたので、こういう話は久しぶりでよかった。
主人公が出会いから振り返ってる、苦しい結末に終わりそうな雰囲気がなんともいえなかった。
確かに、女にとって恋はクリスマスツリーみたいなとこあるよね。
うっすら涙が浮んだ一作。
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むかーしに読んだ本。
おい!そんな結末かよ!って思った記憶がある。
でも結末までは良かった気もする。キレイな感じだった気がする。
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映画を見て、原作はどうかな〜と思い読みました。(正直、映画はつまらなかった…ストーリもあまり覚えていません。)
映画とまったく別物でした。
トッチだったら、そんなに綺麗に割り切れない…と思いました。
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キラキラした世界が色を失っていく、とてもせつない物語。
読後、主人公の強さが心に残る大好きな小説です。
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”けれど香子が治貴とずっと一緒にいるのはそんな言葉を信じたからではなくて、
そんなことを言う治貴を愛していたからだ。”
最後までハッピーエンドを信じたくなってしまう、香子と治貴の物語。
”そんな話は聞きたくない、と香子は思う。とても強く、そう思う。
だから心が揺れている。
家に帰ろうと言い出せば、今夜をやり過ごせるだろうことを知っているからだ。
香子の強さが、治貴の優しさが切なくて、心が打たれます。
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小学生くらいで読んだ気がする。
ひたすら悲しくて悲しくて悲しい。
悲しい気持ちになった。
でもなんか忘れてないんだね。
もう一度読んだら変わるかな?
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一度開くと最後まで読みきってしまう。
一行ごとに一本ずつ色の違う糸が通っていき、一枚の布を織り上げていくように、話を描く。
治貴はほんとうにそれを望んでいたのか?
読み返して、そう思った。
(本文より)
綺麗だな。自分で言うのもなんだが、ほんとうにそう思った。
がむしゃらに働いて、緊張と一過性と信んじてる若いとき特有のむこうみずな程の自信が顔と体にあふれていると
そういうものが自分を綺麗に見せている、と鏡の中を見て、香子が呟く。
ずーっと忘れられないシーン。そう思えるほど、「暮らす」ことに一生懸命だったのに。
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好きじゃない。
てか軽い恋愛小説が今の自分の需要にないだけかもしれんが。
『この男は自分より数段上の視点をもっているのだ』
このフレーズには納得します。
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060912
すごく先が気になったから
一気に読んだけれど
読み終わった後はもう,我が事のようにへこみました。
自分が失恋したみたいに辛かった…
ハルはずるい。
なんで早く言い出してくれないの?
それが優しさだと思っているならそれは違うと思う。
気づいてないとでも思ったのなら
それは女を甘く見ていると思う。
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12月のこの時期的に、
読むなら今かなと思って。
何故別れなきゃならないのだろう。
一緒に歩いてきた軌跡より、
新しい未来を作る相手を選択するというのか。
不条理な切なさが残った。
この別れは美しいと言えるのだろうが、
最後に醜いいさかいをしないことが美徳とも思えない。
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読始:2009,3,12
読了:2009,3,13
特に何かが感動的というわけでもないのに流産のくだりでは思わず涙が出そうになった
強[つよ]い心と強[こわ]い心は違うのだ。
この小説で最も印象に残った一節の一つ。
心に傷をつくって、その傷口をふさぐことだけに腐心すれば、心はたぶん強[こわ]くなる。
物語の核心をつく一節なら
「あなたはあたしのクリスマス・ツリーだったのよ」
がくるだろう。恋愛に至る過程や恋愛中の幸福感を描くのではなく別れの切なさを描いた作品といえようか
巻末解説を俵万智さんが書かれているが、読んでて私も同じことを感じた
どんな風に愛するかより、どんな風に別れるかというところに、その人の性格というか本質が出る
うーん、至言だ…
この小説、山場があるわけではない
だがじんわりと心に残るものがある
鷺沢さん4作品目にして初ヒットな感じ
読後のなんともいえない雰囲気?がたまらない
★4
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ホワイト・ハウスの前の半円形をした芝生の敷地に、それほど高くはないもこっとした木がたった一本、
植えられている。それが、大統領のクリスマスツリーである。
この小説は、「大統領のクリスマスツリー」をキーワードに、香子と治貴の回想物語が展開される。
回想されるのは、アメリカで出会い、愛しあった香子と治貴との恋愛。
アメリカで出会い、恋に落ちた香子と治貴はアメリカの地で一緒に暮らし始め、結婚し、子供を授かって
幸せに暮らしていた。アメリカ人でも難関の司法試験に合格し、弁護士事務所で働く治貴と、そんな夫を
支える暮らしに没頭する香子。ふたりはお互いの夢を次々に叶えていき、「こんな幸せあっていいのだ
ろうか」とさえ思うほどの順調な生活を送っていたはずだった。
どこでどう歯車が狂いはじめたのかなんて、誰にもわかりはしない。ほんの些細な事で人生なんていうも
のは一転するものだ。それを運命というのかも知れないし、そうなるべくしてそうなったのかもしれな
い。つまり、この恋愛物語は一組のカップルが終焉に向かうまでの道のりを記した失恋小説でもある。
鷺沢氏の作品は、まだまだ全部とまではいかないけれど、けっこう読んだほうであると思う。
その世界観と文章力の高さには読むたびに感動すら覚えたものだが、この【大統領のクリスマスツリー】
は、どうしてかあまり読後感に冴えがなかった。大人の恋愛の切なさとかやるせなさとか、結婚後の家庭
生活の実情とか、僕もいい歳なのでその辺りのことは知っているつもりだったけれど、それらを経て、
この物語のこの別れの形というのはどうしても釈然としないのはどうしてなんだろう。
個人的な意見になるけれど、あまりにも完璧な男だった治貴(優しくて、ユーモアがあって、行動力が
あって、紳士的で)が、別れを選んだ理由に納得がいかなかったのだと思う。
お前ほどの男がそんな理由で家庭を捨てるの?あれほど愛してやまなかった妻と娘を捨てるの?
という感想しか残らないのが残念。
夢を必死で追いかけて、幾多の困難を乗り越えて、愛を育んで幸せを手にいれた過程がとても素敵な物語
だっただけに、もっとドラマチックに終焉に向かって欲しかったな。
物語の中に色々な伏線があって、よくよく読み込めばなるべくして向かえた終焉なのだと納得できるの
だろうけど、そこの境地まで踏み込めなかった自分がいます。
でも、その反面「現実はこういう別れが多いんだろうな」と思ったりもする。ドラマチックに始まり、
あっけなく終わる恋がどれほどの数あるだろうか。そもそもドラマチックに終わる恋なんていうものが
どれほどあるのだろうか。そういった意味では、この小説は若者の群像というか、恋愛の(90年代前
半的な思考だけど)本質に迫った作品なのかもしれない。