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日本的雇用慣行の経済学 労働市場の流動化と日本経済 みんなのレビュー
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紙の本
これからのキャリア形成を考える
2004/01/18 15:43
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投稿者:労働問題研究所・所長 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本的雇用慣行を通じて形成された熟練雇用者が、これまでの日本経済を支え、社会にも大きな影響を与えてきた。経済社会環境の変化の中、これからのキャリア形成は、どうのように考えなければならないのか。そのヒントを本書から読み取ることができる。
日本的雇用慣行の特徴は、「終身雇用(長期雇用)」、「年功賃金」、「企業内組合」を柱に、企業内での教育・訓練を通じて形成された熟練雇用者を囲い込むためのものであり、労使ともに「雇用の長期安定」という利害一致のもとで機能している。
有名大学を出て大企業に入ることで、この「雇用の長期安定」を享受できるため、受験戦争などの社会問題を引き起し、また、入社後も、欧米に比べて遅い昇進が広い範囲の雇用者に出世への期待感を持たせるため「仕事競争メカニズム」が働き、長時間労働や単身赴任など家庭生活に犠牲を払いながら働いているというのが実態である。
しかし、今では「大企業=雇用の長期安定」という方程式が一律にあてはまらなくなってきた。大企業でも破綻する時代となったことや、日経連(現:日経団連)は、「長期蓄積能力活用型」「高度専門能力活用型」「雇用柔軟型」に分けた自社型雇用ポートフォリオの検討を提起するなど、まさに、一人一人がエンプロイアビリティーを高めるための努力が必要となってきた。
そのためには、大学を大企業に入るための手段とするのではなく、専門的な技術を身につけるために大学へ行くなどの明確な目的意識を持つ必要がある。加えて、企業コストで、自らの意志に関係なく持続的教育を受けさせられる受身的な仕組みから、自己啓発コストを社会コストと位置付け、自らの選択で持続的教育を受けることができる自発的な仕組みへと転換していくことが求められる。
その結果、雇用の流動化という不安定な労働市場が出現することになるものの、自らのエンプロイアビリティーを高めることが、働き手としてのリスク管理となり、「生活の長期安定」を享受することができるのではないか。自分のキャリアを考える上で、大きなヒントとなった本である。
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