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紙の本

醍醐味

2001/05/19 00:24

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:May - この投稿者のレビュー一覧を見る

 意外なところで意外な人物が登場するのが、この小説の面白い一面です。孔融しかり、的盧しかり、ずっとのちに劉備と出会う黄忠しかり。他にもこんなところに、と思わせる人物が何人も登場しています。原典の「三国志演義」を読んで(しかも登場人物の名前を覚えて)いれば、一粒で二度おいしい、という感じ。知っている名前が出てくると、思わずニヤリとしてしまいます。
 今回は我が愛しの曹操があまり登場しなかったのが少し淋しいですが、簡雍が活躍してくれています。玉瑛の頬を打った姜薫鸞も、素直な心情を吐露していくにつれて、小憎たらしい存在から同情すべき存在へと変わっていきました。
 それにしても秋月さんのストーリーテリングは素晴らしいです。小説読んでて、あんなにしょっちゅう涙ぐむのも私にしては珍しい。しかも悲しくて泣けてくるのではなくて、感動というか、胸が熱くなって泣けてくるのです。何度も鳥肌立つような場面もありました。よっぽど感情移入してるのかな?

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