投稿元:
レビューを見る
この本は1974年に講談社から出版された『中国の歴史2、秦漢帝国』を加筆・修正をし文庫化されたものです。本書では始皇帝による史上初めての中国統一を成し遂げた秦(紀元前8cー前206、統一後は前221-前206)、項羽との激闘を制して、高祖(劉邦)によって建てられた王朝の前漢(前202-後8)、王莽が漢を簒奪して建てた王朝の新(8-23)、光武帝(劉秀)によって建てられた後漢(25-220)と秦漢時代のの歴史を緻密に書いています。この時代に興味あるかたはもちろん、この時代を勉強を試みる人には必読の書と言える本です。
難点を言えば、後漢についてはあまり書かれていません。後漢時代の研究は最近進められているところというのもありますが、『後漢書』の構造上の問題で、全体的に光武帝の時代と後漢末の記事の比率が高すぎるというのもありますが。
投稿元:
レビューを見る
戦国時代を収束させた秦と、それを土台として大帝国を築いた漢の通史。
大先生の概説書なので、情報が古い面もありますが、とってもわかりやすいです。
爵位を売ることが出来たよとか、お酒は三人以上で飲むのはいけなかったよとか、面白いです。
武帝の対匈奴政策や、金策、王莽さんが儒教を国教として定着させたなど、大事なところはしっかり解説してくれてます。
あと、何気に宣帝さんはかっこいいと思いました。
投稿元:
レビューを見る
秦、漢時代について知りたい人、学びたい人の必読書。いわゆる通史というもので、文体は全体的に簡潔で分かりやすく、初心者の方にもお勧め。
個人的には武帝の時代が法術を第一とする酷吏の時代、宣帝の時代が、民を慈しんだ循吏の時代、という記述が新鮮でした。何度でも読み返す価値がある。
投稿元:
レビューを見る
秦帝國と漢帝國。中華帝國史初期の二大統一帝國の歴史を考察している一冊。講談社学術文庫の中華帝國史の考察シリーズの一つである。
投稿元:
レビューを見る
1970年代に刊行された概説書の補筆修訂版。近年、新たな概説書シリーズがいくつか発行されているものの、賛否両論無いわけではないので、こうした古い名著にも触れる機会は持っておきたい。その点、本書の文庫本で保管しやすいと言う点は貴重。
投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
皇帝制度と官僚制が確立し、中国の国家体制を決定づけた紀元前三世紀からの四百年を考察。
始皇帝や劉邦、項羽など英雄と庶民の織りなす壮大な歴史を中国史の泰斗が詳細に説く力作。
[ 目次 ]
第1章 秦帝国の形成
第2章 秦帝国の崩壊と漢帝国の成立
第3章 漢初の劉氏政権
第4章 武帝時代の外征と内政
第5章 霍氏政権の成立と崩壊
第6章 儒教の国教化と王莽政権の出現
第7章 後漢王朝の成立
第8章 後漢王朝の推移とその対外関係
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
投稿元:
レビューを見る
第1章 秦帝国の形成
第2章 秦帝国の崩壊と漢帝国の成立
第3章 漢初の劉氏政権
第4章 武帝時代の外征と内政
第5章 霍氏政権の成立と崩壊
第6章 儒教の国教化と王莽政権の出現
第7章 後漢王朝の成立
第8章 後漢王朝の推移とその対外関係
投稿元:
レビューを見る
楚漢戦争から後漢末までの歴史書
この時期の後代への著名な影響として
皇帝制度の確立と儒教の国教化を主な観点とし
また冊封体制へと至る東アジア世界形成過程にも筆を割いた内容
書かれたのが1973年で1996年の文庫化に伴い
1974年の始皇帝兵馬俑抗についても追記している
歴史書が伝えきれなかった数多の事柄は
史実がいかに危ういか思い出させてくれる
残されたわずかな手がかりを読み解きつなぎ合わせて解釈し
歴史となすことの難しさと面白さよ
愚者は経験に学び賢者は歴史に学ぶ
歴史に一時期でも成功者と記される中にどれだけ賢者がいたか
驚くべき失政も奇跡の大成も人間個々の能力を超えて
時代の要請が作り出すようでもあり
それもまた多くの些少の人間が作り出すようでもある
投稿元:
レビューを見る
1973年初版ということで編年記等の最新資料が反映されていないものの、秦から漢の連続的なつながりを分かりやすく説明している。秦漢の500年を通史で見るうえでは一番の良書。