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誰のものかわからない視点は、表現が詩的で非常に読みにくかった。
探偵が推理する場面は好き。
事件の本当の原因は何だったのか。
結末は少し切なく感じました。
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逆転また逆転…ラストに待ち受ける真の驚愕!
死者の胃から現れたメッセージ
小さな鍵が秘めた謎とは!?
〈法月綸太郎シリーズ〉第7作(第6長編)。
東京都内マンションで編集者の女性が殺害された。
遺体は顔を焼かれた酷いもので、ルームメイトの女性が逃亡していたことが判明する。
一方奇妙なのは被害者の胃に残されていた鍵。何故そんな事態が起こっているのか。
捜査に乗り出した法月綸太郎だったが、女性たちが、どちらがどちらなのか惑わされ続けることになる。
清原奈津美が書いたとされる日記から、法月は真相に迫ってゆく。
『二の悲劇』だけあって、「その人物」についてと「二人称で書かれていること」について興味深く読んでいきました。
読後感は正直どっと疲れるものでした。
といっても人物はこれまでの法月作品では最少だと思います。
ですが読みにくい箇所は多数ありました。
つまり途中の二人称記述と夢か現か定まらない記述部分やその考察箇所が個人的にとっつきにくかったかな、と。
双子ネタに関しても、それ以外ないよな、といった感じ。
『しらみつぶしの時計』に『トゥ・オブ・アス』という短編が収録されているそうなので、それを楽しみにすることにする笑
ミステリ :☆☆☆
ストーリー :☆☆☆☆
人物 :☆☆☆
文章 :☆☆
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『今この瞬間、この場所で、たえまなく街路を行き交う群衆の中に投げ込まれた、名前を持たないがらんどうの肉体の内側で、きみの存在は紡ぎ出されつつある物語への微かな予感として、ひっそりと眠るように息づいている。それは、かつて失われた別の物語のおぼろな記憶として、あらかじめ息づいている。そして、物語が、きみの物語が始まる時、きみは忘れられていた自分の過去と名前を取り戻す。きみは昏い忘却の河底からよみがえり、いきいきと呼吸し始めて、血が通った肉体にきみ自身の肌の温もりを、きみ自身の心臓の鼓動をはっきりと感じる。その時、きみはもう名前のないがらんどうの〈通行人A〉じゃない。きみはきみになる。まもなくきみは、ほかの誰でもないきみ自身として、きみの名前を冠した物語を生き始める。』
法月綸太郎の作品ってこんな面白かったんだ‼︎
ちょいちょい挟む探偵論がたまらんなぁ。素晴らしい叙述物。作中作の使い方も最高。
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原型の短編を先に読んでいたが構成の妙で飽きずに読めた。最後の捨てロジック(?)はミステリ批評的にも読めるし、この構図を実現できたら面白いなあと思う。しかし作中の綸太郎は相変わらず詭弁家でそれでも名探偵として遇されているのは凄いなあと思ったなど。
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いやー、青いね、青い果実って感じだよね。本格推理小説って言うと、日本のだけかもしれんけど、微妙に哲学っぽい話が紛れ込んできたりして、いや、このくだりわしなんかめっさ読み飛ばすわー、的な流れがあったりするけど、そういう青臭さに更に青春な青臭さが加わって、もう身震いしてしまうほどに。それに加えて作者が後書きに引用したのはnirvanaの歌詞ですよ。しかもご丁寧にKurt Cobainって言ってるわけで。いや、これが大作家先生じゃなくて普通のおっさんだったら厨二病レベルかもしれんけども。いやわしも昔聞いたけども。sound gardenの方が好きだったけども。これはどうでも良いな。まあそういうの全部ひっくるめた青臭さが、歯がゆさが、なんとも言えず悪くないのに、なんか高みから見下す感じの探偵役がちょっといらっとくるので、やや不満。
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顔を焼かれた女性の遺体と容疑者とその周囲の人間関係をめぐる謎を追う展開は冗長に感じた。情報がめまぐるしく更新されるクライマックスの盛り上がりと、反復される構図で尖らせたやるせなさが良かったです。
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内容(「BOOK」データベースより)
都内のマンションでOL殺される。死者の胃から現われたメッセージ。小さな鍵が秘めた謎とは!?探偵法月綸太郎が出馬した矢先、容疑者は京都で死体となって発見、そして鍵の正体が明らかになるにつれ、名探偵を翻弄する迷宮の扉が開いた…。
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再会した同級生が自分の名前を親友のそれと勘違いして記憶していたことから始まる悲劇。
つまらなかった訳じゃないんだけど。
Amazonのレビューは軒並み高評価だったけど、私的にはちょっと厳しかった。
素材はいいけど調理法がマズイというか。
なにより、「精神病んでました」と「双子でした」はミステリではご法度だと思ってるので、「病んでました」からのどんでん返しが「双子でした」なんてあんまりだ…と思ってしまったのが一番大きい。
あと、探偵役の法月綸太郎の推理が外れまくってるのも残念でならない。
文体も、変に気取ってるというか、気負ってるというか…読み辛かったかも。法月綸太郎シリーズ読んだのはこれで二作目だけど、正直次を読む気が失せてしまった。
でも、双子オチが愚なのは作者も承知してるだろうから、もしかしたら本作は「肯定される双子オチ」に挑んだ作品なのではないだろうか。
…邪推かな。
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法月綸太郎シリーズ7作目。
各章の冒頭に荒井由実(現松任谷由実)の「卒業写真」の歌詞の一部が掲載されている。
物語にどんな関わりがあるのか、この歌にどんな意味があるのか。
読み終わってから初めてその理由がわかってくる。
物語は「君」と高校時代の同級生・葛見百合子が偶然に京都で再会したことから始まる。
高校時代にあまり目立たなかった存在の彼女を、「君」は迷いなく「葛見さん」と呼ぶ。
実は彼女は葛見百合子ではなく、その友人の清原奈津美なのだけれどなかなか「君」の誤解を解くことができない。
奈津美は揺れ動く心情を、ずっと日記に書き続けていた。
この日記こそが、事件を解く鍵となるのだけれど、その解明までに捜査は二転三転していく。
勘違いというには悲しすぎる結末だった。
そして、最後に明かされた真実もまた、辛く悲しいものだった。
「君」にとっても、百合子や奈津美にとっても、ほんの少し本当のことを話す努力をしていたら事件は起きていなかったように思う。
「君」が最後の最後までこだわったことは、それほどまでに重要なことだったのか。
すべては「君」の中にある身勝手なこだわりが引き起こしたことではなかったのか。
虚構のうえに積み上げられた感情だったとしても、現実を受け入れる勇気さえ持てば違った結末になっただろうに。
推理の過程で、事件の様相は二転三転していく。
そのたびに「えっそうだったの?」と驚き、著者の思惑通りに翻弄される。
そこが心地よくもあり、悔しくもあった。
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久しぶりの法月綸太郎作品。これは好みが別れそうだな。個人的には読むの結構大変だったけど、読み終えてみるとなんとも切ない。そして、やっぱりよく出来てるなーと。ま、精神的に病んでる時にはオススメしないけど、読書の秋にじっくり読むのにはいいかも。
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実に興味深い設定だった。作者自身が探偵役となって物語の主人公を演じるシリーズの根底を揺るがすようなお話だった。
清原奈津美は正しく法月綸太郎である。
彼は自分の存在意義を一度は否定し、虚構の中で踊る道化師までに貶めし、だがそこから見事復活してみせた。
しかしそれでもなお、彼は本格探偵小説の明日を見出してはいないだろう。
そう、この中で何度も作者が云っている「物語は終わらない」ように、このジレンマもまた終わらないのだ。
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今回もまた途中で頭がこんがらがりながら、ゾッとしたりムッとしたり。最後のちょっと前に「え!?そんな結末!?納得いかないけど!?」って思った途端に本当の結末がやってくるという。んおおぉぉ!!と思いました。
出会うタイミングが、伝えるタイミングが、知るタイミングが…何かが少し違っていれば、起こらなかったであろう二の悲劇。
ユーミンが切なく聞こえるお話でした。
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「きみ」という二人称で語りかける部分がところどころに挿入されている二の悲劇ですが、その挿入部分がものすごく読みにくくて参りました。実際ラストまで行ってしまうとそれも伏線だったり大事な部分だったりするわけでしたが読みにくかったのでついつい斜めに読んでしまったのが残念です。ストーリーは切ないラブストーリーに絡んだものですが、綸太郎は推理を披露しては覆され、を繰り返していていつもの調子で、長編にしてはあっさりとした印象を受けました。決して悪いわけではないのですが、読み応えは前の長編の方があった気がします。
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「きみ」が登場する箇所の文章が意図的なのか抽象的に書かれているのでけっこう読みにくい。あと、これも意図的だと思うけどストーリーに直接関係ない文章が長々と挿入されていたりしてこのあたりも読みにくい。法月綸太郎シリーズは作品毎に表現のしかたをちょこちょこ変えている(と思う)ので、1シリーズの中で色んな雰囲気を楽しめる。
この本と全然関係ないけど、重松清さんの『疾走』にも「おまえ」(二人称)が登場する。『疾走』の序盤数ページが特にお気に入り。束の間の平和とこの先に待ち受ける救いようのない未来が混在していて、かつ愛がある感じ。
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ボタンの掛け違えをゆったりとしたペースで読ませてくれる作品。一の悲劇よりもツッコミ所も少なくなり、すんなりと読み進められた。