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第三章 "また誰かがドジを踏む"ー軍事的過失の研究
あまりにも味方への誤射、誤爆のオンパレードで呆れる 真実を知らされていない遺族にとっては、まさしく“知らぬが仏” しかし、やるせない話である
第四章 "復員すればフォードがもらえる"ー戦時の流言
戦時中の流言飛語に右往左往する軍人たちが哀れであり滑稽でもある。これだけ噂話が流布すると “オオカミが来た” 状態にならないのかとも思うが駐屯地の雰囲気が諦観を曇らせるのも納得できる
上手に噂を流すコツ四ヶ条の内容は、舞台が小中学校でもおかしくないほど、やることが稚拙だ
第九章 ”サルとサディストとめかし屋と”ー敵の類型化 彼らは日本兵を人間以下、サル、けだもの、害虫として見ていた。対して、枢軸国のドイツ、イタリア兵は取りあえずは人間として見ていた。よって独兵、伊兵には日本兵に対するような冒涜的扱いを働いていない。なぜなら彼らは自分たちと同じ白人だからである。米兵が日本兵に対するあまりにも残虐非道ぶりに慄然とする。
章の終わりに「戦争が終わり日本本土に占領軍が進駐してようやく、日本人の心の細やかさが再認識されるようになった」とあるが、にわかには信じがたい。再認識された具体的事象でもあれば納得もいくが、作者のいかにもとってつけた感が否めない。
第十四章 “代用コーヒー、大豆ソーセージ”ー生活物資の欠乏
日本が東南アジアを占領したため、天然ゴムと絹の輸入が途絶えたので、合成ゴムと合成繊維が開発されるまで困窮した 特に絹のストッキングが買えないことに米国民は心理的大打撃を受けた 戦時中に絹のストッキングですか…ハァ⤵ 米国はどんぐりで代用したヴィクトリアコーヒー かたや日本は羽子板の羽の先についてる黒い豆でコーヒー豆の代用 もう、何も言えない(-_-;)
しかし、米国より2年早く戦争を始めたイギリスの困窮ぶりは日本に通ずるのものがあるので痛み分けのような感情が湧く
兎にも角にも戦時中のイタリアン人気質って最強だと思った
訳:宮崎 尊