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97年に出版された本。
14年前の日本には閉塞感が溢れていた。
それは2011年の日本においても変わってない。
97年当時、これから世界はデジタル化によって
スピードを増していくとあったが、
まさにすごいスピードで世界は変わって行った。
もうたった十数年前が遠い遠い過去だ。
本の中で紹介されていた、
第一生命経済研究所が1997年6月末に出した発表で
2010年の日本の予測が興味深い。
「女性や高齢者の労働力が活用されない最悪シナリオの場合、
労働人口は減少し、社会保険などの国民負担は増大し、
2010年に日本はゼロ成長になり、財政は破綻する」
同じことが10年以上も言われている。変化の兆しはまだ感じない。
それとも変化は感じないだけで少しずつ起きているのだろうか。
もう一つ気になったこととしては規制緩和の記述。
公共企業では
コスト+一定の利益=価格
という方式で決まる。
競争の世界では
消費者に受け入れられる価格−生産コスト=利益。
競争しないのが一番楽。
誰もが選んでくれる。
価格は制度のなかで、高くならないように抑えられてはいるものの
企業の存続に十分値する価格設定だ。
将来、競争をしたことがない企業が競争にさらされた時に、
世間一般の競争社会を乗り越えていかれるのだろうか。
これからの未来、規制緩和の動向に注意してみよう。