紙の本
男のロマンを感じた
2003/03/26 09:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:茶太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自殺行為に等しい無謀な登山に挑む男の孤独がよく描かれていた。ただ、導入部に描かれていた登山家マロリーのカメラとその謎が、後半部分はうやむやになってしまったところが釈然としない。読後感は満足とは言えない。
投稿元:
レビューを見る
1000ページ位ある小説をまさか三日かからずに読破するとは思わず、それほど引き込まれてしまった〜。ラストのビカールさんが無酸素エベレスト冬季単独登頂に消えてゆく姿・・・フィクションだと分かっていても涙が止まりませんでした。
投稿元:
レビューを見る
5月12日読了。1998年度「このミステリーがすごい!」第6位の作品。カメラマン深町が体験するエベレスト登攀シーンの臨場感が上巻を上回る迫力ですごい!!読んでいて興奮し、山に行きたくなった。(こんな登山は無理だが・・・。)結末もきれいにまとめた印象。不器用な男たち・冒険に満ちた舞台(山)・魅力的なヒロイン。大変面白い小説だった。
投稿元:
レビューを見る
朝講習会場開きを待っていた最中に『神々の山嶺 下』を読み始める。
帰りの汽車の中で一気読み。
もうガンガン読んでしまう。止まらない〜〜!!(苦笑)
あんまり集中してたのでもう少しで駅乗り過ごす所だった‥(爆)。
そして残りほんの数ページを帰宅してから読了。
ちょっと今頭が飽和状態で、いろいろ思う所があるけど。
その感情は一言「すごく面白かった」でした。
今はこれ以上考えらえにゃい‥。でもせつなくってたまらなかったよ〜〜。うん。
山登りのマンガや小説が好きな人は必見。ってもう読んでるか‥そういう人は(苦笑)。
ふふふ。これで谷口ジローさんのマンガも読めると言うもの。くくく。くくく。
投稿元:
レビューを見る
岸涼子の救出劇、羽生のエベレストアタック、深町のその後。
すばるに連載してたそうなので修正できなかったのだろうが、深町は三脚を持っていかなかったのに、羽生のアタックを望遠と三脚で撮っている。羽生が不可能と思われる究極の登攀をする話なので、そもそもホラ話しの固まりなのだが、こういう破綻は興ざめ。
投稿元:
レビューを見る
もう、いい。もうやめてくれ。
そう思った時に深町と読み手の感情がはじめてひとつのくくりとなる。アンザイレン。夢枕という作家に多少の偏見はあったがそれはブッダの物語によって払拭はされていた。なにもここまで私を高い視点に連れて行くことはなかったではないか。たまに会うのだ、このように現在の自分の存在価値が小銭で売られているチョコレートのおまけの価値すらないことに気付かされ、恥ずかしく思い、またなにかに向かわなければ。まだ何かに向かえる。と錯覚とか思い込みとかどうでもいい、そんな思いに馳せるのだ。
投稿元:
レビューを見る
ここでの評判を読んで、ずっと読みたかった本。すっかり酸欠です。苦しかった。面白かった。冬季のエベレスト登攀、想像を絶する世界です。人間の限界をはるかに超えてると思います。エベレスト登山の歴史、エベレストの玄関ネパールの現状や問題、登場人物たちの抱える人生など、非常に読み応えありました。井上靖の氷壁、新田次郎の孤高の人と並ぶ山岳小説の傑作だと思います。
投稿元:
レビューを見る
グルカ兵(Gurkha);ネパール山岳民族から構成される戦闘集団
「グルカ兵はネパール人によって構成された軍隊なのに、ただの一度も自らの祖国のために闘ったことはない」
外国人が大量にヒマラヤに入るようになり、燃料として使用される樹木(薪)がみるみる激減した
外貨を得るために「ヒマラヤと森林」という観光資源で観光客を呼ばねばならない、、観光客が増えれば「ヒマラヤと森林」がなくなっていく、、、、
”初めてのことをやらなくちゃ、意味がない”
”死んだらゴミだ”
投稿元:
レビューを見る
「なぜ山に登るのか」という命題に対して破滅型クライマーの羽生が出した答えは衝撃だった。よくある「そこに山があるからだ」といったものが、単なる言葉遊びの即興的返答だったと思えてくる。
羽生のセリフは「自分が自分であることを自分で確かめるため」と言っているように思えた。
それは哲学の分野かもしれない。仏教をテーマに書いてきた夢枕獏ならではの答えのような気がする。
この哲学的問答(?)から物語りは加速する。上巻のレビューで「夢枕獏は文章がうまい」と書いたけど、下巻の後半からは違う。読者のことを意識した文章から、作者が書きたいように書くという文章に変わっていくのであるが、多少こんがらがってもなぜかぐいぐい読んでしまう。
この小説がおもしろかった理由の一つは、著者の視点を破滅型クライマーの羽生ではなく、山岳カメラマンの深町に置いたことだと思う。つまり読者を羽生の熱気に当てられる側に置いてくれたからだ。
あとがきに「全部、書いた。全部、吐き出した。」とあるが、納得だった。
読み終えたとき、ものすごい熱量を浴びた気がした。
投稿元:
レビューを見る
もしマロリーのカメラが見つかったら。そんな副題を背負いながら始まった物語で、羽生の経歴、性格などからどんどん惹きこまれます。上巻の詳しい状況描写で進めていく流れは、下巻の中盤まで。それ以降は内面の心理描写が多くなって、極限の精神状態を表せていると思いますが、読み進むには少し辛いところも。それでも、山だけに生きる事を描いた世界観は秀逸だと感じました。
投稿元:
レビューを見る
久しぶりの獏さん。堪能しました。
山に向かうことへの魅力、恐れ、挑戦、憧れ、いろんな感情が溢れています。
カメラをめぐるミステリーで話しの展開に引き込まれつつ、はぶさんのカリスマ性でひっぱりこまれ、エベレストとの過酷な戦いに夢中になりました。
極限状態での人間の反応が感動的です。ヒマラヤ行ってみたくなります。
投稿元:
レビューを見る
上下巻あわせて2013/7/21-22
とても読みやすい。
陰陽師シリーズと同じ作者とは思えない。
リアルでハードボイルドな男臭い物語。
けれどその生き方はぬるま湯に浸かって生きている自分には少し羨ましい。
自分の一生を何かに捧げられるというのは才能だと思う。
日常を享受せずにただそれだけの為に生きる…
エベレストには登山家の遺体が残されている。
そこに山があるから、で有名なジョージマロリーの遺体もそのままだ、という話を聞いて
何故だかエベレストが気になって借りてきた本作。
金の為でも名誉の為でもない。何故登るのか…きっと他人が納得する答えなんてない。
投稿元:
レビューを見る
一気に読了。
エヴェレスト南西壁無酸素単独登頂を狙う羽生。ついていく深町。
高度が人体に及ぼす影響がこれまでとは思わなかった。止めることも休むことも死につながる、進むか戻るしかない登山。なぜのぼるか、なぜ生きるか考えながら登る深町。生活や家庭を捨てて夢を我儘に純粋に執拗に追いかける羽生に自分は何歳までだったら憧れただろうか?今の自分には全てを理解はできない。ただ、うらやましいと思う。カッコ良いと思う。
少しずつ紐解かれていく謎、過去。
深町が彼に首飾りを返せた事、生活していくことに迷いが見えなくなったこと、羽生は深町を助ける事が出来て彼の岸に対する後悔がもしかすると少しでも救われたのかも…万々歳ではないけれどそれぞれの思いに区切りが付けられたように思えたのは自分の勝手な希望か。
投稿元:
レビューを見る
これまで読んだ山岳小説の中でもこれはピカイチ。おもしろかったー
手に汗にぎるシーンはもちろん、氷山のなかでしん、とする場面もその場にいるかのような臨場感。
また、高山病にかかりながら考える、死と生についても、ぐっとくるものがある。
ストーリーは深町というカメラマンがエベレスト初登頂をしたのか謎となっているマロニーのカメラを発見したところから。
その後辿りついた伝説のクライマー羽生という男は、前人未踏のエベレスト南面壁冬期美酸素単独登頂を目指していたー
その姿を見届けたい、と深町は跡を追う。
山へ登るのは、山があるからではなく、おれがここにいるからだ。やるだけやったと思いたくて、数グラムでも荷を軽くする。生きてゆくということは、何かしらを引きずっていくことなのだ。など、名言も盛りだくさん。
投稿元:
レビューを見る
最後のシーンに静かに感動する。どんな人生を選ぼうと、向き合うのは自らの生だと教えてくれる。登場人物たちはそれがたまたま山で極限の中で一歩を踏み出し続けただけ。エベレストの冬季南西壁無酸素の登頂の大変さは想像できないけれど、そこに潜むロマンや物語性は十分に味わえた。