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1991年度このミス一位という肩書きを持つ、大沢在昌の代表作にして警察小説の金字塔。
『新宿鮫』シリーズの一作目である。読了の段階でシリーズ通読を心に決めた。それほどまでにこの作品の完成度は、高い。
ある理由から警察組織で唯一、組織に縛られずに行動出来、情け容赦無く犯罪者を『噛む』その姿勢から「新宿鮫」の異名を持つ刑事・鮫島。
拳銃密造と警察官連続殺人事件に、新宿鮫は如何に挑むのだろうか?
キャラクタ造形、組織の描き方がもう素晴らしい。
新宿でその名の知れた新宿鮫が「優男然として」「とても刑事には見えない」というのがまず良い。ロッカーの彼女なんてのも居るしね。
ある種現実を超越しているのに人間っぽい描写を忘れていない。ゆえに読者を惹き付けつつ、手に汗握る展開を演出出きるのだと思う。「新宿に居そうなありえない刑事」と言った所か。
様は、バランスが見事。
突飛な人物造形とは対照的に事件や警察組織の構造は徹底してリアルが追及される。
実際に見たのかと錯覚しそうになるほど、細部が練られているのだ。
論理的な破綻は一切無い。
警察小説特有の「一歩一歩追い詰めていく」推理の展開が、際立って居るようにも思う。
(「犯人当て」ではなく「逮捕」が目的だから、展開も変わる訳だ)
ハードボイルド。
そんなけれんの利いた言葉が良く似合う。
洗練された「警察小説」である。
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題名は主人公の刑事の愛称で、シリーズ化されている物語である。第三作まで読了して、このレビューを書いている。構成自体はやや稚拙で、少し詰め込みすぎな感じもする。しかし会話で状況を紡いでいくという点に心を惹かれる。叙述的な背景説明もかなりの分量を占めているのだが、登場人物毎に語調が異なる活き活きとした会話が心地よい。後に恋人になるロックバンドのボーカルの女性に、主人公の刑事がある人物を知っているかと聞く場面では、主人公が外見に関する答えを予測しているはずなのに、その女性は声と歌を褒める。そういう気の利いたおしゃれな会話に魅了される。捜査対象の男色の世界、警察内部の組織優先のギスギスした雰囲気など、対照となる場面も読み応えがある。主人公が単独捜査を行う孤独な刑事である点も魅力で、これはシリーズを通して統一されているようだ。
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新宿鮫シリーズ第1作目、正直評判ほどには感動はしなかった。そこそこ面白いかも、程度の感想だ。解説にはキャラが立っている、鮫島の背負っているプロフも効果がある、などと言えばそうなのだがこの程度ならまだ面白い本はある。例えば最近読んだ中では、沢木冬吾「償いの椅子」など断然面白い。
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歌舞伎町のヤクザからも恐れられる、
新宿署刑事の鮫島、通称「新宿鮫」
歌舞伎町を舞台にしたシリーズの1作目。
ユカに進められて読んだらはまったよね。
歌舞伎町で警官の連続殺人事件が勃発。
使用された凶器は銃の密造を行っている木津のものと判明。
過去に木津を刑務所に送りこんだのは鮫島だったこともあり、
その木津が関わっていると知って執拗に調査するわけだ。
登場人物がそれぞれ個性的でね、
ちょっと昭和の匂いのする部分もあるけど、
鮫島がかっこいいんだなぁ。
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冒頭の文章のぎこちなさに、あれ?? と最初は違和感を覚えましたが、すぐに大沢さんらしい警戒なテンポで、途中からは一気に読みました。
2巻もすでに買っているので、早速読みたいと思います。
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新宿鮫というハードボイルドの人気シリーズがあることは知っていたけれど、
読んだのは今回が初めて。
学生の頃、古本屋さんで、
見知らぬおやじさんに、
「大沢在昌の新宿鮫は面白いぞー、サイコーだぞ」
と言われたことがあるのだけれど、
駅の売店でふっとそのことを思い出して購入。
と、わりと期待が高く読み始めたせいか、
まあ面白かったけれど、期待したほどではなかった。
なんというかマンガちっくな小説で、
その世界に入り込めなかった感じ。
わかりやすいキャラクター造形で、
個性的だと思われていそうな設定というか、
ハードボイルド小説の中においては
ステレオタイプなのではないかというキャラクター。
そういう意味では安心感がある。
ストーリーは都合のいい展開のような気がするけれど、
エンターテインメントとしてはこのくらいがいいのかも。
出張とか旅行の移動中など、
肩のこらないものを読みたいときにはいいかもしれない。
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ハードボイルドですねー。
鮫島がいいですねー。
面白かったです。
たまに見せる鮫島の弱さというか、本性というか、それがこの小説を引き立てている気がする。
警察ってこんなかなぁ。どっちがヤクザかわかんないや。
まあでも小説だから・・・。
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何も考えず気楽に「活字のマンガ」読みたい気分だったので昔買って売った本を再購入。まさかこれがシリーズ化して4年後(4作目)に直木賞とるとは。
海外ものは携帯があってもなくても違和感ないのに日本の現代小説は携帯がない時代の話が今やすごい違和感があるのが不思議。(それにしても1990年なんてついこないだの気がするのに、《携帯以前》だったことになんとなくしみじみ。
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ハードボイルドもの、警察ものは、どうもぬ苦手なのかな。まるっきし古いテレビドラマみたいな感じ。特に恋人とのやりとりが、うすら寒い。「おまえのロケットおっぱいが・・・」「このスケベコップ!」とか。。
一応、大人気シリーズで最新作は「ほぼ日」で連載中らしい。
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深く軽快
・警察の官僚機構の葛藤や暗部を生き生きと描き、その大きな
ひずみを一人背負い、犯罪に向かい合う鮫島。
鮫島がキャリアとして採用された設定や上司の桃井の存在も絶妙です。
・物語のスピーディな展開に息をのみます。映画化、テレビドラマ化
と、この世界はどんどん広がっていきそうです。
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新宿鮫は小説「こちら葛飾区亀有公園前派出所」に収録されている作品で読んだことがありましたが、新宿鮫シリーズはまだ未読で、読もうと思いつつ読むきっかけやらを逃していましたがやっと読み始めることにしました。
物語の冒頭の「あばよ」という台詞で柳沢慎吾を連想してしまい、時代設定はいつなのだろうかと思いながら読み進めていくと1985年くらいの小道具が登場したのでその辺りの時代なのかなと…。
ひと昔前くらいの時代の物語を読むとくすぐったい気持ちになってしまう性質なので、時代を感じる名称や言動が出るたびにしばしばくすぐったい気分になりました。
そんなひと昔前の時代の新宿の街を動き回る主人公の1匹狼(あるいは1匹鮫か)となってしまった鮫島が実に格好良く渋くてまさにハードボイルド!という人物でしたが、後半には完全無敵というわけでもないことが分かり、そのあたりが良いなと思いました。
ベタな設定な登場人物たちによくある感じの物語と言えなくもありませんが、登場人物たちはそれぞれ癖があって面白く、鮫島の持つ手紙の行方がどうなっていくのかも含めて今後の展開が楽しみです。
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どこまでリアルなのかは知りませんが、警察内部の上下関係とかもわかったきになれた。
色々回収しきれてない気もするけど、これは続編への布石なんでしょうね。
アクション要素はあまりなかったです、その点は残念。
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非常によくできた物語だと思った。一気に読んでしまった。
晶という恋人との絡みがどこか引っかかった。ストーリーや登場人物の臭いからは、もっと厳しいストイックな印象を受ける。だが、恋人との関係の部分が妙に甘いのである。それが物語に奥行きを与えているかというと、僕には少し浮いているような感じがした。感じは悪くないんだけど、ちょっとだけ人物が小さくなってしまうような気がする。もっともそれは好みの問題だろうから、そういうムードが好きな人にはそれでかまわないのだろう。それに、そういうことを差し引いて(すごく主観的だけど)考えても、主人公はとっても魅力的である。
物語そのものは、いろんな伏線がするするとひとつにまとまってくるのが心地よい。やや先の展開が読めてしまうかな。タイトルから想像していたよりもずっとさわやかな刑事物で、驚いてしまった。いかにも(いい意味で)テレビの原作的である。これも、もう少し追いかけてみたいシリーズである。
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バイトの先生に借りて読んだけど……登場人物の脅威のホモ率……
いろんな意味でツッコミどころが多かったです。
鮫島さんほんとかっこいいわ。昌が殺されるオチだったらどうしようと最後までハラハラしました……
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言わずと知れた国民的ハードボイルドシリーズの一作目。中学生の頃に一回読んでるけど、久しぶりに再読。いや、やっぱ面白いわ。
国産ハードボイルド小説の代名詞ともいえる「新宿鮫」シリーズだけど、原尞とか藤原伊織なんかの小説と比べると、ずっとワイズクラックが少なく、喫茶店+煙草の香り、ってシャレた感じをハードボイルドに期待する向きには向かないかも。ちなみにパズラー的な要素も薄いので、ジャンルとしてはハードサスペンスに分類すべき作品とも思う。
“マンジュウ”こと桃井の存在感が格別。鮫島よりもずっとHB的な人物造形。晶のキャラは・・・いや、わかるけど、周辺のエピソードも含めてチョイと恥ずかしい。花村萬月「ブルース」の綾みたいな若い女の子にしか出しようがない気高さみたいなものが皆無。それに、鮫島が晶の作詞の手伝いしてるとかね、それはやりすぎでしょうよ。もはやダサい。
と、過剰で恥ずかしい部分もありつつ、娯楽小説としての出来はやはり一級品。警察小説としての濃さもしっかりで、未読なら必ずチェックしておくべき作品だと言える。