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私の中では揺ぎない萌え小説なのですがあまりにもマイナーすぎて人に通じない…かなしい。
あ、普通に諜報小説で面白いですが。
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冷戦時代の1952年~1953年のソ連を舞台にアメリカの工作員が計画するのはヨシフ・スターリンの暗殺。
その計画は工作員潜入前からソ連の知るところとなり、工作員のモスクワまでの道のりは過酷を極める。
厳しい検問と追っ手を逃れながらモスクワを目指す工作員、追う側は心優しき凄腕KGB少佐、工作員がソ連の手に落ちる事をを案じ計画を中止し工作員の抹殺に動くCIA
スピーディーな展開でハラハラ・ドキドキしながら一気に読ませる秀作でした。
良い奴はみんな格好良く、悪役はすべて陰湿で猥雑と少々キャラ設定のコントラストが効き過ぎの感は有りますがそこは目をつむりましょう。
話がスターリンの本当の命日直前の話なので、暗殺が成功する事は目次を見ただけで明白だし、話の構成上誰がどうなったかは最初で判ってしまう。
この小説はその課程に起こったスリリングなプロットや、当時のソ連の暗く冷たい状況を読ませる事に主眼を置いているんだろう。
まだちゃんと調べていないが、スターリンが危篤となった日にスターリンの別荘から2名の遺体が運び出され無名で墓地に葬られたのは事実とのこと。
この2名がこの小説のように暗殺者とは考えづらいが、なかなか興味深い。
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ウィリアムが亡き父ジェイコブの家の地下室で見つけた古びたファイル。そこに書き付けられたコードネーム《スノウ・ウルフ》。それは彼のその後の人生を永遠に変える言葉だった。
そして雨のノヴォデヴィチイ墓地で、死者は埋葬され、亡霊はよみがえる。
1952年から53年にかけて、酷寒のソヴィエトで強行された戦後最大の極秘作戦。ソヴィエトに生まれながら国を捨て、しかし再び舞い戻ったジェイコブたちが命をかけて成し遂げようとしたものとは――。
世界のミステリ小説のなかでも、日本人好みの作品を厳選した二見文庫のザ・ミステリ・コレクション。確かに日本人に好まれるタイプの作品かもしれない。スターリンの死の謎に迫る骨太のミステリ。
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冷戦時代を背景にした作品。
ソビエト連邦という磐石の対立構造があると敵と味方という登場人物のコントラストがクッキリして読んでいても軸がブレない。今、混沌としている国際社会から見ると解りやすい反面、シンプル過ぎてともすると深さがないと感じてしまいがちになるので現代の作家は工夫が必要である。さて、その現代さっのホープ、グレン・ミードであるが、流石にその点は、何重にも捻ってあり登場人物も出自や心情に至るまでディテールをクッキリとさせていない。物語は、大戦後ソビエト連邦の中に吹き荒れたスターリンの粛清をパラノイアと見て危惧を覚えた米国が水爆完成間近の米ソ間で極度に高まりつつある緊張を龍頭を断ずることで緩和しようと極秘の作戦行動を開始するところから始まる。
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何かでお勧めだったものを購入したっきり、ずっと積読だったもの。今の米露、北朝鮮などの緊迫した情勢の中読んでみようと思って読み始めた。
とても王道なストーリー展開。決して深い裏があったり、伏線があったりするわけでもなく、目的に向かってどんどんストーリーが展開していく。登場人物ごとの目線で進むストーリはリズムよく、短めなので大変読みやすく、かつ緊張感が続く。ただ不満を言えば、作戦があっさりとソ連びバレすぎではないかと感じた。実話ベース(?)と書いてあったので、こんなものなのかもしれないが、もっとCIA側も緊張感があってもいいのではと思う所もあった。まぁ実際当時のスパイってこんな感じだったのかもしれないが。とにかく下巻で話が進むと思うので、期待です。
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原子爆弾、水素爆弾の開発で常にアメリカを追随する立場だったソビエトは、1953年、ついに水素爆弾の実用化でアメリカに先行する。
この事実を知ったアメリカは慌てた。ソビエトが先行したこともさることながら、スターリンなら使うことを躊躇わない、という推測からだ。彼は精神を破たんさせており、すでに冷静な判断力を持ち合わせていないという確かな情報があった。世界を破滅へ導くボタンを躊躇いもなく押すかもしれない。
奴を殺せ!
それしか世界を救う道はない。コードネーム「雪の狼」が発動される。
世界は二人の人物に託された。孤高の暗殺者スランスキー、そして強制収容所から奇跡的に逃亡したロシア美女アンナ。無謀とも思われる暗殺劇の幕が開く!
スパイ小説の王道といっていい。面白いの一言に尽きる。一気読みした。
しかしこの時代のソ連のこと、自分はほんとに知らない。
ペレストロイカ以前に義務教育終えたから、5カ年計画とか国土がでかいとやることもでかいくらいにしか教わってないので、こういう小説を読むたびに驚く。
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1997年度日本冒険小説大賞受賞作。(海外部門)
傑作の呼び声の高い文庫本上下巻に及ぶ大作です。
確かに上巻の前半までは傑作の予感も、話が進むにつれて、どんどん悪い方向へ流れていくため心底楽しめていない自分がいた。これを創作上のリアリティと呼ぶべきなのかは読者次第だが、ある程度エンタメ性を求める私にはマイナス評価に働きました。
以下ネタバレあり・・
今なお、スターリンの死に謎が残るという点に着想を得て書かれた本作ですが、ラストは暗殺を事前に知っていたスターリンのセキュリティガードの低さに脱力しました。
あと、金玉拷問の恐ろしさは、きっと女性には伝わらないだろうなあ・・
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100ページを超えたあたりから、
一気に物語が動き出す。
しっかりとした伏線が絶大な効果を生む物語は
時空を超えて響く鐘のよう。
雪原に立ち、私も同じ時間を生きる幸福感に包まれた1冊。