紙の本
NGO関係者必読、他の開発関係者にもお勧め
2001/07/13 00:03
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tanzanight - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は日本では数少ないNGOのマネージメントに関連した書である。ただいわゆるマニュアル本ではなく、筆者が自分の経験の中から感じているNGOのプロフェッショナリズム、プロ意識と言ったものに関する書である。
とかく情緒的、感情的な内容が多いNGO関係書の中で、このクールさは光っているが、反発も多いであろう事が予想できる。内容的にはNGOだけでなく、ODAにも通用するものであり、誰にもお勧めできる。それほど厚くもないし、手軽に読める本である。
筆者自身が執筆当時当時所属していた Plan International というNGOに対する批評が無い、というコメントを読者から時折耳にするが、僕は筆者が自分の所属する機関を含めてすべてのNGOに対する批判、批評を含めて本書を執筆した、と理解している。これは本人の反省の書ではないのだから。プロ意識を前面に出した本書は日本人の間ではまだまだそうした誤解を受け易い、ということであろう。
投稿元:
レビューを見る
アフガニスタンやイラク等のの国際援助のありかたがTVなどでとりあげられてきたが、この本の著者のような活動と考え方が国際援助のあるべき姿ではないかと考えさせられました。
投稿元:
レビューを見る
現実を直視して、それを正直に伝えることのできる著者から学べることは計り知れない。
住民主導のプロジェクトとは何か、我々が持っている現地住民に対するおこがましさ、この業界で本当に必要とされる人材はどんなものか、そういうものを教えられた。
投稿元:
レビューを見る
これだけNGOの本質に迫る本はめずらしいと思う。
美化するわけでも悲観的になるわけでもなく、
NGOのあるべき姿と現状とのギャップを示しています。
”ファシズムでも人は救える”
”必要な材料は全て途上国にある”
”NGOはサービス産業だ”
”何人かを殺し、それでも多くの人間を救っていくのが草の根の開発援助なのだ。そして、現場の人間は、自責の念を一生引きずっていくのである。”
投稿元:
レビューを見る
NGOについて、慈善事業の視点ではなく、マネージメントの視点から描かれていたため、大変興味深かった。
NGO活動は、ビジネス活動と似ている部分があると思う。
PLAN→DO→CHECK→ACTIONをしっかりと実行していなければ、質の良い活動ができない。
<NGO>
サービス産業。ODAが扱うものより、ちょっと下の層に落とす。「商品」がより多くの「顧客」を得るよう、その「質」を常に向上させるため、常に切磋琢磨すること。投資されたプロジェクトが人々の生活に及ぼす影響を客観的に、正直に計算した「顧客」に伝えるためのシステム作り。
※NGOがやっていることは政府がやるべきこと。
<開発援助とは>
「制度」と「システム」を「外力」として補強、改善すること。※途上国政府と諸制度、伝統的共同体社会と密接な関係に気付かない限り達成できるものではない。
<必要とされていること>
よいアイディアがあったら、それをいかに効率的に、短期間に広範囲に広め、定着させるかを考えること
<教育>
何が教師をやる気にさせるか、教師と親たちの信頼関係が全て。
NGOができることは、教師へのトレーニングに資金を出すか、教師が副収入を得られるような経済プロジェクトをやること。
投稿元:
レビューを見る
開発とは何か、いわゆる「先進国」の人間が真にやらなければならないことは何か、これを読んで価値観が大きく揺さぶられた。ODAや途上国支援のあり方を再考させられる良書。
投稿元:
レビューを見る
良著。
実際にNGOとしてタイで活動してきたあとに読んだので、多くのことを考えさせられた。
NGOとはなにか、開発とはなにか、何をするべきで、なにをしないべきなのか。
非常にデリケートな問題なはずなのに、あまりにも軽く扱われている国際協力問題。
おもしろい。