紙の本
とりあえず基の小説を読んでから
2001/12/12 12:40
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:白井道也 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちなみに十大小説とは、フォールディング「トム・ジョウンズ」、オースティン「高慢と偏見」、スタンダール「赤と黒」、バルザック「ゴリオ爺さん」、チャールズ・ディケンズ「デイヴィッド・コパーフィールド」、フローベール「ボヴァリー夫人」、メルヴィル「白鯨」、ブロンテ「嵐が丘」、ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」、トルストイ「戦争と平和」。
各著者の生い立ちと、その作品についての評論が載っている。それぞれの小説がどのように素晴らしいか、という点についての記述が少ないので、それぞれの小説を読んでからこの本を読んだほうがいいのではないかと思った。
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価値観てみんな違うっしょ。なのに10っこ小説選んで、誰もがうーんたしかにこれが10だ、ってのはどうしても納得せずにいれない!
で、そんな選球眼を見せた人はこれらの小説をどう読んでるか。もついてくる。という醍醐味です。
フィルター、選択するという行為はそれそのもの制作的な可能性を含んでて、複数を選び出すなかで描かれていく地図やイメージが、独特の雰囲気や風景日を作り出すのだ、という事実も教えてくれます。
単語のレベルでなにかを選ばなくても例えば本の選び方でも、一種の作品を形成することはできるぜ。ってことですね。
モームの小説作品はあんま好きじゃないですがこれはおもろい。
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精神に不朽の支柱を立てたい人のためのブックガイド、その1。
というかモームだのトルストイだの以前に、この『世界の十大小説』という、あざとくも卑怯すぎる邦題をつけた人を尊敬せずにはいられませんな。
原題(Ten Novels and Their Authors)直訳のタイトルだったらきっと、売り上げも激減だし、この本の存在感自体がまったく変わっていたはず。
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文豪サマセット・モームが選んだ世界の十大小説。上巻ではフィールディング、オースティン、スタンダール、バルザック、ディケンズの著作を紹介している。
但し、上巻で最も読むべきなのは『Ⅰ 小説とは何か』ではなかろうか。同じようなことを言った人物は大勢いるが、こちらも上手く纏められている。
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大変な良著。現在絶版で入手がやや困難なのが勿体ない。願わくば、高校生の頃に読みたかったと思うような種類の本。「小説はとにかく楽しいものでなければならない」とするモームの主張に私も完全に首肯するのだけれど、その他にも端々に「その通り!!」と言いたくなるような言葉が溢れていてとても小気味良い。例えば、
「『戦争と平和』とか『カラマーゾフの兄弟』とかがそうであるが、これら偉大な作品は、元気な時に細心の注意を払って読むのでなければ、何の利益も得ることができない。ところが、オースティンの小説となると、どんなに疲れて意気のあがらぬ時に読んでも、かならず読む者の心を魅了してくれるのである。」
など、まさにオースティンの小説の真価を端的に表現しており、読みながらそうそう、と何度も頷いてしまった。上巻は他にもスタンダールのヤバさやバルザックの金銭的だらしなさなどなど読み応えがあった。下巻も楽しみ。
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図書館で借りた。
イギリスの小説家W.S.モームが選んだ10の小説を、作者がどんな人生を歩んだかのバックグラウンドを語りつつ、作品を評していくもの。それぞれの小説に興味をそそるつくりとなっている。
タイトルは十大小説であるが、モームが選んだ「小説ベスト10」という意味ではないことに注意だ。原題は「Ten Novels and Their Authors」であくまで10作品とその作者を語った、というテイストだ。
上巻は『トム・ジョーンズ』『高慢と偏見』『赤と黒』『ゴリオ爺さん』『デイヴィッド・コパーフィールド』が収録されている。