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少し息抜きをして、いわゆる大衆娯楽小説をご紹介しましょう。ちくま文庫から出ている山田風太郎の「明治小説全集」は全部好きですが、一番お気に入りなのがこの短編集。中でも『いろは大王の火葬場』は何度読んでも大好きな一編!
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久々の風太郎。どの中編も素晴らしいけど、「四分割秋水伝」と「明治暗黒星」が良い。風太郎の描く明治が明治そのものに思えてきてヤバイ。
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中編集。表題作が秀逸(泡坂が書きそうだが)。時代が進行してきて背景の歴史の動きがなくなってきているかも…。
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面白いなぁ。今年はどうやら、山田風太郎に出会った年、ということになりそうだ。
読んでいて、エンタメを読む幸せを感じる。ただ「面白い」、それが持つ未来への展望や希望といったものが、むくむくと湧いてくる。
誰が言っていたのかは忘れたが、「面白い本は、その存在だけで人を生かす。来週はあの本の続きが出るから、それまでは生きていよう、と思う」というようなことを言っていたけれど、まさしくそれだ。面白い、ということは、それだけで希望なのだ。
山田風太郎の本が読めて、私はとても幸せだ。
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『明治バベルの塔』『牢屋の坊っちゃん』『いろは大王の火葬場』『四分割秋水伝』『明治暗黒星』の5編を収めた短篇集。フィーチャーされている人物が非常に多岐に渡っており、またそれぞれの短編で挑戦している手法も異なるため、スマッシュヒットはないもののバラエティに富んだ楽しい1冊。
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面白い。山田風太郎の才能際立つ1冊です。
「明治バベルの塔」アナグラムの妙。
「牢屋の坊ちゃん」文体模写の妙。
「いろは大王の火葬場」娯楽小説の妙。
「四分割秋水伝」評伝の妙。
風太郎の明治物は現実の歴史と風太郎の想像する虚構とが交錯する、まるで言語ではなく歴史を扱ったアナグラムのようであり、現実の歴史の文体模写をしたような書き換えであり、娯楽であり、そこから歴史上の人物の四面(上半身、下半身、背中、大脳旧皮質)が浮かび上がる。まことに風太郎の真骨頂が詰め込まれた4作である。
その上、対象となる人物はみなその時代の弱者であり反逆者であり、そういった虐げられる者に対しての風太郎の愛ある悲しくも優しいまなざしが、いつだって泣ける。思想を語るような野暮なことはしないが、圧倒的な技術力から繰り出される文章の隙間からかいま見れる、言葉の奥底からにじみでる風太郎の情感こそが、彼を唯物論者に閉じ込めない、とかく人間臭い魅力であると、改めて思った。
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明治の社会主義に代表される社会への民衆参加が、クセ強めの登場人物とありえなく見える実際の事件で奇才天才山田風太郎により書かれている
黒岩涙香の超人的な知の巨人ぶりが楽しく書かれています
管野スガをめぐる秋水の執着ですべてを失い、焦りから破滅へ向かう破滅の美学だな
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山田風太郎は、上手い。忍法帖、伝奇小説もいいのだが、明治物は知名度の割に面白いとおもう。意外な人物の取り合わせと、通説とは異なる視点が良い。
明治バベルの塔 萬朝報、黒岩涙香、幸徳秋水、田中正造
いろは大王の火葬場 木村荘平、福地桜痴、岸田吟香等
明治暗黒星 伊庭想太郎(伊庭八郎の弟)、星亨
など