- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
3 件中 1 件~ 3 件を表示 |
紙の本
繰り返し繰り返し、ずぶずぶと温かいものに包まれていく…
2001/11/14 17:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:青月にじむ - この投稿者のレビュー一覧を見る
お恥ずかしいことに、読み始めは全部で一編の小説だと思っていた。それが、断片的な描写が繰り返され少しずつ違った文章で書き込まれる。流れるような印象となんというか、全般的に湿っぽく(それはモティーフに井戸などが出てきたせいかも知れないけど)生暖かい。それは、考えてみれば人間の体の中を流れる体液のようなもので、そうしてみるとこの小説は体液のような小説、という結論になってしまう。しかし、またそれも間違いでは無いような気がしてくるのが恐いところだ。このまま、ずぶずぶと入り込んでしまうような、そんな危うさと心地よさと官能と。
メリヤス会社の出納係と愛人(娼婦?)。井戸とお濠のある街に暮らす夫婦(?)と身投げする女。秋草の肌襦袢とスリップドレス(とても脱ぎにくい)。靴下止め。テンの毛皮があしらわれている絹のガウン。柔らかい皮膚に差し込まれるナイフ。鍵が壊れたトランク。カバ色の肌とは? ←これが実は一番気になった。
映画の評論を書いていたら、そのまま小説になってしまったというこの作品群をどう解釈していいのか、悔しいことに今の私には論ずることができない。ビデオ屋で借りてきてみるかな。それからもう一度読んでみよう。キーワードはジャン・ルノワール、蓮実重彦。
ただただ何かに溺れてしまいたいと、何も考えずに熱に浮かされたようにひとときを過ごしたい、という人にはお勧めです。案外癖になるかも。
3 件中 1 件~ 3 件を表示 |