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3月22日
幕末に生きた人の歴史小説は好きです。
今回は「ジョン万次郎」さんの本を読みました。
ジョン万次郎さんのことは
漂流しアメリカへ行き、英語を堪能とし、その語学力を幕末で活かした人という
かなり漠然としたイメージしか持っていませんでした…。
しかしこの本を読み
ジョン万次郎さんの歩んだ人生や人柄や運といった魅力的な部分を知ることができ、とても勉強になりました。
ジョン万次郎を息子としてアメリカへ連れ帰ったホイットフィールド
ハワイ親切にしてくれたでデーモン牧師
これらの素晴らしい人物と出会えたのも
彼のズバ抜けた適応能力の高さと、頑固さ、ひた向きさ、そしてまっすぐな心がもたらしたもの。
日本人よりも外人の方が彼を高く評価していたのも分かります。
漁師だったという低い身分のせいで日本に帰ってから
彼が成し遂げたかったことが上手くいかない人生なのだが
それでもあの時代に彼が残したものが間違いなく大きかったと思う。
剣聖・男谷精一郎の師匠の娘と万次郎が結婚していたという事実を知り
頭の中の歴史上人物関係図の線がまた増えニヤついた。
福沢諭吉がチラリと登場するが
揺れ荒れる船に乗っている時
「牢獄にはいって、毎日毎夜、地震にあっていると思えばいい」
と笑っていたというタフさぶりだけの登場が妙にかっこよかった。