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『井沢説≠史料至上主義等=歴史の真実』は成り立つか???
2013/01/08 20:24
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
約20年ぶりの再読です。第1巻は大きく以下の3点で構成されています。
1 歴史学会への批判(序論)・・・読者洗脳の章
2 神話時代の考察(第一章~第四章)・・・推理小説並の展開の章
3 宮内庁批判と朝鮮批判(第五章)・・・国威発揚の章
序論では、「通説を盲信するな!」の一言で足りる歴史学会への批判を、延々70ページ近くも展開。さらに全編にわたり、ところどころで執拗に同じ批判を繰り返しています。ただ読めばわかるのですが、井沢氏側の一方的かつ自作自演の主張です。注意を要します。つまり『歴史学会=史料至上主義等≠歴史の真実。井沢説≠史料至上主義等=歴史の真実』という数式を、読者に刷り込もうとしている意図が見え見えです。ただ、この数式が成り立たない証拠として、史料至上主義とは思えない好き勝手な学説を唱えている歴史学者が、たくさんいますよね。いろいろ仮説を出すのは自由ですが、誰もが納得できる仮説でない限り通説にはなりえません。史料や遺跡等の裏打ちも必要条件です。そうでなければ「何でもあり」となりますし、学問として成り立ちません。常識です。
また第五章の宮内庁批判はともかく、古代史を扱う本書で朝鮮批判を50ページも展開するのはいかがなものでしょうか。国威発揚は別の本で展開すべきです。
一方、本論にあたる第一章~第四章では、日本人の精神構造等の原初的な命題に挑んでいるほか、出雲大社の謎と卑弥呼の謎を中心に、神話時代について元推理小説家らしい突飛な考察を展開しており、それなりに楽しめる内容となっています。ただ数人の歴史学者や研究者達の説をベースに再構成された話ばかりです。井沢氏は少し味付けを変えているだけですので、勘違いしないように。個人的には、「和の精神」と「怨霊信仰」のみで、無理やり日本社会を単純化させるのは無理があると思います。
多様な歴史考察の視点を紹介する「逆説の日本史」シリーズは、確かに面白いと思います。20年前は新鮮な驚きのみで読みました。最近は、通説の逆を突こうとばかりする「井沢説」を盲信することは危険だと、分かってきました。広くいろんな方の著書を読むことで、偏った歴史認識とならないように心掛けています。
ということで、序論および第五章は「ゼロ」、第一章は「2」、第二章~第四章は「3」、総合評価はギリギリ「2」としました。
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通勤の友。逆説と銘打たなくとも良かったんじゃないかなぁ。でも歴史学会界隈では異端扱い、ていうか相手にもされないらしい。どうしてだろう?たくさん興味深いこと書いてあるのに。
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週間ポスト紙に連載されている「逆説の日本史」の文庫本第一巻。今まで自分が学んできた日本史ってなんだったの?と思いたくなる新たな視点による、日本史の洞察力には目から鱗状態である。天照大神(アマテラスオオミカミ)と卑弥呼の関係、大和朝廷の成立などが、著者独特の視点から論じられていて、しかも説得力に満ちている。歴史とは捉え方一つで大きく変わってしまうものだと痛感した。
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現在11巻まで出版されているベストセラー。奇才井沢元彦万歳!この本は僕の人生を変えた一冊。高校生の頃に出会わなければ。。。(笑)必読です。
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日本の歴史は怨霊の歴史。大和と和、倭、邪馬台国との関係。卑弥呼とアマテラ
スの関係。そして邪馬台国の場所など、古代日本にはミステリーがいっぱいです。
小説家が書く日本史は一味違います。
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作者の主張する説の真偽や正当性というものはひとまずおいておいて、今までにない興味深い切り口で日本史が語られる逆説シリーズはとても面白い。
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この本のおかげで日本史が
好きになった気が。
歴史書とはいえ、作家さんが書いているので文自体が読みやすくて分かりやすいと思います。
シリーズ通して主題が一貫していて、歴史の『続いている』感がよく分かります。
学生の頃に出会っていたかった…
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日本史に興味の無い人、興味はあるけど詳しくない人などには面白いと思います。あたしは中学生の時に結構好きでした。でも、大学で日本史を学んだ今となっては、井沢さんは歴史学者だと思えません。学説批判もいいけど、そもそもこの人がやっているのは現在行われている歴史学の研究とは違うわけだから、学界に認められるわけがない。井沢さん独自の「学界」を創るしかないんじゃないでしょうか。あたし個人としては、この人にはおとなしく小説を書いていてほしい(小説は面白いんだから)。
…とか言いつつ、読んだのが7年くらい前なので、正直内容はあんまり覚えていませんが。
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「そーだったのか日本史!」これもひとつの仮説として、あたらしい発見のできる一冊。
ーーーーー
20101115、2周目。
20110715、2週目終了、13巻まで。
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いやー、面白くて、面白くて、とまらない。でも倭と和の解釈にはちょっと異義あり。和heを「ワ」と読ませるのはこじつけで、それだけこの漢字の見た目が「和やかな談笑」をイメージさせるから聖徳太子の先人がなんとしても使いたかったんだと思う。
倭の意味はconcrete語「椀・湾」から導かれたもので、井沢氏も言われているようにabstract語「輪」を元に作った国名「わ」の卑称だと思う。尊称が「大きいわ→大和→やまと」。
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色んな日本人論がありますが、伊沢先生の「和」の論理が一番納得できる気がします。おもしろい。
高校生とか読んだらいいのにな。
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神々の指紋の日本史版みたいなもので、これも娯楽本ですが面白い…なまじ日本史を知っているだけにどきどきする。
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斬新な発想と検証方法がたくさんあり、非常に興味深いです。論理的に検証しているようだが、かなり強引な結論の出し方にも感じられる。でも、学校の退屈な日本史の教科書よりずっと興味深いです☆
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学校で習う歴史は「データ」だけど、これは物語だなと思う。
本当の歴史も「人が生きた物語」だと思うからとても面白いです。
日本史に疎いんで、通説がどうなのかは分からないけど、井沢さん「通説」批判に力入りすぎてちょっとくどいよ…。
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「怨霊」史観により、日本史をかつてない角度で切る。特にこの一巻が一番衝撃的だった。賛成するしないはともかく、考えさせられる斬新な説。