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主人公の恋情は、恐ろしいほど徹底的な一方通行だ。しかしその感情に縋るしかなかった主人公には惹かれるし、泣かされた。
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昭和時代前半の四国を舞台にした、芸者・桃若の一生を描いた作品です。
芸者としての女の覚悟、お腹の赤子の母としての女の覚悟をこの身に感じました。また、同じ女性として、女性のあり方を考えさせられました。
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う~ん、やっぱり宮尾さんの描く女性は悲しいなぁ。じりじり追い詰められていく状況に、ただ読み進めるしかない事にも切なくなるような物語でした。でもそれが、リアルというか、作られた綺麗な物語ではない、昔は本当にこんなことはよくある話だったのではと、思わされました。
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高知の陽暉楼って大料亭の芸妓として一番の舞手である房子ちゃんが、とにかく艱難辛苦をなめまくったうえでダメダメ坊ちゃんへの愛を貫いて私生児子を生み、真面目一本で世渡りヘタなまま肺病で世を去ってしまうお話。
当時の花柳界の闇をしっかりと描いているんだろうけど、実情を丁寧に描写し過ぎることで、かえって物語の中心がボヤけて読みにくくなっていました。
で、救いようがない。
小説のなかだけでも何かしらの救いが欲しいタイプの読者には、合わないお話だと思いました。
めげ~。
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今までに何度読んだかわからないくらい好きな一冊。花柳会で生きる女の哀愁、美しい舞踊に胸が張り裂けそうになる恋心。
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1日1冊宮尾登美子。
綾子シリーズが落ちつき、自伝ともいえる話から離れた小説へ。
しかし、舞台があの陽暉楼でございますよ。
さんざ小説世界に出てきたお店。
そこの芸妓の話です。
純なのかな。この世界にいるにはふさわしくないほど純だったのかな。
もう少しで安定した暮らしも出来ただろうに、全てを失っていく様子は、
「わたしが・棄てた・女」のように純で、
「椿姫」のようにもろくも、そして椿姫よりももっともっと残酷だった。
4月からここまで読んで、6冊がっしと読み切って、体が私を解放してくれた。
別の本を読んでから、次は寒椿を読むよてい。
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花柳界に生きる女の強さと悲哀を
陽暉楼と言う高知の名だたる料理屋の芸妓として
名を馳せた桃若=房子の一生を描いた
美しく咲き、散って行く物語である。
房子は芸に生き、芸が自分の川のように流される
身を止めてくれると思い芸妓としての心情として
生きてきた。
そこに、房子の心を揺るがす男が現れ
一生の一度の赦されぬ恋をしてしまう。
陽暉楼の艶やかな日々と借金型に売られた身の
何ともならない房子の切ない心情。
花柳界で生きて行くには、主人公の房子は
真っ直ぐな心根を持ったが故に、この世界では
孤立無縁になってしまう。
全てが金で動く花柳の光と闇を房子を通して
時に眩く、時に過酷に映し出す。