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日本の高校生の特徴を、様々なアンケート結果から分析したもので、主にアメリカとの比較を中心に述べられている。日本の高校生を取り巻く社会環境や家庭環境を洗い出し、人間関係や規範意識、金銭感覚、問題行動などについて考察している。
この本が書かれてからもう10年以上経っていることもあり、やたらと「ブルセラ」「ポケベル」「おやじ狩り」などに言及されている箇所が目につき、違和感とともに内容の古さを感じてしまう。もちろんアンケートも10年以上前に行われたものなので、それらの結果をもとに考察された大半の箇所も多少は読みかえが必要かもしれないが、戦後からの大きな歴史的流れを理解する上では十分に参考になるし、日本の文化や特質を踏まえた考察に関しては、見かけほど古いとは思わない。特に、日本の高校生は「寛大さ」「信頼性」を親や教師からではなく友人関係から学ぶことが多いという結果について、日本ではこういった「理念」を理念としてではなく、「処世術」として学ぶというp.95の分析には納得した。ちなみに「国際比較」といっても「日米比較」が主で、ときどき「だからアメリカを見習わなければならない」といった結論に行くのは気に入らない。(10/02/17)