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塩野七生さんの「わが友マキアヴェッリ―フィレンツェ存亡」を読んだ後であれば、内容がすんなりと理解できた。が、思った以上に民衆を味方につけることの重要性を問いている箇所が多く新たな発見でした。
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権謀術数主義だとか目的のためには手段を選ばないだとか、マキャベリズムというとなんとも腹黒いイメージがつきまといがちですが、はたして当のマキャベリが何を言いたかったかを現代風にいうと、
「善からぬ者たちの中で大切なものを守るためには、全ての面において善い行動をしたいと願ってはならない」
ということに尽きるような気がします。
大切なものなんて言うと陳腐な香りがそこはかとなく漂いますが、要するに道徳だとか信念だとか、情といったところでしょうか?時代が時代で、私が君主なら、それは「自国」になるでしょう。
個人的に座右の書と言いたいところなのですが、如何せん読んでモノにできている気がしないので、周りの人には内緒です。
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「~である。なぜならば、~であるから。」といった風な読みづらい日本語訳がお気に召さない人もいるようだけど、自分は逆にそこが好きだった。
マキアヴェッリの目を通して、その時代に生きた知識人が当時の世相をどう見ていたのかを疑似体験してイタリア史を補完するにはうってつけの本。
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ローマ帝国崩壊後、長い間政治的混乱に陥っていたイタリアをどう立て直すか、という非常に時代状況に則した関心の下に書かれたマキアヴェッリの処方箋。
古代世界の歴史から当時のイタリア半島における治乱興亡に至るまで、多くの実例を引用しつつ、君主はいかにあるべきかを説いたこの著作は、マキアヴェッリの意図を超えて、普遍的な価値を思想史において持つことになった。政治を必要悪としてではなく、運命をも変転させる「力量」の問題として扱うこの著作こそ、近代政治思想の始まりといえよう。
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歴史の教科書にもでてくる古典。
元日本マイクロソフト社長の成毛真さんは、社長指名された時ちょうどこの本を読んでいたので、書いてある通りレイオフしたとか。
関連語:マキャベリズム 件名:君主政治
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古典とは思えないほど明快、わかりやすい。とても500年も前の本だとは思えないぐらい、瑞々しい現代的な感性で書かれている。
リーダーの心理学を目指したが学問的素養がなく、リーダー論と言う名のエッセイになっちゃった本にみえる。でも、そんなふうに現代の本だと思って読める所がこの本の素晴らしい所なのだ
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モデルはオスマントルコ皇帝らしい。要するに、リアル・ポリティークであり、カウティリア実理論の近代版みたいなものであろう。
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乱世の中、国を安定させることを目的としたリーダーのための指導書である。チェーザレ・ボルジアをモチーフとし、内外から恐れられるものの恨まれもしないことを理想としている。そのために、内外に対して厳格な態度をとり、正義のために力を発揮できること、自身で考え判断できる(少なくとも判断するために情報・提案を得られる優秀な部下を持ち人の意見を聞くことができる英明さを持つ)、などが要件として挙げられている。500年も前に書かれた作品だが、現代のリーダーシップの在り方の1つとして捉えることもできる。当時のイタリアの状況、フィレンツェの置かれた状況、チェーザレ・ボルジアに関する情報を把握した上で読めば良く分かるし、一般的に言われているマキャベリズムとは違った印象を持てるはず。
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君主の資質について、なるほどと思える分析。憎まれないこと。そして、恐れられること。侮られ、軽蔑されないこと。
信長は憎まれたから、滅ぼされたような気がする。
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君主、つまり人の上に立つ人間は、基本的にドSじゃないとムリなんだな・・・そう感じる一冊でした。君主論の前に「ドSになる方法論」なるハウツー本が必要ですねwそれにしても、「原文に忠実」らしいのですが、非常に読みにくく、頭の中に入りにくい一冊でした。
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構えたほど難解でなく、分かり易いです。
勿論すべてに賛同できるわけではありませんが、現代でも十分に通用するリーダー論だと思います。
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正直言うと、「一部だけ抜粋して読んだ」というのが正しいです。
君主が、いかにして権力を保有・維持するかを解説した本ですが、
読み進めるのが苦痛で、ところどころ抜粋して斜め読みした程度
です。
何が苦痛だったかというと、まず文体。
「君主は....すべきである。なぜなら、....であるから。」
この調子で、延々と続く文章。各々の主張の裏付けとなる
エピソードも語られていますが、西欧の権力闘争史で、
日本人の私には正直ピンとこない。
内容も、あくまで君主目線で、どうやって統治するべきか、
が描かれていますが、基本は「恐怖政治・上意下達」スタンス。
時代性を考えれば、それが妥当なのかもしれませんが。
では、同じ手法が現代社会で有効なのかというと、私には
合意できない部分が多々ありました。
あくまで統治・抑圧の対象として民衆を描いていますが、
恐怖で組織を操るのは長続きしないように思います。
強烈すぎるカリスマリーダーが引退したあとで会社がガタガタ
になる、なんてのも、トリマキが盲目的にYESマンになっていて、
その背景に「評価されない恐怖」があるのかもしれません。
恐怖による統治では、結果として、リーダーの指示以上のアウト
プットを組織が生むことを期待できないように思います。
変化が激しく、情報が溢れる現代社会において、
組織統治のツールとして「恐怖」に変わるものは何か?
ファクトとロジックで結論を出す「合理性」と、組織の構成員
による「目的遂行への共感・共鳴」、このあたりに、統治のみ
ならず、組織全体の英知を生かすヒントがあるように思います。
解説として、マキアヴェッリが何故、この本を書いたのか、
その経緯が描かれています。政治的理由で失脚したマキアヴェッリ
が、時の権力者に取り入ってもらおうと書き留めたものらしい。
その人間クサさのほうが、本編よりも面白く感じました。
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一般に評価されているほど、残虐な君主論はほとんど論じられておらず、意外と普通の内容だった。
征服地の統治の理論の部分は、理論が少し飛躍し過ぎている感があった。
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ルネサンス期イタリアの政治的混乱を辛くも生きたマキアヴェッリ(1469-1527)は外交軍事の実経験と思索のすべてを傾けて,君主たるものが権力をいかに維持・伸長すべきかを説いた.人間と組織に切りこむその犀利な観察と分析は今日なお恐るべき有効性を保っている.カゼッラ版を基に諸本を参照し,厳しい原典批判をへた画期的な新訳.
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歴代の統治者を分析し、君主の在るべき姿を説いた古典。
含蓄のある言葉がたっぷりで面白く読めた。
後世の為政者に多大な影響を与えたのも頷ける。
伝説的な西海岸ラッパーの2pacが獄中で出会ってアルバムのタイトルにしちゃうほど影響を受けた一冊でもあったり。