紙の本
安定感あるシリーズ
2023/05/30 16:07
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投稿者:R - この投稿者のレビュー一覧を見る
終盤に驚きの展開が待っている。突発的な個人の行動までは心理歴史学では予知できない。
このシリーズを読んでいて思ったのは、アシモフの作品は整っているなと。
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『ファウンデーションと地球』で
セルダン・プラン以外の結末が決定されたにも関わらず、
私はこの銀河帝国興亡史の最後の物語は
新しい帝国の誕生であろうと信じきっていました。
この壮大なサーガはあくまで
一つの帝国の滅亡から新しい帝国の誕生までの1000年の物語だと。
まさか途中でプランが機能しなくなって話が終わるなんて、
誰が想像する?
例え前作『ファウンデーションへの序章』がセルダンの若かりし頃の話で、
今作のタイトルが『“ファンデーション”の誕生』だとしても。
なので最初にページを開いてセルダンが登場した時はガッカリしました…。
そうか私はセルダン・プランの1000年後を知ることは出来ないのだと。
もちろん、
思い込みがなければ十分に予測可能な状況証拠はたくさんあるのは認めるけれども。
まあ考えようによっては一周回ってスタートに戻る、
ということでそれはそれでスマートなのかもしれない。
でも私的には『序章』と『誕生』は
もうちょっと別な形で ースピン・オフのようなー 存在して欲しかったかな。
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アシモフの遺作 合掌礼拝
表紙 7点生賴 範義
展開 7点1993年著作
文章 7点
内容 750点
合計 771点
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アシモフの最晩年の作品だからか、話が小粒な感じがした。後半に向けて敢えてそうしたのかもしれないが、
これまでのような躍動感を感じず、セルダンの周りの個人的な痴話げんか(にしては結果が大きすぎるが・・)のような印象を受けてしまい、あまりのめり込めなかった。
さしものアシモフも衰えたということなのだろうか。
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セルダンがドースの正体に気づいていないような言動をしているのが気になった。確か前作のラストで言及していたはずでは?セルダンがあえてその点を意識しないようにしているのだと考えれば、彼の焦りが見えて面白い。
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銀河帝国興亡史の最終巻。前作『ファウンデーションへの序曲』は権力の弾圧から逃れる活動であった。これに対して『ファウンデーションの誕生』は権力に庇護されて研究している。対立勢力は権力者を失脚させようとする側である。物語として盛り上がりに欠ける。
銀河帝国皇帝が政治的陰謀とは別の次元で殺害される。心理歴史学(サイコヒストリー)という歴史に法則性を見出し、未来を予見することをテーマとしながら皮肉である。皇帝殺害の動機は負担の押し付けであった。公務員世界では出世と評価されるものでも迷惑でしかない。
下巻では新皇帝が擁立される。新皇帝は前皇帝よりも小者のように描かれる。しかし、前皇帝は『ファウンデーションへの序曲』登場時の弾圧者という最初の悪印象がある。セルダンは、それまでの生活を捨てて潜伏しなければならなかった。その後、セルダン自身は前皇帝の下で首相を務めることになり、最初の悪印象はなくなっているだろうが、首相在任中の記述は薄い。このため、読者には最初の悪印象が決定的である。
むしろ新皇帝に人間的な美点を感じる。新皇帝は不都合な事実を率直に伝える。セルダンは以下のように感謝している。「あなたは悲劇的なニュースをもたらしてくださいましたが、すくなくとも情報をくださったのです。わからないことのほうが辛いのです。あなたは真の友人です」(下巻307頁)。隠そうとしがちな昭和の日本人よりも優れている。
また、新皇帝は慰めや前向き発言が意味のないことを理解している。悲しむセルダンを一人にする。「きみを一人にし、思い出にひたらせよう」(下巻307頁)。昭和的な感覚では冷たく見えるかもしれないが、むしろ有り難いだろう。前皇帝は他人の心を理解しなかったために暗殺された。それに比べれば優れている。
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老朽化と称してインフラが壊れ、内部から崩壊していく首都惑星トランター、なんだか令和日本のような。文武両道ハリ・セルダン博士40歳(老人と言われる!)、大暴れの痛快。ダニールが笑う練習する貴重な場面もあった。
長生きすると喪失もたくさん経験する。ダニールとハリとの別れがまた切ない。
「かれはちょっと間を置き、それからダニールのしっかりした手を握った。『さようなら、ダニール』『さようなら、ハリ』ダニールは答えた。」
「首相の部屋は、ロボットへのハリの最後の言葉をこだました。『友人よ、さようなら』と。」
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首相をセルダンに託し、デマーゼルは退場。月に行ったのかな?ラスト、即座の死が処置されることになるのか。下巻が気になる。
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セルダンは、ドース、レイチと家族になった。デマーゼルは民主主義者の皮を被ったジョラナムに追い詰められ、セルダンはジョラナムに共感するレイチを使って、ジョラナムを罠にはめる。
その功績により、セルダンは首相となり、ジョラナム主義者達に命を狙われることになる。またレイチを使ってその危機を脱しようとするのだが・・・。心理歴史学の研究が少しずつ進んでいるように、セルダンが事件を乗り越えていく。ドースのお母さんっぷりが面白い。