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ここで安易に感想を述べるような安っぽい本ではありません。
また、ニジンスキーの心の闇を理解するなんて軽い考えで読むような本でもありません。
この様な非常に繊細な芸術家を、闇の世界に追いやってしまった無神経な人物を憎んでも憎みきれません。(それは誰だって?、そりゃ決まってるでしょう)。
何となくチャイコフスキーに似た気質の人だと思うのは私だけでしょうか?。そんな軽々しく書くと、非難されそうですが。
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プルシェンコ熱から興味を持ちました
しかし私には少し難易度が高かったようだ...
観客を楽しませるためには観客の好む踊りをすればよくて、
それは彼にとっては造作もないことだけれど、
彼が彼であるために踊らなければならなかった踊りは全く評価されなかった
それが彼を狂わせていったのだろうなあ。
ただ彼の場合、たとえどんなにキチガイじみていても、理解が及ばなくても、
逆にそうであればそうであるほど、「伝説」としての価値や評価が高まるとおもうのです。
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町の図書館にあり、昔読んだ本。魅惑的な世界である。バレエ。昔習っていたのも手伝ってか、色々感じるところがある世界。ニジンスキーに惹かれる自分。
がしかし、苦笑する部分が結構あるのは事実、この文章が印刷されて立派な本として出版されて良かろうか?というか実際されているが。。。ということに苦笑してしまったような文章もある。
でもそこからでさえ、ニジンスキーが少しほんの少しでも近くなる。
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ディアギレフのバレエ・リュスを追われ、自身が興行主となったバレエ公演に
失敗したニジンスキー。心を病んだ彼は妻と娘と共に、サンモリッツで療養
する。
そこで書かれたのが本書の元になった4冊のノートである。なんとも言い難い
「愛」への渇望が綴られている。
「(前略)私は誤りを自覚した。妻は他の人びとよりも私を愛してくれたが、
私を感じてはくれなかった。私は別れたかったが、それは不実だと感じ、
彼女のもとに留まった。彼女はあまり私を愛してくれなかった。彼女が
感じていたのは金と私の成功だった。彼女が愛したのは私の成功と私の
肉体だった。(後略)」
妻となったロモラは、確かに「成功した世界的ダンサー」と結婚したので
あって、人間としてのヴァーツラフ・ニジンスキーに恋をし愛したのでは
なかった。愛人でもあったディアギレフとの溝が決定的になったロモラ
との結婚によって、ニジンスキーは益々孤独の深淵に堕ちて行ったの
であろう。
それでも、ロシアで革命が起こらず愛する母や妹に会えていたのなら、
生まれ育ったロシアの地で暮らすことが出来たのであれば、彼の心
はもう少し持ちこたえたのではないだろうか。
「私の肉体は病んでいない。病んでいるのは魂だ。」
「私はみんなを愛している」。手記の中で何度も繰り返される言葉である。
愛を求めて得られずに苦悩した魂は、どこに安らぎを見出していたのだろう。
舞台に立ったのは僅か8年。伝説のダンサーに、惜しみない愛を捧ぐ。
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