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たねいりさんより。
○全体的に厨二。主人公サイドのチート加減はんぱないわ
○第一部読了。うーん…事件のトリック自体はそんなに前評判から想像するほどよくはなかった。いささか小粒感。むしろこれは、名探偵の華麗なる登場のためのおぜん立てだったのではないか、というくらい、すべての物事や描写が名探偵を賛美する方向に向かっていた気がする。
○名探偵の優しさやすごさは、作品のつくりこみから匂わせる程度が一番効果的だし上品だと考える。大げさな書き立て方は、むしろこの作品を名探偵のチートさを描きたくてかいたのではないか、とすら思わせる。 設定にのまれてないか?解決も、「小人地獄」の出自の猟奇性や、作品に対する「駄目」はこんな感じ。 「嫌い」はそれほどなかったが、文体のごてごて感は鼻につく人もいるかも、雅文調と口語体をまぜこぜに使うので、頻繁に読み手はテキストの書きぶりの路線変更に余分な体力を奪われるし、本人は読んで美しい文章を心がけたのだろうが。
○さて読後感想。まず第一部の前に第二部が書かれ、第一部はむしろ第二部の補強にしかすぎなかった、というのが新鮮だった。部立て? 章とか話じゃないんだ、と、なんだか中途半端な感じがしたが、読了してみると全体のストーリーにはこの形式がきわめてぴったりのように思う。
第一部ではいささか大仰で、キャラ先行のわりには事件真相は小粒感があるな…というあまりよくない印象を持ってはいたが、第二部を最後まで読むと第一部・第二部のボリューム、構成はわりとすぐれていたのだな、とわかる。もちろん、特に第二部の出来栄えが素晴らしかった。
あをだま@読書実況垢@galactose9
名探偵以外のキャラ付けがやや安直、一部と二部でのわずかな人物描写のずれ、または第一部の読みにくい文章(あの雅文はわざとだったらしいが@作品解説)、と瑕疵はあるものの、名探偵という存在自体に向き合いつつ謎と解決もおろそかにせず、きちんとミステリとしての品質も保つ良作である。
追伸:このタイトル、、読了後に表紙を見返すと本当にぐっとくるものがあるね(´・ω;`)
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「名探偵」に薔薇を
ちょっとしたミステリー読みの脳みその痒いところを直に掻いてくる小説。
この作品の探偵役、瀬川みゆきは名探偵だ。物語の事件の渦中に居て探偵役になるのではない。
事件がそこにない段階から瀬川みゆきは名探偵なのだ。
僕は探偵が解くために事件が起こり人が死ぬ作品が嫌いです。名探偵コナンとか、金田一少年の事件簿とか。
この作品も当初からそんな雰囲気が立ち込めている。使用方法さえ守れば、絶対に検出されない毒薬、世間を騒がせるセンセーショナルな殺人事件、そして約束された名探偵。
一部二部共に漂うミステリーの定石とお決まりに妙な雰囲気。
しかし、用意された世界は全て謎の本質に集約しました。
虚構世界の名手、城平京の手がけるミステリーはトリックで読者を騙すのではなく、小説で騙す。
謎が解かれた瞬間布団に何度も頭突きをしてしまいました。
名作。
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各登場人物が人工的すぎること、特に「名探偵」瀬川みゆきが余りに記号的なのがやはり気になりました。もう少しリアリティのある「名探偵」を登場させれば、より読者も感情移入しやすいラストになったのでは?と思ってしまいます。ただそう考えた上でも、個人的にかなり好きなタイプの作品でした。
第一部は仰々しいガジェットのわりに小粒な感が否めないですが、「メルヘン小人地獄」という物語自体が犯行計画に組み込まれているのという発想が秀逸です。第二部はダミーの真相だけでも十分に唸らされるのに加え、第二、第三の解決が「名探偵」という存在を完膚なきまでに追い詰めてしまう展開が、何ともうまくできています。話題になっている著者の新作も、ぜひ読んでみたいと想います。
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猟奇的な描写や、魅力的な登場人物、文章のうまさにひかれるけど、トリックとしてはあまり面白みがなかったと思う。すくなくとも、謎が解けて「あぁ、そうだったのか」と思えるような必然性や伏線はなかった。
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城平京の長編デビュー作ということだが、素晴らしいの一言である。
第一部では、真っ当なミステリーを描いた。多少グロテスクではあったが、ミスリードも巧みで、緊迫感や切迫感や恐怖感などを抱かされた。後半は名探偵がやって来てあっけなく解決されてしまったけど。
第二部では、名探偵を主眼に虚構の事件を描いた。真実を暴いては覆され……。それは正しいことなのか。どうすれば良かったのか。真実とは何なのか。それにどんな意味があるのか。
ある名探偵が抱える苦悩、宿命、孤独、業を見事に描き切った。
せめて……名探偵に薔薇を。
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スパイラルの作者ということで読んでみたけど…さすがの一言。
小人地獄なんてよく考え付くなぁ…そして文章力もすごい。
リアルな雰囲気が怖い。
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事件や作品の構成もモチロン面白かったですが、それ以上に探偵さんの苦悩がとても印象的でした。
読み終わって、せめて…… ”名探偵に薔薇を” と思わされました。
一応、グロテスクな描写には注意です。
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とにかく最後まで読んでみて欲しい。
途中までは「だいたいわかってしまったが構成が流石」と思って読んでいたくらいだったが、思い切り作者の手のひらで踊らされていたようだ。
2部構成の使い方もお見事。
元々『スパイラル』が好みで読んでみたかった本書だが、
この頃から既に、全体がパズルのように綺麗におさまるスタイルや、過去から未来へ能動的に繋げていく考え方が確立されていたのだなぁと感じられ、
その部分が好きな私には嬉しかった。
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「小人地獄」にまつわるミステリ二部構成。ミステリのトリックとしてはありきたりな物だが、構成が城平京らしい。あと、前半は色々(ネタバレ含むので伏せる)の描写がグロイので注意。
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怪文書『メルヘン小人地獄』がマスコミ各社に届いた。その創作童話ではハンナ、ニコラス、フローラが順々に殺される。やがて、メルヘンをなぞったように血祭りにあげられた死体が発見され、現場には「ハンナはつるそう」の文字が……。不敵な犯人に立ち向かう、名探偵の推理は如何に? 第八回鮎川哲也賞最終候補作、文庫オリジナル刊行。
謎解き自体も面白く、探偵の苦悩の部分も個人的にお気に入り。
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猟奇的な事件からのスタートですが、後半は非常に切ない。二転三転する展開は、最終的に自分の想像の一段上に着地。瀬川みゆきのその後が見てみたいです。
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面白かった…!
第一章では、謎の童話と同じように起こってゆく猟奇的殺人事件。
スリリングで面白いです。
が、こちらはミステリーに良くありがちな展開で始まり、終ります。
しかし、第一章は第二章のための、ただの序章に過ぎなかったのです!!
第二章。
二転三転する展開、どこか漂う耽美な雰囲気。
最後の最後まで、わからない切ない真相。
そして探偵の孤独…
ちなみに、漫画スパイラルの原作者の方ということを、後から知りましたが、
納得です。
耽美な世界観。
孤独な探偵。
それでも希望を信じてしまう…
テーマが似ていると思いました。
どちらも名探偵に薔薇を。
と、読後に思うはずです。
一つ、どうして気になる点が。
名探偵が、自分のことを「名探偵」と言っているのが最後まで違和感が残りました。蛇足ですが。
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気持ち悪!
という冒頭から、ホラー?と思ったけど
事件が起こり、それを解決する名探偵がいてという
純粋な推理小説だった気がします。
こんな毒が存在していませんように
そう思う!
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純粋ゴシック。とても丁寧で上品な作品。
登場人物が皆善い人、上品すぎて若干違和感。
でも良作。古典みたいだ。
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メルヘン小人地獄事件から始まる、名探偵の苦悩。
この二部構成の切なさよ。
一部が序章だとは思わないけれど、この小説の本質は二部にある。
ああ、孤独な哀しい名探偵にどうか薔薇を。
せめて薔薇を。喝采とともに。