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初ローレンス・ブロック。
ハードルが低いかと思い、短編集にチャレンジ。
まさか長編が先行して書かれているとは予想してませんでした(^_^;)
少しユーモラスなところもあるが、ビターでオフビートな殺し屋の物語。
連作になっており、時系列に沿って進行していくので徐々に主人公を取り巻く環境が変化していき、段々と知り合いの話を聞いているような気分になる不思議な作品でした。
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ヒットマンの話。派手なアクションもなく、手に汗握るドキドキもなく、淡々と殺し屋は仕事をこなす。ときには手配ミスでターゲットではない無関係な人を殺すが、殺し屋は良心の呵責も感じない。だからといって冷血でもない。犬を飼えば恋もする。でもってふられる。
描かれるのは殺し屋の私生活。それが退屈でありながら読んでしまう。不思議な小説。うまい、ってことなんだろうな。
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“殺し屋ケラー”シリーズの第1作(連作短篇集)。巻頭を飾る短篇「名前はソルジャー」の冒頭でケラーが飛行機の中で映画を観ているのが気になって、話の筋を追うよりも、ケラーが映画を観ているシーンを探しながら読むモードで最後まで読んだ。
作中の映画を観る場面を抜き出すと、ケラーの“映画との付き合い方”が見えてくるのが面白い。テレビで放送されている映画を途中からでも観るんだ、とか、HBOで放送される映画が観たいのに泊まっているモーテルではHBOが観られないとなるとモーテルを変えようとするんだ、とか。
ケラーが自身の行いを、かつて摂取したフィクションに影響されたものであることを自覚するくだりもあるし、先行する数多の作品群を意識した作りになっているのは間違いない。掉尾を飾る「ケラーの引退」では、ケラーが殺し屋稼業から足を洗って切手収集を始める話。着地の仕方が最高。