紙の本
まっさらで読もう!
2002/10/06 19:20
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投稿者:りゅー - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある村に次々と起こる奇怪な事件を描く小野先生の力の入った一作!
ある特殊な閉鎖的な村で、人々の人望を集める寺と診療所。その跡取は長年来の友人。
物語は、その二人の人物を中心に進んで行く。上巻を読むのはとても難しく感じるかもしれない。二つの物語が平行して進んで書かれるのが最初はわかりづらいし、村人達の説明が多く、登場人物の多さに何度も何度も前のページを読み返してしまうかもしれない。
しかし、その上巻を読みきった者にこそ下巻の膨大な感動が降りそそぐ!! 上巻に描かれている登場人物一人一人の細やかな心のあり様、成長過程それらは物語を最後まで読むうえでとても深い感情を持つための布石となる。一人一人の心の動き方を私たちが納得して読み進む事で最後の結論を受け止める事ができるのです。
これこそ、物語を深くするための最高傑作の前振り一冊!!
紙の本
ともにどこまでも
2002/04/25 09:54
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投稿者:猫山まどか - この投稿者のレビュー一覧を見る
語られ尽くしたような人のエゴだが、多くの登場人物一人一人の描写が細かな分、淡々と延々と描かれた分、人の自分勝手さや善良さがリアルに生々しい。
そしてまた主役格の人物達の選ぶ道も、美しくない。感情移入した人物達がどんどん死ぬわ、弱さを吐露するわ、主役格までヒーローであってくれないわで、救いようがないかもしれない。だけど、棺桶の人物にはそうかそこに行き着くかと、選んだのかと…せつなくてちょっとぐっときた。
異端であるという意識の孤独。実際異端である孤独。同じ物ではないが、よほど共鳴し合いやすい。
同じシチュエーションで『魔性の子』の広瀬は小野不由美に、ある意味の理想郷へとは連れて行かれず、棺桶の人は連れて行かれた。その違いは何なのだろう。わかる様な。やっぱりわからない様な。
紙の本
一人のときに読んではいけない。
2001/02/01 00:56
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投稿者:松内ききょう - この投稿者のレビュー一覧を見る
何が怖いのか、なぜ怖いのか、淡々としてきめ細かい文体まで武器にして、気が付けば骨の芯まで浸食されているほどの恐怖。
始まりは淡々として、中盤、作者の意図的なペース配分に乗せられていることに気が付いた頃には、ブレーキも壊れた車輪は、ますます勾配を増す坂を一気に下り落ちる。その下にあるのは、闇なのか、救いなのか。
上巻を深夜に読み始め、一気に下巻を手にした頃、ふと朝日が昇るのに気づいたときのあのときの恐怖を私は今でも覚えている。
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上下巻の上巻。
壮大なる序章といった感じ。
何も起こらないようで少しずつ何かが起こっていく。
流れるような文章に、いつしか引き込まれてゆく。
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小野作品ではこれが一番好み。次々と死んでいく人々、その謎を考える複数の登場人物たち。彼らの死への考え方を楽しんで欲しい。上巻のほうが読むのにしんどいと思う。
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死が村を蹂躙し幾重にも悲劇をもたらすだろう―人口千三百余、三方を山に囲まれ樅を育てて生きてきた外場村。猛暑に見舞われたある夏、村人たちが謎の死をとげていく。増え続ける
死者は、未知の疫病によるものなのか、それとも、ある一家が越してきたからなのか。
【感想】
http://plaza.rakuten.co.jp/tarotadasuke/diary/200410180000/
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ハードカバー本で読んだのであまりの分厚さに
最初はちょっと凹んでました。
でもただ長いだけじゃないのがこの本のいいところ。
要所要所に見せ場があって話の中に引き込まれます。
サスペンスホラーチックなので夏の夜にお勧めかも。
文庫本も出てるので、分厚いのはちょっと・・・と
思う人はそちらをどうぞ。
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夏になるとまた読みたくなるのです。文庫版よりもハードカバーの方が重厚感があり、より雰囲気が出るので好みです。
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好きな作家さんってこともあって、即買いました。
話長いので上巻3分の1ぐらいまで読んではほったらかしてをしばらく続けてました。でも、読み進めると夢中になって読みきっちゃいました★っていってもかなりの長編なんで、それなりに時間かかっちゃいましたが。。
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9割は人が動かざるところまで追い詰める話でそこまでが長い!でもさすが人間の心情とかは上手く描かれてる。
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上巻はけっこう読み進めるのが苦痛だったりするが、その長さがあってこそ下巻の途中からのクライマックスが生きてくる。生と死について考えさせられる傑作だ。
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屍鬼の怖さ、人間の恐ろしさ。かなりの長編だが、最後まで楽しく読めた。唯一残念なのは、住職の書く小説が何が何やらさっぱり解らなかったこと。聖書方面の知識があれば理解できるのでしょうか。途中からは作中作の部分は飛ばし読みでした…。その分、星は3つです。
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やっぱりこれは文庫じゃなくてこの分厚い威圧感のあるハードカバーを読むべきだと思う。別に文言がかわってるわけじゃないんだけれどもね。とにかく人物が多いので混乱すると思いますが、あまり気にしないでどんどん読むのをお薦めします。会話分が多いのでわりとさくさくいけてしまいますよ。
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あまり読まないオカルトものをよんでみた。
舞台となるのは三方を山に囲まれた外場村。
「卒塔婆」を連想させ、いかにも不吉なことが起こりそうだし、もちろん起こる。
今もなお土葬の風習が残り「起き上がり」という死者のよみがえり伝説があるその村で
猛暑のある日、何人もの村人が謎の死を遂げ、肉体を持ったまま埋葬されていく。
何かの疫病か・・・近親者がすぐに罹患しない点からしてその可能性は薄い。
ではいったい何なのか・・・・。
坂の上の村に似つかわしくない洋館に引っ越してきた住人・・・。
吸血鬼といえば洋館、そしてキリスト教異端者・・・。
物語の随所で語られるカインとアベルの一説。
この辺まではまだ良かった。ミステリーの要素が大半を占めていて。
その後、じつは死んだ人がヴァンピールになって・・・
例によって数日に一回は生血を吸わないとないと自分が死んじゃうんで、
誰かの血を吸わなきゃいけないんですけど、
村の人はみんな知り合いなんで誰の血を吸っらいいか悩んでしまいます・・・・。うーん、あんまし怖くない。
というか、吸血鬼側の事情を悲しげに説明されても困ります。
生血を吸う吸血鬼に対する恐怖や怒りが同情に摩り替わってしまった時点で
読む気力が半減してしまった。
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どうにもやりきれないぐらい切なくて、悲しくて、怖くて、涙ばかりでて。読んだのはもう5,6年前になるんだろうけど今でもとても好きな本。とてもたくさん読みながら思って、考えて、世界が開けた気がした高校生のころ。