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紙の本
人が人を裁くことは可能なのか
2002/07/25 02:38
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投稿者:ケルレン - この投稿者のレビュー一覧を見る
法曹学院に所属する、有能で野心家の女性弁護士ヴェニーシャは、伯母殺しで起訴された青年アッシュの弁護をして、無罪を勝ち取る。ヴェニーシャは公判中からアッシュに不信感を持っていたが、彼が自分の娘オクタヴィアに近づいたことで不安を感じる。二人を引き離そうと躍起になっていた最中、ヴェニーシャは所属する法曹学院の自室で刺殺体となって発見された。ダルグリッシュ警視長らの捜査により、学寮長のポストを巡って対立していた同僚弁護士や下院議院の愛人など、動機を持つ人間が少なくなかったことがわかる。しかし、いずれもアリバイがあり、法律のプロを相手にした捜査は思うように進まず、やがて新たな殺人が起こる。
容姿も能力も優れた母親に、魅力に乏しい娘。オクタヴィアはそれを充分に自覚し、自分を嫌って野心を優先する母親に反感を持ち、危険な魅力を湛えたアッシュの愛にすがろうとする。しかし、オクタヴィアが辛い状況にあるにもかかわらず、容赦のない描写のため、ちっとも同情心は沸いてこない。そして、作者はP・D・ジェイムズである。やはり母は娘を愛していたのだ、という甘く単純な展開になろうはずがない。
この母娘の関係を軸に、様々な状況を自分なりに正当化しようと行動する人間たちが描かれ、司法による裁きの限界を浮かび上がらせる。
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